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アンドロイド  作者: 中川 はじめ
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覚醒!/封印Dragons!

ショウ「なんか今回書き方が違うんだって?」

ラータ「あー、番外編のせいですね。」

ショウ「番外編ってさ、どんなのだっけ?」

ラータ「…言わない方がいいのでは?」

ショウ「…そうだっけ。」

ラータ「そうです。」

「俺の力…いや、俺たちの力…! マジ最強だぞ!」

キドラとアームドしたエージが語彙力のないような台詞を言う。

「なに…クッ…まぁいい…! 潰す…!!」

イスパードが手を差し伸べると、手のひらに黒く細いもやが現れると、それがマチェットに変わった。

高く跳んでそれで斬りかかる。攻撃をよんだエージは、避けてから右手の拳で胸部を殴る。

衝撃波のように青と紫の輪が、拳を中心に広がり、消える。殴られたイスパードは派手に飛ばされて壁に背中を強打した。埃が舞ってそれを手であおいで退かし、立ち上がるといきなり銃をぶっぱなす。

1、2発は食らったが、あとのほとんどはかわすことができた。

『エージ、僕には専用の剣があるぞ!』

「俺が使える気がしねぇ!」

『大丈夫! なら剣は僕がやる! 体借りるよ!』

再びエージの瞳が青色に光ると、手のひらに棒のような形で炎が広がり、そしてそれはある程度大きくなると、1本の剣が出来上がった。

『覚悟しろ!』

相手がまた銃を撃つ。だが、当たってきそうな弾丸を全て剣で弾き飛ばした。

空いている反対側の手で力を溜めながら剣を構える。すると一気に距離を詰めて横に斬り、追い討ちで肩から斜めに斬る。

溜めていた力が青色の光を放つ球体になっており、それをイスパードの胸部にぶつけると爆発を起こした。

もくもくと立ち上がる爆煙から姿を現したやつのアーマーが所々破損していた。

「貴様…!」

「言ったろ。マジ最強だって…。なんせ俺だけの力じゃねぇからな…!」

ドラロクナックルを取り出して剣を放り投げると、ボタンを長押ししてチャージする。

メーターが青色から黄色に変化し、それが赤色になると「フルチャージ」と電子音が鳴った。

「うおおおおおおお!!」

ボタンを放してからすぐに高く跳んで一気に相手にナックルを叩き込む。

腕でガードはしたが、勢いよくぶっ飛んで行き、壁を突き破って外へ飛び出た。

「くっ…限界か…!」

イスパードはそう言って鎧部分から白色の煙を出して消えた。

初めてのアームドで体力を相当削られたせいで片方の膝が地面に着き、呼吸が荒くなる。

『エージ! 大丈夫か!?』

「あぁ……なん…とか…。」

そう言ってエージが力を振り絞って無理矢理立ち上がると、工場の壁を突き破ってショウが現れ。そしてアームドしているエージを二度見して驚く。

「おま…!?」

「どう…よ…! かっけぇだろ…!」

彼は、キドラがついにエージを自分の主として認めたようで、これで彼女を返却する話を無くす事ができて少し嬉しく思っていた。

「アームド解除ってコードを入力すれば解除できる。初心者がいつまでもアームドしてんの、辛いぞ。」

「お、おう…。助かる…。…どうやって入力すればいい?」

「…慣れないうちは胸部に手を当てて言えばいい。そのうち言えば勝手にコード入力がされて解除できる。」

教えたようにしてエージの目の前でアームドを解除して見せる。

赤色の光の粒子が散り、ショウの隣に集まり、そこにラータが現れた。

彼がそれを真似してみると、青と紫の光の粒子が散っていき、そしてそれが隣に集まってキドラが現れた。

「こ、今後とも、ともも…よろ…しく…おねしますますが…。」

緊張からか慣れていないだけかなのか、ぎこちない形の礼をエージに向けてする。

「キドラさん、お辞儀はこうです。」

ラータがキドラにカーテシーと言われるお辞儀の仕方を教えてあげる。

カーテシーとは、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま礼をしてあいさつをするものだ。よく見る形で言えば、両手でスカートの裾をつまみ、軽くスカートを持ち上げて行うものだろう。しかし、ラータはそれを着用することはほぼないため、左手を前にして腹部に当てている。

