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それを人は恋の始まりって言うんだよ

「えっ夏ちゃん以外はみんな俺より年上なの?信じらんない若いしキレイっすね俺マジで年上もオッケー許容範囲ですっ」


と人一倍高いテンションで話す高畑を横目に巧馬は李々子を見つめ続けていた。


嘘みたいだこんなにそっくりな人が目の前に、しかも名前も同じだなんて


自分を見ている巧馬の視線に珍しく気付いた李々子は思わず巧馬を見つめ返した。

見つめ返された巧馬は驚いた。


向こうも俺を見ている?


なかなか目をそらすことのできない2人…

そんな二人の様子に気付いた颯也がチラリと巧馬を見たあと李々子に


「そうだ李々子ちゃんはどんなタイプの男性が好みなの、教えてくれるかな」


と聞いた。

李々子が颯也の言葉にハッと気付き颯也にむきなおし不思議そうに


「なんでですか」


と言うと逆に驚いた颯也が


「聞いてなかったの?好みの男性のタイプ教えて欲しいって言ったんだよ」


「ああ好みです…考えたことがなかったな。そうだな傍にいて暖かくなれる人って言うかほっこりできる人ですね」


と李々子が答えると突然月子が振り向き


「リーコそれって湯タンポみたいな人って事よね」


と言ってきた。李々子は引きぎみに


「湯タンポって…まあそう言われればそうかもしれないけど」


と言うと月子は


「だよね湯タンポいいよね。でもさ夏は熱くない絶対に熱いって、夏場はクーラーみたいな人がいいって。

夏はクーラーで冬はカイロ…それって最高じゃないなんたって電気代が浮くんだよマストだね」


と言うので李々子は慌てて


「いや月子その体温の事じゃないから」


と訂正すると


「月子さんその意見めっちゃ賛成。

俺って暑がりなんで冬は俺がカイロになれるからそんな彼女凄くほしい」


と嬉しそうに高畑友広が言った。

その言葉に月子は感動して


「でしょ~分かる人には分かるのね。たしかあんた高畑友広っていったわよね気に入った、よし飲もう今日はとことん飲むわよ」


「はい俺月子さんについていきます!」


と肩をくみ2人は盛り上がっていった。そんな酔っ払いの2人に向かい皆は一斉に


酔っぱらい方がそっくりだよ。

あんた達お似合いだからもうなにも言うまい頑張りなさい


と思っていた。

そんななか、まだ李々子を驚いたようになつかしそうに見つめている巧馬の視線が颯也は気になっていた。


あいつ彼女の事見すぎだろまさか今時一目惚れとか。

それにしたって何でこんなに彼女の事が気になるんだ今までこんな事なかったのに。

ああ俺に振り向かない女はいなかったから物珍しさか。


そう思いながら二人をみてる颯也にいてもいられなくなった英里奈が


「颯也さん颯也さんてば」


と声をかけた。


「ん?なに」


「私ともお話ししてください」


と英里奈がプリプリしていると


ほらこれが普通の反応だ、こうでなくっちゃ


と颯也は思った。


月子と友広の先導で二次会に向かっている途中李々子が


「ごめん私帰るわ明日も仕事が早いから」


と言うと


「まだ早いってもう一件行こうよ」


と友広が言うのを制止し月子が


「わかった、じゃあまた連絡するね」


と声をかけると李々子は頷き 


「それじゃあ」


といい去っていった。慌てて颯也が追いかけようとすると


「俺も帰ります」


と言い巧馬が駆けていった。颯也は胸がチリッと焼け付くのを感じた。

そんな颯也の腕を英里奈はつかみ


「颯也さんはもちろん行きますよね」


と言うと


「ああモチロンだよ」


と言い笑顔を作った。


足早にでもフラつきながら駅に向かう李々子に巧馬が追い付き声をかけた。


「李々子さん大丈夫?終電まで時間あるからそんなに急がなくて大丈夫ですよ」


と言って顔を見ると赤い


「確かお酒のんでないよね何で顔が赤くて目がすわってるの」


巧馬が驚いて聞くと李々子は立ち止まり


「ええ飲んでないわよ飲んでないけど若いくせに何でしめに日本酒と焼酎飲むかなぁ。私は臭いでも酔うんですけどぉ」


明らかに酔っている

なんだろこの人面白い


そう巧馬が思っていると


「ん?なんか言った」


「何にも言ってません」


「あっそったく~」


訳のわからない言葉を言いながら駅へと歩きだした。

でもどうしても斜めに斜めに歩いてしまう李々子を見かねた巧馬は


「送ります電車って何線ですか」


と言うと李々子は身ぶり手振りで


「何線ってこう直線とかニジン線とかのこと?て言うかドローで2重線を引くっておま職人か」


意味違うし、所々意味がわからないし身ぶり手振りって


巧馬は李々子の言葉に吹き出してしまった。


「ん?あにがおかしなのよ」


「いや兄はお菓子じゃないから」


と答えたあと


あー何がおかしって言ったのか?


李々子は兄がお菓子って何をいってるんだ?と小首をかしげたあと変なやつと思っていた。


「俺もちょうど帰ろうとしてたから一緒に帰ろ」


と言うと李々子はじっと巧馬の顔を見たあと、しょうがないなぁという顔になり


「そう言うことなら一緒に帰るよ」


と言い巧馬の腕を引っ張り歩きだした。


だからさっきから斜めだしそこ段差があるし危なっかしいな


巧馬は時折転びそうになる李々子を心配そうに見ながら歩き2人で電車に乗った。

電車のなかでうとうとする李々子は必死に目を開けようとする。

そんな李々子の隣で巧馬がまた笑った。


「ちょっとぉなんで笑うのよ」


「無理しないで寝てて着いたら起こすから」


と言うと李々子は巧馬をにらみ


「信じらんないね、おいて帰られたらヤダもの」


この人は変なところ頑固だな仕方ない


「分かりました、じゃあ頑張って起きててください」


と巧馬に言われてしばらく頑張っていた。

トンッと巧馬の肩に李々子の頭がのった。


だから寝ていいって言ったのに


巧馬はフッと笑った。


巧馬の肩に頭をのせた李々子は気持ちよく眠りについていた。


遠くで目覚ましの音そして美味しそうな香りに誘われるように李々子は目をさました。


何だろう美味しそうなにおいがする、お腹すいたなぁ


ふらふらとキッチンへ向かうと


「おはようよく眠れた?ご飯出来てるけど食べる?俺こう見えて結構料理できるんだよ」


と笑顔で言う巧馬を見て李々子は目を見開き凍りついた。

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