第二話 機械都市メカ・メカ(2)
ボク「何者だ!?」
63番「わがはいは63番であーる。この街には電波が充満しているゆえに、ロボット・スーツを着なければならぬのであーる。わがはいのアトリエに一着、余分のスーツがあるので、君、もしよければ差し上げーる」
ボク「それはありがたい」
63番というやつの後ろについていくと、小さな工場のような家があった。突き出たチューブから蒸気が洩れている。前庭はがらくたで一杯だ。中に入ると、作りかけの人型ロボットがずらりと並んでいた。
63番「わがはいは、わがはいの作った63番目のロボットに、わがはいの精神を移植したのであーる。そこに並ぶ62体のロボットたちは試作機なのであーる。君、どれでも好きなのを選びたまえ。ボタンひとつ押せば着用できるのであーる」
ボクは何気なく、近くにあったロボットの胸のスイッチを押した。すると、一瞬のうちに風景が変わり、ボクは広い広い草原のまんなかに立っていた。
63番「ああっ、君、君、聞こえるかい?君が選んだロボットは、わがはいの作ったものではないのであーる!見たこともない!なぜわがはいのアトリエの中に?もしや・・・いや、とにかく、わがはいの声が聞こえるね?こっちからは君が見えているから、指示を出そう。わがはいはこのロボット、名付けて「64番」を調査する。そのあいだ君は周囲に気をつけていてくれ。何が起こるか分からないのであーる!」
つづく