表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反少年主義 第四幕  作者: 椎家 友妻
其の一 たたずむ乙女
15/72

13 フラれる心当たりは全くない

 「ちょいちょいちょーい!オレは変態痴漢とちゃいますがな!

オレはお姉さんを助けようとしたんや!」

 「ええぇっ⁉どぇえええええっ⁉」

 「どんだけ驚くねん⁉

目の前で人が橋から飛び下りようとしてたら、普通助けようとするでしょうが!」

 「そういうものですか?」

 「そういうもんなの!

で、お姉さんの彼氏さんが最近冷たいのはよう分かったけど、

面と向かって別れようって言われた訳じゃないんでしょう?」

 「そう、ですけど、友達に相談したら、

『それはフラれる前触れだ』とか言われるし・・・・・・」

 「何で急に彼氏さんが冷たい態度をとるようになったのか、心当たりはないんですか?」

 「マッタクありません。

彼が他の女の子と仲良くしていないかしつこく問い詰めたり、

メールの返事をすぐにくれないとネチネチ文句を言ったり、

休日にデートしてくれないとプリプリ怒り狂ったりはしますが、

彼に冷たくされる覚えはマッタクこれっぽっちもありません」

 「そんだけやっとってよう心当たりがないとか言えるな!

そらぁ彼氏さんに冷たくもされるわい!」

 「ええっ⁉そんなアホな⁉」

 「アホはあんたやろ!

ちょっとのヤキモチなら可愛いもんやろうけど、

そんな納豆みたいにネバネバねちっこいヤキモチ焼かれたら、相手も嫌になりますがな!」

 「私、納豆好きですよ?」

 「そういう話とちゃうねん!度を過ぎたヤキモチは考えモンやって言うてるんや!」

 「そんな、じゃあ原因は、私にあるというんですか?」

 「全面的にそうとは言いませんけど、

多少なりともお姉さんにも原因があるんと違いますか?」

 「だ、だって、彼はとってもカッコよくて、誰にでも優しいから、

他にも仲良しの女の子が居るんじゃないかって心配で・・・・・・」

 「そんなにカッコいいんですか?」

 「あなたをボウフラに例えるなら、彼は白馬に乗った王子様そのものです」

 「オレをボウフラに例える必要なくない⁉」

 「それくらい彼がカッコいいという事を言いたいんです。

だから気を悪くしないでください、ボウフラさん」

 「誰がボウフラや!

・・・・・・まあええわ、それで、彼氏さんは歳いくつなんですか?

年上?年下?同い年?」

 「年下、です」

 「へぇ、ちなみにお姉さんはいくつなんですか?」

 「二進数で表現すると、1111歳です」

 「ややこしいややこしい!普通の数字で表現してくださいよ!」

 「一五歳の高校一年です」

 「と、いう事は、彼氏さんは中学生?」

 「いえ、もっと、下です・・・・・・」

 「小学生かいな!小学何年生?」

 「六年です」

 「ほぉ、じゃあオレと同い年や」

 「ウフフ、ジョークがお上手なんですね」

 「ジョークとちゃうわい!オレホンマに小学六年生やからね⁉」

 「えええっ⁉そんなボウフラみたいに小柄なのに⁉」

 「そこまでちっさくないやろ!これからグングン伸びるんや!・・・・・・多分」

 「背がちっさくてバカにされるからって、

橋から飛び下りようなんてバカな考えを起こしてはいけませんよ?」

 「そりゃあんたや!

オレはそんな事で橋から飛び下りようなんて思わへんわ!

それにしてもお姉さんも小学生と付き合ってるんかいな。

オレのツレも女子高生と付き合ってるわ。

最近はそういう歳の差カップルが流行ってるんかいな?」

 「愛に歳の差は関係ないんです!彼だから好きなんです!

彼が居ないと私は生きていけないんです!」

 「そ、そうですか。ま、まあ、あんまりヤケにならんと、

いっぺん落ち着いて彼氏さんと話合ってみたらどうですか?

誤解やすれ違いっていう事もあるやろうし、

お互いの本音を言い合う事で、前より仲良くなれるかもしれませんよ?」

 「そ、そうですね。一度、彼とキチンと話し合ってみます」

 「それがいいですよ」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