01:美男美女には難がある!
私の母ちゃんは超大物女優ってやつで、これまた美魔女と言いますか、あのババア老化防止で生き血でも吸ってんじゃないのって位、美人な女で。
私の父ちゃんはこれまた超大物アーティストで未だにロック界のレジェンドとか言われてるクソイケメン親父なんだけど。
遺伝子ありがとう!!!私は中身は残念だけど見た目は一級品だよ!!!マジ感謝!!!
まあ、そんな大物両親の子供なので、ぶっちゃけ小さい頃とかあれよあれ、パパラッチ的な?なんか追い回されたりして。両親、子供いるのは公にしてるけど、その情報は一切外に出さないんだよね。守る為らしいけど!
中学生になると同時になんかマンション買ってもらって、一緒に住んでると常にパパラッチ的なやつに見られてて危ないから、ここに住みなさいって言われ、目覚めたよね。全てに。
3LDKのマンションとか与えられても、ぶっちゃけ使う部屋無くね?って思ってた。思ってたんだよ。目覚めるまでは。
LDK、必要だよね。
寝室、必要だよね。
本棚専用部屋、必要だよね。
ゲーム専用部屋、必要になったよね。
うち、客間無いんで。親も知ってますんで。スクープネタにされたくないんで、泊まりにも来ませんし!!ここは私の!!城だ!!
「蓮!!あんたお小遣い使い過ぎ。上乗せ今月からナシだからバイトでもして社会勉強しなさい!」
水無月 蓮、高校入学と共に放課後本屋さんでバイト開始。天国や。ここは天国や。欲しい本が新刊入荷と同時に手に入る。
なんていう、おひとり様大好きアニオタゲーマーガチオタクな私にも一応彼氏ってやつはいるんですけど。
中学生が一人暮らしとか、結構無理あると思うんだよね。しかも私生活無能力者だから。洗濯しか出来ないから。
でもご近所付き合いって必要なんかね?なんて思ってた中学1年の春、同じ学校同じ学年に、ずば抜けたイケメンがおりまして。2次元から出てきたの?みたいな、そんな顔。しかも頭も良ければスポーツ万能と来た。
「「あ。」」
まさかのお隣さんでした。お互い手には、燃えるゴミのゴミ袋。
しかも明らかに嫌そうな顔されて、思わず言っちゃったよね。
「え、あんた凛王子って人だよね?その顔王子じゃなくて魔王だけど大丈夫?システムメンテナンス中?」
「は?お前こそ蓮姫って呼ばれてるやつだろ。何だよソレ、オタクかお前?」
私のその時の姿ですか?乙女ゲームのアイドルの推しTシャツにジャージでしたけど。釈明の余地もありませんでしたね。
「「……口外したらぶっ飛ばす」」
お互い、守らなければならないキャラというものがあって。しかも私一人暮らしって言ったら、凛ママがあれこれ世話焼いてくれて、なんかいつの間にかご飯とか普通に呼ばれるようになって。
「なぁ、俺ら付き合ってんじゃね?これ。」
「はげどー。」
ゆるい恋人関係の誕生でした。中学3年の秋でした。
真っ黒王子、一ノ瀬凛とオタク姫の私が、成り行きみたいな感覚で恋人になりました。
今ですか?
「蓮!!!てめぇ今日こそ買い物行くっつったろ!!!」
「あと4時間待って、イベントクエスト周回しても周回しても素材が足りないんだよ!!!!ちくしょう!!!」
「俺とソシャゲどっちが大事?って100万回くらい聞いたからもう聞かねぇわ。昼飯買ってくるから何食う?」
「パピコ。」
「飯食えっつってんだろ、WiFi切るぞてめぇ!!」
「やめて、私のライフライン!!!」
なんか、世話焼かれてます多分。
こいつ、王子キャラとのキモすぎるギャップとくそドSがなければ完璧なのに、まじ、残念なイケメンだわ。
高校決める時も
「は?同じ高校行くに決まってんだろ。てめぇが俺のレベルに合わせろよ。」
という、ゲーム顔負けの俺様発言かました凛クソ……げふん、凛クンのスパルタお勉強会によって、そこそこいい高校に入りまして。
美男美女カップルだの、理想の恋人だの騒がれてた私達は、それはそれは入学早々男女共に憧れの的になったわけで。
「「また猫かぶんのかよ」」
という、悲惨な高校生活も2年目に突入。
「りんくそー、なんで王子キャラやってんの?」
「れんぶすー、俺が知りたいですー」
なんか自己紹介の時点で王子様みたい!!って言われてしまったらしく、そのままスマイルゼロ円頑張ってんだって。
「蓮はなんでオタク隠してんの?」
「隠してるわけではない。あえて言わないだけ。」
小さい時から、お姫様みたいだね!なんて言われ続けてみろよ。漫画とアニメとゲームが生きがい、バイト代は課金につぎ込むガチモンの課金厨だなんて知られたら、万が一あの大物両親の子供ですってバレた時、あれこれ言われんの嫌じゃん!!
バッシングする奴らより課金という方法で経済に貢献してるけどな!!お前ら月7万定期的に課金出来んのかコラ!!なめんなよ!!!女子高生のバイト代全額課金だぞ!!!
そんな私と凛の、特に甘くもないと思われる日常です。