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アンドロイド  作者: 中川 はじめ
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不器用な筋肉

エージ「結構時間空いたな。なにがあったんだ?」

ショウ「バイトに集中してたらしいぞ。大変だな。」

ラータ「しかもSNSで7/22に投稿すると言っていたのにこうですか。呆れますね。」

ショウ「まぁグチグチ言ってても仕方ない。第6話、行こうか。」

「キドラを返却するのだな。了解した。こちらの準備が整い次第、また連絡する。」

「あ、切る前に…目安はどれくらいですか?」

「そうだな…君の報告にあった、例のイスパードとやらを調査したり、後日サテル国の首相との首脳会談の予定があるから……恐らく2~3ヵ月ほどだ。」

「彼女の処分は…?」

「君の話を聞いた限りでは解体を望んでいるようだからな…あまり解体はしたくないのだが…本人が望むのならば仕方がない。」

「…分かりました…。以上です。」

「了解。失礼する。」

ショウが携帯を通して政府の役人と話をしていた。内容はキドラの返却、並びにその後のことについてだった。


それから一週間ほど経つが、キドラの表情はずっと暗いままだった。残された時間はいわば余命のようなものだ。一日一日が彼女の最期の日を近付けてくる。彼女も最早なにも言わなくなった。エージはそれを気の毒そうに見ていた。

「なぁ…あいつ、死んでもいいっていうけど、助けてやれねぇもんなのか…?」

エージがショウに切実にきく。

「助けてやるも何も…元々、あいつが死を選んだんだ。本人の意思じゃ、どうすることもできない。」

ショウはそんなエージの肩に手を置いて答えると、エージはそれを払ってどかした。

「まぁせめて残された時間は役立ってもらおう。じゃなきゃ大金を払った意味がなくなっちまうし。」

そう言ってショウは自室に戻っていった。見届けたエージはそれでいいのか疑問であった。しかしショウの言ったとうりだ。本人の意思ではこちらはどうすることもできない。エージはキドラを助けたがっていたが、少しずつ諦めていった。彼は一人、リビングでコーヒーを寂しそうに、そして何故だか悔しそうに飲んでいた。


「おいゴリラ、エンディアだ。いくぞ。」

コートを羽織ったショウが階段から降りてきてエージに出撃を知らせる。どこか迷いがあるようなエージは、発音が曖昧で少々聞き取りにくいような声量で返事をした。そして昼寝をしていたラータが寝癖ではねている髪と眠そうな目でショウの後を追ったのを見届けた後、立ち上がってから自分の反対側にいるキドラに声をかけようとするも、今の彼女を出撃させていいのかを迷う。そして申し訳なくなって一人で出撃した。キドラはエージの反対側を向いていたが、背中越しにエージのその迷いを感じた。


「待たせたなエンディア! 俺が相手になってやる、ジクティアだ!」

アームドした状態でエンディアの前に現れたショウはノリノリで名乗った。

『ジクティア……はぁ…まぁいいか…。』

「今正式に決まった! ジクティアだ!」

ラータはこの“ジクティア”という名前が少し嫌だったが、さすがにもう諦めたようだ。

今度のエンディアはどうやらムササビのような見た目をしている。

「ムササビ…滑空とかしてくるのか…?」

『どうでしょう…参考までに、少し相手を調べます。』

ラータが相手のエンディアをアナライズする。しかしその間にエンディアが攻撃を仕掛けてくる。風が吹くと早速跳び跳ねて体制を作り、滑空する。ショウはそれを見切って回避する。すると相手は再び滑空してブーメランのように戻ってくる。再び回避しようとするが、どのように回避するかを予測していたようで、体当たりを食らわしてきた。上手く受け身をしたことでダメージは軽減したと思われたが、エンディアが白い煙を吐いて目眩ましをすると、地上に降りて直接引っ掻いて来た。

ショウは赤いオーラでその場を高速で離れる。

「ちょっと頭いいやつだな。でも…」

イスパード戦のときに使用した自作の武器を召喚して以前のようにトリガーを押して剣モードにする。もう一度トリガーを、今度は長押しする。そうすることで刀身にエネルギーを溜めることができるのだ。

ショウの居場所をようやく理解したエンディアが彼めがけて突っ込んでくる。

『ショウ、来ます。』

「分かってる。」

風にのってこちらに向かってきている。

『距離半分。まだ溜めますか?』

「もち。」

溜めたエネルギーは塊として形成され、それを飛ばせば遠距離攻撃を仕掛けることができる。溜めれば溜めるほど、威力が上がる。

エンディアが滑空しながら爪を露にさせ、攻撃体制に入った。エンディアは目の前にいた。

『来ます!』

「ドストラぁあああイク!!」

ショウは地面を蹴って跳び、そしてエネルギーをフルチャージした剣で相手の腹部を切りつけた。

エンディアは声をあげて爆発した。


「死んでないよね?」

『死んでません。タフですね。』

「…だね。」

ショウはいつものように政府の役人へいつものように回収の依頼をし終えると、エージから電話が来た。

「ショウ! もう一体のエンディアと戦っていたらイスパードが出てきやがったんだ!」

エージは確かに強い上にキドラの瓶もある。

しかしイスパードは銃を持っている。エンディアはやれてもイスパードだけは…。

『ショウ、急ぎます。』

「あぁ…。 早くしないと…!」




Android #6 不器用な筋肉

エージ「あいつが来るまでしばらく持ちこたえねぇと…!」

エージ「あいつ自転車とかバイクとか無いよな…徒歩か…。」

エージ「…生きて帰れるかな俺。」

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