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はい、あかいけ書店です

メガネ男子素敵です。

李々子が出来上がったPOPを店内にディスプレイしていると、唯一の男性店員で密かに眼鏡モエ女子にモテている長身で眼鏡男子の松岡雄大がやって来た。


「あのリーコさん、そのPOP気合い入りすぎじゃあ」


と言うと李々子はキョトンとして松岡を見て


「どこがよ」


松岡は188センチある背を李々子の目線に合わせるためにかがんでPOPを指差し


「ほら、いつもより紹介文が長すぎ。気に入ったんだなってのは分かるけど、そんな長いのお客さまは読まないと思う」


と言った。そんな松岡に李々子が


「松岡」


「はい?」


松岡が横を向くと、すぐそばに李々子の顔があるではないか。


「うっ!!」


と驚きながらも見つめる松岡に


「松岡…顔が近い近すぎるのよね。すまぬが、ちょこっと離れてもらえぬだろうか」


と李々子が言った。ハッと気付き


「うわっごっこめんなさい」


と言いかがんでいた背を伸ばした。


しまった久しぶりにやってしまった


「ごめんなさい気を付けます」


李々子はやっと金縛りからとけホッとして


「そんなに謝らなくてもいいよ、無理なときは言うから気にしないで。

そういや同期では松岡だけだよね私の至近距離恐怖症に理解あるの。

飲み会行くとどいつもこいつも酒が入る前からベタベタしやがって。

最低でも30センチ以内に近寄んなって言ってんのに

本当はうれしいんでしょ~気があるんでしょ~

とか言ってさバカかって思うよ」


「ハハハ確かに本社と他支店との合同飲み会で苦労してましたね」


「そうなのよ殴りかかりそうになったわよ。運良くひかる店長が止めてくれたから良いものの」


「その手が当たったのが俺なんですけど」


「まあそんな昔の事は忘れたまえ、でもこの恐怖症は一生治らないんだろうな」


「それでもリーコさんが仕事中はその癖がでるのを我慢してるの知ってます」


それなのに一番無防備な時に俺ってやつは


とうなだれる松岡に


「松岡ってば気にしなくていいって、あんた本当にいいやつだよね。

ん?あれ?なんの話してたっけ」


と李々子が言うと


「そのPOPのこと」


「そうだった確かに松岡の言う通り文庫本サイズのPOPにこんなにビッチリ書き込んじゃダメだよねぇ。

今見たら何が言いたいのか分かんない文章だわ。ありがと松岡助かったすぐ直してくるよ」


と言い李々子はもう一度事務所に向かった。


いいやつかぁ


松岡はそんな李々子の後ろ姿を優しくいとおしそうに見ていた。


「良い人ってのはぁ~恋人にはなれないのよぉ~」


え?!


びっくりして振り返る、いつの間にか後ろに伊織が立っていた。


「いっ伊織さん」


「全くそんなに好きなら好きって言えばいいのに。

今リーコはフリーなんだしうまくいけば意識ぐらいはしてくれるかもよ。

特にぃリーコみたいなタイプにはぁこうハッキリ、バッキリ、ズバット言わないと伝わらないんだから。

だからさぁまつおかぁ頑張んなさいよって松岡じゃ無理かぁ」


と言い肩を叩き去っていく伊織に、聞こえるか聞こえないかの声で松岡はメガネを直しつつ


そんなことを言えるわけないだろ、だってリーコさんは俺が好きなのはアルバイトの千石さんだって思ってるんだから


どしたらいいんだ


すると呆れたように伊織が振り返り


「あんたまだ誤解といてなかったの」


心の声漏れてた?


「駄々漏れよ、あれはストーカー対策で彼氏のふりしてくれって頼まれたんだって事を言えばいいのに、本当にバカ松岡」


と言い捨てて去っていった。


ばっバカって元々はあんたらが彼氏のフリさせたからだろ


落ち込んでため息をついた松岡のイヤホンから


「まつおかぁ~どこにいる~とっととレジやれ!!」


店長の呼び声が聞こえた。松岡は慌てて


「わっ分かりました、すぐレジに向かいます」


と急いでレジに向かった。

松岡がレジに行くと少し離れて見ていた2人の女子高生がやって来て、一人が本を渡しながら松岡を見上げた。


またか、そんなに背がでかいのが気になるのか?


松岡はいつもの事なので気にもせず


「お待たせいたしました二冊でよろしいですか?1,896円になります」


と言い本を袋にいれ渡した。すると本を持った彼女が


「あと下の名前教えてください!!」


と言った。松岡はキョトンとして彼女を見た。

彼女はそんな雄大にかわいい名刺を差し出しカウンターの上に置き


「ケータイ番号とアドレスです。連絡してくれるの待ってますからぁ!」


と言いもう1人と一緒に走り去っていった。


は?


松岡がボケッとしているとひかるが背後から忍より


「さすが眼鏡萌え男子はやるのう~この女子高生キラーが」


と言うとそこにやって来た李々子に


「ちょっとぉリーコ聞いてってば、松岡がさぁまた女子高生にコクられた」


と言った。松岡は慌てて


「店長違います。リーコさん違うからいつもの冷やかしだから本気じゃないから誤解だから」


と言うと李々子が


「やっぱさ松岡って女子高生にモテるんだね。

いいな~すごいな~かわいい子にモテて羨ましいな~」


と言い去っていった。松岡は眼鏡の奥で涙目になり


リーコさんあなたって人は


と呟いた。そんな松岡にひかるが


「ふっふっふっ、そう簡単にリーコとくっつけると思うなよ松岡。

それとその名刺個人情報だからシュレッダーよろしく」


と言いニヤリと笑った。


「俺、休憩してきます」


と言い松岡はうなだれながらレジから出ていった。そこへ遠巻きに楽しんでいた伊織が現れ


「松岡、(へこ)みまくり~」


と言うと


「ヤバイいじめすぎたかな」


とひかるが言った。伊織は


「先に私がいじめておいたから立ち直るまでちょっとかかるかもね。

でも松岡は単純だからなんかホローしときゃ大丈夫でしょ」


と言い去っていった。


「お前もか‼️まあ松岡だしなホローか。やっぱリーコがらみかな~うん!!」


ひかるはニヤニヤしながら李々子をチラ見した。

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