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クズですが、よろしくお願いします  作者: あきちゃお
第1部 馳け廻る日々
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これが、ジャパニーズ萌えか

否だ!!!!

 俺はお茶を飲みながら待っていた。

 目の前の男。厳つい髭を携え、武術をやっていると思われるようながっしりとした体格。そしてその体格に合った和服。

 お互いに温かいお茶を飲みながら、相手が喋るのを待っていた。


 ……何をしているのだろうか。

 俺はもっと有益な話をするために命を落とす可能性を省みずに来たというのに。


 なぜこうなったのか振り返ろう。




 ––––––––––––––––




「貴様は、ここで死にたいようだな。殺してやろう。」


 女性の特徴である身体の凹凸を持った相手が、俺に対して銃を向けてくる。普段ならばその銃を奪ってから組み伏せるわけだが、今回は殴り込みに来たわけじゃないので何もしない。


 銃口を向けられながらも、お前なんて視野にすら入らないといったアピールをしておく。そう、無視をし続けている。


「き、貴様っ!わたしを無視するなっ!本当に撃つぞ!?」


 どうぞ、とだけ返すと彼女はかなり困っているのか頭から煙が出てきそうなほど慌てていた。困惑しているのだろう。時折「ぐぬぬ……。」と口から零している。女性なのにその言葉遣いはいいのだろうか。


 このまま放置してるのも可哀想に思えてきたので、少し弄ってやることにする。


「なあ、もしかして帰って欲しいのか?」


 俺がそう訊くと、彼女は首を縦に振りながら肯定を示す。よく見ると若干涙目になっている。まじか。


「貴様がどうしても帰りたいと申すのであれば、今回だけは見逃してやってもいいぞ?」


「あ、じゃあいいです。」


 俺が即答でそう返すと、俺が帰ると確信していた彼女は驚愕していた。完全にあたふたとしていて、どうすればいいのか分かっていない状態だ。……なぜこいつに見張りをさせているのだろうか。

 親玉に会ったら一時間は問いただしたい。


 顔の上半分だけ見せているので、涙目などはすぐに分かる。今もすでに涙目になっている。というより泣く直前だ。

 誰がこのやり取りだけで相手が泣いてしまうと予想できようか。


「はっはっは、どうやらからかわれておるようじゃの。詩織や。」


 日本人にしては高身長であり、とてもがっしりとした体格をした男が現れる。年齢は50くらいだろうか。


「お、おとうさ……じゃなくて親分!こいつ侵入者です!」


 今、お父さんと言いかけなかっただろうか。

 だが、親子にしてはあまり似ていない。とは言っても女性に関しては顔半分しか見ていないわけだが。


 きっと、そういうプレイがあるのだろう。

 HENTAIの国であるからな、日本という土地は。

 国の始まりが性行為から始まる国なんてこの国くらいだろう。少なくとも俺は初めて聞いた時は驚愕した。そんな頭のおかしい国があって良いのか、と。


「そこの若者。私に用があったのじゃろう。茶でも飲んで行きなさい。」


 俺はその言葉に頷き、後ろをついていった。





 ––––––––––––––––



 客間へと通され、正座をして待っていると、先ほどの男がやってきた。


「うちのもんが随分と世話になったようじゃのう。」


「ええ、こちらとしてはとても有意義な時間を過ごせましたよ。感謝します。ですが、わざと見て楽しんでましたね?」


 俺が確信に触れようとした瞬間、「粗茶です。」と言って襖が開く。まるで狙っていたかのようなタイミングである。男はニタニタと笑っているだけ。というより確信犯であろう。


 部屋に入ってきたのは、先ほどの女性だった。

 しかし、顔の半分を隠していた時とは違いちゃんと顔を晒していた。美人ではあるが、どこか足りない気がする。そんな感情を抱かせる女性だ。


 視線が合ったので、軽く会釈をしたらムスッとされた。そして睨まれた。どうやら俺は嫌われてしまったらしい。


「先ほどは大変失礼致しました。今後、このような非が無い様気を付けて行きたいと思っております。」


 まるで感情の篭っていない言葉を言われた。

 しかし、俺も大人な男だ。こういった態度くらいなんとかしてみせる。それが紳士というものだろう。


「いえ、こちらも少々熱くなりすぎたようです。あのような事が無い様に注意を払っていきます。そして話が変わるのですが、顔を隠さない方が美人ですね。是非、隠していない状態で出迎えて頂きたい。いや、一家に一台くらい欲しいですね。」


 その瞬間、男は「ブフォっ!」と言いながら腹を抱えて笑い始めた。

 女性は恥ずかしさの余り、顔を真っ赤にして怒っているとも嬉しそうとも言えないなんとの言えない顔をしていた。足りない部分はどうやらこういった豊かな表情かもしれない。


「な、なな、なな、何を、お、お、おっしゃっていりゅのでしゅか!」


 ……これ、狙ってやってるならハリウッド女優も負けるよ。

 男なんか耐え切れずに大爆笑している。それも大きく声を出しながら。


 恥ずかったのか、女性は「しつれいしましゅっ!」といって部屋から出て行った。いや、そこも噛むのかよ。






 というような事があった。

 振り返っている間にも時間は進んでいる。つまり、彼は俺に対して話す事は何もないということだろうか。


 これは少々困ったぞ。そう思った。

この女の子はどこで買えますか?

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