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クズですが、よろしくお願いします  作者: あきちゃお
第1部 馳け廻る日々
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日記

 8月27日


 日本の夏は暑すぎる、なんだこの暑さ。こんな糞みたいな暑さの中でも日本人は働いていると思うと頭が沸いてるんじゃないか、なんてよく思う。実際に、働きすぎだと世界から指摘されても働くからな、イエローモンキーたち。もう、お前ら全員で糞な思想の共産主義にでもなれよ。きっと成功する。俺が保証しよう。まあ、日本の暑さと愚痴は置いておこう。


 今日は今までの復習でもしようかと思う。とは言ったものの、全部俺が経験して感じた程度のことだが。


 世界が糞みたいなやつらに突き落とされて一体何年が経ったのか、それを知るやつはあまりいないと思う。俺は知っている一人ではあるのだが。さて、どこから話せばいいのかね。まあ、最初からで良いか。


 ある日、そいつらは現れた。そう、唐突にだ。


 それを察知できたのは、俺が丁度ネットにはまっていたおかげだ。ネットは便利だが、人を駄目にするな。とくに掲示板だったか、そんな名前のサイトは特に駄目だ。書き込みをする住人の思考が腐ってる。働きたくないから働かない。屑だな。こういう働かないやつらがいるのに、会社員は寿命を削ってでも働く。頭がおかしい人種だ。差がありすぎる。


 話が脱線してるな。まあ、掲示板というやつのおかげでそいつらの存在を認識することができたのだが、最初は写真でネットにアップされた。次に動画でアップされた。最初に見た時は背筋が凍ったね。あんな経験をしたのは、イスラーム相手に特攻をかけられた時以来じゃないか。


 その動画に映っていた光景は、人が人を食べているんだ。表現にするとそこまでだが、実際に見ると凄まじい。一人が女性に襲いかかり、首元を噛みちぎっていた。運悪く動脈に届いたのか、血飛沫をあげて女性は倒れた。そして首の後は腹を噛んでは千切って、噛んでは千切ってを繰り返す。そうしてやつが引っ張り出したのは、腸だ。それを引きずって次の的へと進んでいく。おぞましい光景だ。


 漸く理性も道徳もなにもない糞みたいな生物が去り、女性が放置されていたかと思うと、その女性が立ち上がったんだ。そして目が合った。腹を食い破られて、腸を垂らし、首から血を流しながら立ち上がった真っ赤な女性が、こっちを見ているんだ。そして、こっちに歩んでくる。


 正直に言おう。あれはCGを使ったホラーです、なんてレベルじゃない。というより、戦場で放置された死体があんな感じだ。物によってはあれよりマシなものもあるがな。


 さて、それを見た俺は何をするべきか考えた。そこで辿り着いたのが、武器を手に入れること。しかし、日本という平和ボケした国では、拳銃すらまともに入手できない。かなり頭のおかしい国だ。


 だが、あらゆる戦場で生き残った経験をしている俺は用意周到だ。まず、地下には核シェルターがある。数々の戦績を持っている俺だ。その中には悲惨な物もあるし、中には口に出すことすら許されない暗殺すら入っている。その報酬と口止め料でかなりの額だ。その報酬と口止め料の代わりに日本で豪邸を建ててもらった。あとスパイ。


 その核シェルターには、二年分の飲食料が入っているし、京都旅行で記念に買った日本刀や、緊急事態用のサバイバルナイフ、そしてスコップなどの武器は充実している。唯一悔やまれることと言ったら、銃弾系の物を入手できなかったことだろう。ジャパニーズマフィアしか手に入らないし、ジャパニーズマフィアから手に入れたとしても、政府の犬に捕まるのが丸見えだ。死ね。


 というわけで、銃弾系統は一切持っていない。ジャップくたばれ。


 日本に来てから三年が経つが、日本に来て良かったと思えることが剣道だな。これだけは良い。許すぞ、日本。アメリカの傀儡にしてやる、ハハハ。


 三年間通い詰めで剣道と合気道をやったが、合気道は、軍隊仕込みのCQCの方が役に立つ。まあ、弱点は補った程度には役に立ったと思うか。


 だが、最も許せんことがある。メディアと政治だ、ゴミジャップ。


 沖縄から米軍の撤退と聞いた時は激怒のあまり、壁を殴って貫通してしまうくらいには頭にきたな。


 そもそも、貴様らを守っているのはどっちだと理解しているのだ、俺たちアメリカ人だぞ。マイファザーに聴いていた大和魂や侍道なんて微塵もなかった。あと自衛隊、あれも駄目だ。戦意が低すぎる。あそこまでの技術を全て隊員たちが落としている。


 おっと、長く書き続けていた。そろそろ就寝の時間だ。



 8月31日


 俺は、一体「何を成すために生まれてきたのか。」

 今、何をするべきなんだ、教えてくれ。神に祈っても分からない。国に忠義を尽くし、全てを捧げても分からない。様々なことに挑戦してみたが、それでも分からない。

 あの悪夢から、俺は一体、いつ解放される。いや、そもそもあの悪夢は何故俺を見ているんだ。教えてくれ…これ以上続くと、本当に駄目みたいだ。自分の意志を保てなくなる。


 明日の俺へ、きっと明日も絶望する。だったら最初から期待するな。人は信用するな。全部壊せ、殺せ、ぐちゃぐちゃにしろ!

 きっと、何かを掴める。そんな未来を目指せ。




 –––とある日記より

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