始まりから選択まで
パラレルワールドにあるヨーロッパのあるところに、シンデレラという女の子が住んでいました。
お母さんが早くに亡くなってしまったので、シンデレラのお父さんは新しいお母さんを迎えることになりました。
そのまま母はシングルマザーで、シンデレラには幼い弟のエメができました。
「シンデレラ、エメが散らかしたから、部屋をもう一度掃除しなさい」
シンデレラはまま母に、掃除や洗濯を言いつけられました。
エメはまだ小さいので、シンデレラはエメのお世話もしなければいけませんでした。
ある日、お城でパーティーが開かれるのでシンデレラの家にも招待状が届きました。
「ママ、ぼくも行きたい!」
「エメ、お城の中ではお行儀良くするのよ。走り回ったりしないでね。シンデレラ!エメもパーティーに行きたがってるから、その準備も頼んだよ」
シンデレラは目の回るような仕事を言いつけられました。掃除洗濯、エメのお世話はもちろん、お城のパーティーに出るための服を買ったりと大忙しです。
まま母とエメがお城のパーティーに行った後、シンデレラはため息をつきました。
「私もパーティーに行きたいわ。でも、お母様のクローゼットの鍵はお母様が持っているし、私の家には私には姉妹がいないし…」
シンデレラは泣きそうになりました。すると、目の前に妖精の女の子が現れました。
「シンデレラ、泣いちゃだめよ。」
シンデレラは驚いて女の子を見ました。
「お城のパーティーに行きたいんでしょ?それなら、かぼちゃと猫が必要よ」
シンデレラは冷蔵庫から一番大きなカボチャを取り出して庭に運び出しました。飼っている猫もシンデレラの後についてきています。
妖精の女の子が杖を一振りすると、カボチャは車に、猫は運転手になりました。
「でも、この格好じゃお城に入れてもらえないわ」
「そうだったわね、それ!」
シンデレラの普段着であるミニ丈のワンピースが、リボントレースのついたきれいなドレスに変わりました。
ショートブーツだとこのドレスに合わないので、ガラスの靴まで妖精の女の子は用意してくれました。
「さぁ、パーティーを楽しんでね。でも、真夜中の12時までには帰ってきなさいよ。魔法が解けちゃうからね」
「ありがとう、ではいってきます」
夜の8時、空には星がキラキラと輝いています。
お城に入ったシンデレラはとても美しく見えました。
(お母様とエメは…どこにいるのかしら?)
シンデレラは辺りを見渡してまま母と弟の姿を探しました。でも、見つかりませんでした。
小さいエメが夜遅くまで起きていられるはずがありません。きっと、まま母が連れて帰ったのでしょう。
「失礼」
銀髪の青年がシンデレラに誓うに歩み寄りました。彼はこの国の第1王子であるルイです。
「僕と、踊ってくれませんか?お姫様」
シンデレラはルイの手を取ろうとしました。すると、近くにいたもう一人の若い男が声を掛けました。
「待て、シンデレラ。お前は俺と踊るんだろう?」
紫がかった黒髪で片方の目が隠れているこの青年はバート。シンデレラの幼なじみです。
「バート、あなたもこのパーティーに?」
「ああ。招待状が届いてな」
シンデレラは迷いました。パーティーを楽しみたいのですが、どちらと踊ればいいのかわかりません。
憧れの王子様か、それとも自分のことをよく知る幼なじみか。
本当なら、どちらとも踊りたいのですが、そうなると自分の品格が問われます。
シンデレラはルイとバートの間で板挟みになっていました。
(どっちと踊ればいいの…?早くしないと…!)
皆さんがシンデレラだったら、どちらと踊りますか?それで、ルートが分岐します。
★国のあこがれである第1皇子ルイ(王子ルート)
★幼少期から自分のことを知っている幼なじみバート(幼馴染ルート)