「そ、そうなのか…。えと…。」

自分の腹部に手を当てて左足を内側にやると、勢いよく礼をする。ふん、と風を切るような音が聞こえたような気がした。

「え、エージ様…! 今後とも…!」

キドラが改めてエージに挨拶をする。

「え、様…? 様…??」

自分の名前を言われたが、その後の敬称に引っ掛かって何故か混乱してる。

「こ、こん…コングとも……よろしゅぅくおね……しま……すぅ!」

そして再び風を切る礼をする。それを見たラータが人差し指を眉間におき、はぁとため息を吐く。

「お、おう! てか“様”っていらねぇよ。距離感じんだろ? 今までみたいな感じでいい!」

「は、はひ…!」

筋肉ゴリラと僕っ子不良の絆がまた深まる様子を見ていたショウは、この先どうなるか期待していた。

そんなときに携帯が鳴った。応答すると政府の役人が出て、無事にエンディアの回収が完了したという報告だった。

「よし、帰ろう。」

ショウが言うと、皆撤退の準備をした。


薄暗い質素な空間に、一定のリズムで響き渡る軍靴の足音のような音。

それの主は、ボロボロになっているイスパードだった。

「覚醒させちまったみたいだな、イスパード?」

ルーグがボロボロになっているイスパードの肩に手を置くが、それを払って退かした。

「黙れ…!」

エージを覚醒させてしまった上に圧倒的な力の差を思い知らされた彼のプライドは傷ついている。だがルーグはとことんに彼の敗北をいじる。

「クックックッ…そう怒るなよ…。俺たちは仲間だろう?」

相変わらず片足体重でだらしなく立ち、頭を掻く素振りをする。

「貴様…俺に舐めたような口を利くなと言ってるだろう!」

感情的になっているイスパードを見て鼻で笑う。少々間が空いてからルーグの人差し指がイスパードを指す。

「お前も忘れていないか? 俺は、俺より強いやつの命令にしか従わない。」

「なら決着をつけてやる…。 俺もお前も、コア・システム…こいつはアーマーロイドとは違い、成長することはない…。したがってお前と俺の能力は同じだ…!」

「能力が同じ? なら勝敗を決めるのは装着者の経験の数と頭脳じゃないのか? どちらも俺に劣ってるお前が俺に勝てると思っているのか?」

火に油を注ぐように挑発をする。

「貴様ァ!!」

案の定、さらに感情的になってしまった。

ルーグの胸ぐらをつかみ、拳を振りかざすと、両手のひらをルーグに見せるように制止する。

「おいおい…。ほんとのこと言われたからってそう怒るなよ。仕方ないから従ってやるとするよ…。何をしろって?」

「……近代兵器の開発を進めているサテル国…“テオス”のサテル支部なら奴らに対抗するための兵器を作れるハズだ…。コア・システムを…いや…アーマーロイドシステムを凌駕するシステムを…。」

「予算がないだろう?」

「だったら俺たちルアフ支部の援護を要請しろ! 奴らに対抗するためならなんだっていい!」

「そうやってやけくそになるなよ。サテルには確かに無いかもしれないが、例えばスラフ州それぞれの支部から出せばいいだろ? ま、いいだろう。俺にも得があるしな。行ってきてやるよ。」



Android #14 覚醒!/封印Dragons!

エージ「マジ来た!」

キドラ「へ、へへ…! こ、これからも、よ、よろしく…な…!//」

エージ「ったりめーだろー!」

ラータ「仲が良いですね(*´`*)」

ショウ「そうだな(*´`*)」

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