episode of 『Einsamkeit』.
闘気、纏い、殺意、揺らめく。
剣と剣がすれ違う。火花を散らし、そして散る。
「こうして人は死んでいく。名を名乗ろう、アインザームカイトだ。とは言っても、もう聴こえてないか。」
命とは、酷く脆い。少し傷付けるだけで命は簡単に落っこちてしまう。儚く、淡いものである。だが、美しい。
人は何を成す為に生きているのか。それに気付いた者は、何も成せずに死んでいく。人生とは、何もしないにしては長すぎる。だが、何かを成す為には短すぎる。
さて、話をしよう。とある男の話だ。どうしようもない、碌でなしの男だった。子供の頃から、運動だけはできたが勉強はできず、いや、勉強が嫌いな男だった。
勉強はできない男であったが、自ら行う学習においてはまた違った。そもそも、彼は人に強いられる事そのものが駄目であった。人の下につき、人のやり方で行動をする事が絶望なまでにできない人間であったのだ。
だが、人間というのは欠点があれば長点もあるもの。
彼は人に強いられる事は駄目だが、人の上に立ったり、一人で突き進む一匹狼な行動においては才能に満ち溢れていた。だからこそ、その男は碌でなしになった、なってしまったのだが。
なぜなら、男は子ども時代はガキ大将というものであったからだ。幼い頃から親の影響で武術だけはしっかりとやらされていた。しかし、彼は親以上に武術を愛しており、剣術、柔術、空手、合気道、棒術といった多くの武術。それも実戦に近い形を取っている道場ばかり通いつめた。さらに、彼にそれだけの武術を同時に習い、扱う事ができるだけの才能があったことが拍車を掛けた。
武術界の神童。
それが彼につけられた呼び名だ。
だが、神童と呼ばれる多くの人々は、その名からくる期待やプレッシャーによって潰される者が多い。それは、神童と呼ばれる彼らが最も理解し、逆らえない宿命なのかもしれない。
まあ、彼はそんな期待やプレッシャーを全て裏切って、武術を極めるわけだけど。
高校生の時、不良と呼ばれる集団に囲まれ喧嘩を吹っ掛けられた。腕試し、不良達はそう言っていたがいるメンバーは皆、自分がガキ大将という幼稚な行動をしていた時代に従えていた、媚び諂うことでしか生きていけない者達。
過去の清算、大いに結構。彼は一人で十数人を病院へ送った。
数人は二度と歩く事ができないようになり、また、数人はその時の恐怖によって精神が歪み、精神病院から出られなくなってしまった。明らかな過剰防衛、裁判でもそう判決されるはずだった。
彼はいつの間にか、世界を恐怖で支配する側にいた。
裁判の判決を覆す程の影響力を持った弁護士が、自主的に彼を弁護し、正当防衛であり一切の罪はないとした。
実際、十数人ではなく、三十は超える人数がその喧嘩に参加していた。また、一人一人が武器を所持しており、彼に対して計画的に練られた殺人計画そのものであった。その計画を根底から覆す結果を残した彼と、その彼を弁護する世界トップクラスの弁護士。一体どちらが化け物だろうか。
棒一本で世界は変わる。
彼はそれを証明し、世界はそれを認めた。
それからの彼は、高校を中退。日本各地を回りながら不良達を潰していき、逆らう者には鉄槌を与え続けた。そして対象は、裏世界の住人までも巻き込んでいく。
あの平和と呼ばれた日本という地は存在しない。全てを裏から支配しているのは純粋な力、力、力。血で血を洗い、慈悲を乞う者には刃を、暴虐の限りを尽くし怨讐の彼方へ。
そんな男が昔いた。
だが、彼は別に野望や夢があったわけじゃない。世界は自分にとって暇を潰すだけの価値があるのか。そんな問いを世界に投げかけていたのだ。
答えはノー。
男は武術は剣術のみ続け、それ以外は全てを放棄した。昼間から酒を飲み歩き、学校も行かず、仕事もせず。親の脛を嚙りながら生きる人間の屑。
つまり、彼はその人生で自分が生涯を通じて成すべき事を達成してしまったから、人間として死んだ。
ただそれだけの話だけど、その男に一つの道筋が見えた。一度だけ目にしたあの男、自分の全てをぶつけたいそんな男だった。
「武術というのは、精神そのものを写し出す器のようなものだ。あの男の武は、人を殺した、それも戦場で生き抜いた者が沢山の死体の上で座っている、そんな感覚があった。」
君は一体、どこにいるのか。
真の武術は世界を超える。棒一本で世界は変えられる。
自分で言って自分で忘れていたその事実。ああ、本当に楽しみだ。
その男の名はアインザームカイト。世界を変える力を持った最強の一角。対する敵は食物連鎖の頂点。最強の一角。
これは、すごいお金を取れると思うんだ。
インフルとかで体調崩していました。
復活です。
あと、英語とあの言語を混ぜるなとか色々言われると思うんですが、見逃して!!




