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これは、競技かくれんぼではありません

全ての行動は李々子と松岡を愛するがゆえ

翌日の夕方、店のなかを落ち着きなく歩き回る沙代子にアルバイトの千石美緒20歳がたまらず


「だから沙代子さん挙動不審すぎますって。」


と言った。すると沙代子が


「だって~今日は松岡のはれ舞台なのよ。こんな事はめったにないんだから、多分いやおそらく松岡にはもう二度とないかもしれないわね。」


そっそこまで言いますか、この人たちは。


「あっ美緒ちゃん今日の段取りちゃんとわかってるよね。」


と沙代子に言われ美緒はにっこり笑って


「はいはい分かってますよ。でも上手くいくとは思えないんですけど。だって松岡さんあれだし」


そう言って見た2人の視線の先には李々子をじっと見つめる松岡が。


「あいつはリーコさんのストーカーか!!

ったく、だいたいあいつが合コンの事とか聞きたい事があるんならズバッとさっさと聞けばよかったのよ本当に面倒くさいヤツ。」


と沙代子が言うと


「でも、そこがいいらしいですよ彼女達にしたら」


と言い指差した先には松岡を熱く見つめる女子高生が。

しかも気付けば4人に増えているではないか。


「あれってこの間の女子高生だよね。マジか人数増えてるし。」


お子さまは分かってないわね、あれがイケメンに見えるのは背が高くて眼鏡だからだけなのよ。

とりあえず惜しいイケメンの松岡が本当のイケメンになれるのかどうか…今日は頑張ってもらわなくっちゃ。

じゃないと伊織さんに千円払うはめになるんだから。


と呟いたあと沙代子は去っていった。美緒はそんな沙代子の後ろ姿を見ながら


またこの人たちは松岡さんで楽しみすぎ。

でも松岡さんももうちょっとしっかりしないとこっちが辛くなるわ。

じっくり見たことないけどそれなりに男前だと思うんだけど惜しいなぁ。


と思ったあと松岡の方を見て


たまには眼鏡を外してちょっと強引に李々子さんに迫ってみればいいのに、そうしたら…

ムリだわ松岡さんじゃ。はははとりあえず頑張れ松岡!!負けるな松岡!!


美緒は松岡を見ながらガッツポーズをした。そんな美緒に李々子が気付き


「みっ美緒ちゃんどうした?さっきからぶつぶつと独り言…まさかストレスがたまってる?なんか辛いことでもあった?」


と言われて美緒は焦って


「えっと、かっ肩が肩の調子がちょっと悪くて整体行こうかなって心の声が漏れちゃったみたいです。

あ、もう治ったみたいでぇ~す。」


と言い急いで去っていった。残された李々子は


美緒ちゃん大丈夫なのかしら?


と頭のなかは?だらけの李々子だった。仕事が終わり鍵をしめた雄大は


「リーコさん皆との約束なので今日は家まで送ります。」


と、やっとの思いで李々子に言った。そんな松岡に李々子は


「え~いいって~大丈夫だよ。」


「いやいや皆に俺が怒られるので今日は家まで送らせて下さい。」


と何時もより強い口調で松岡が言うので


「じゃあ最寄り駅までね。いいの遠回りになるんじゃない大丈夫!?」


と聞くとすごく嬉しそうに


「全然大丈夫です一緒に帰りましょう。」


と言った。

店の鍵を閉め二人は並んで駅へ向かった。電車に乗ると松岡は李々子の隣に座った。

李々子の隣に座るがはじめての松岡は恥ずかしそうにうつ向いていた。そんな松岡に


「前から思ってたけど松岡ってなんか小動物みたいでかわいいね。

私は弟はいないけどなんか弟みたい。」


えっ弟


楽しそうに笑う李々子をみて松岡は


弟なんですか…でもリーコさんが俺を見て笑ってる。

ってか肩当たってるうわぁ~


といっそう照れてうつ向く松岡に李々子が


「もしかしたら何か相談事があるんじゃない?

たしか途中にカフェがあったから聞くよ。」


と言った。すると驚いた松岡は李々子を見て


「はいお願いします。」


と言ってしまった。


くすっ松岡おもしろい。ここは仲間として聞いてやんなくっちゃ


李々子と松岡は駅につき電車を降りるとカフェに入っていった。


2人で、2人で、これはもう頑張るしかない。

とりあえず好きですってのは言わなきゃがんばれ俺!


気合い入れまくる松岡だったが、そんな二人の後をつけている黒い影に気づいていなかった。


「あの時間いいんですか?子供と旦那さんほっといて」


と1人がいうと


「ふっこんな面白い事をこの私が見逃すわけにはいかないでしょ。

あんたこそ草食彼氏をほっといていいの?デートだったんじゃない」


と声をかけた。すると


「今日は大丈夫です。自腹きりたくないですからねってか全部松岡に出させますけど。

まあ今回は親心みたいなもんです。

あっほら2人座りましたよ行きましょ。」


がんばれ松岡!!

とりあえず玉砕しようがどうなろうが好きですの一言さえ言えばいいのだ!!

それで私の勝ちなのだ


と不敵に笑う1人に


何が親心だよ!あんたは明らかに賭けに負けたくないからだろが本当に。

それにしたって鈍いわ鈍すぎる。お前ら小学生か!


と心で突っ込みまくるもう1人であった。

そして2人にバレないように細心の注意をはらい店内に入っていった。


2人は来るべき時を静かに物影から楽しみに…そりゃあもう楽しみに見守っていたのだった。

結局はお金か‼️

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