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やりこみゲーマーの異世界生産職冒険譚  作者: スコッティ
第一章 パーティ結成編
2/37

異世界の虫は巨大なんですねえ

「………どこだよ、ここは」


 辺り一面は緑、草原の真っ直中といったところか。

 見渡す限り草、草、木。

 視線を少し遠くまで伸ばせば森も見えるが、人は全く見当たらない。

 

「まて、とりあえず落ち着け。俺は家でゲームをしていた。とびきりのクソゲーに一喜一憂しながらも徹夜までしてクリアしていたところのはずだ」


 そして新しいゲームをしようとワゴンで100円のゲームを始めた。

 

「確かタイトルは異世界冒険記……もしかして本当に異世界冒険しちゃったとか言うネット小説みたいな展開じゃないだろうな」


 確かに俺は夜布団でゲームの世界に行ってみたいとか、もし異世界に召喚されたらみたいな妄想をしたことはあるが、それにしては想像力豊かすぎるのではなかろうか。

 

「徹夜してたし、疲れてるのかな」


 多少ぼやけた頭でではあるが、こんな明晰夢も真っ青なリアル空間を俺は創りだしたというのか?

 人の可能性はかくも無限大だということなのか?

 確かに自慢じゃないが俺の妄想力はちょっとしたものだと自負している。

 しかしまあなんだ。

 これはちょっと人類の可能性としては早過ぎるんじゃなかろうか。

 俺は知らぬ間に超越者になってしまったとでもいうのか。

 

「って、まあ考えた所でどうにかなるようなものでもないし、もし明晰夢であるなら楽しんでおくのが吉というものだろうな」


 俺は意外に切り替えの早い男であった。

 

 

 

 

 そうこうしながら歩くこと数分、

 

「ん? なんだアレは?」

 

 目線の先には草。

 一見するとなんでもないような草なのだが、妙に気になるのである。

 俺はその草が生えているところへ素早く移動し、気になった草を観察してみることにした。

 すると、


「おわっ」


『薬草』

 煎じて飲めばHPを小回復。

 そのまま齧っても、傷口に摺りこんでも効果有り。

 だが、効き目は劣る。

 

「…………なんじゃそりゃ」

 

 いきなり頭のなかにポップ広告のようなモノが現れ、薬草の説明が流れ始める。

 しばらくするとそれは頭から消えていく。


「…………」


 俺は無言でその薬草と思しき草を摘み、もう一度よく『見て』みる。

 

『薬草』

 煎じて飲めばHPを小回復。

 そのまま齧っても、傷口に摺りこんでも効果有り。

 だが、効き目は劣る

 

 もう一度頭のなかにポップが現れる。

 俺は何となくその薬草であるらしい草を齧ってみる。

 すると、口の中に青臭さと清涼感が広がるとともに、なんだか少し体全体に清々しさのような栄養が行き渡るかのような感覚が湧き上がる。

 

「ふーむ」


 草は薬草でHP回復効果があるらしい(脳内ポップによると)。

 薬草らしきものを食べた。

 身体に異変(不快ではない)が起こる。

 俺のHPが回復したと思われる…QED

 

「OH……ファンタジー」


 俺はそんな言葉しか口にすることが出来なかった。

 

 

 

 

 例の薬草の件の後、俺は考えをまとめていた。

 その間に頬をつねったり、五体投地したり身体を酷使してみたが、一向に夢から醒めることはなく、ここは異世界なんだろうな、という結論に達した。

 というのも俺は元々、異世界に言ってみたいと思っていたし、RPGを自身で体感してみたいと思っていたことから、そうであればという意識が強いからだ。

 もしこれがほんとに現実でも、夢でも俺としてはどちらでもいいのである。

 どうせゲーム三昧の日々を過ごしていたのだから、むしろ願ってもない出来事であった。

 

「そう考えると気分も晴れやかってもんだな!」


 一度吹っ切れてしまえば後は楽なもんである。

 何せリアルゲーム世界なのだ。

 ゲーマーである俺が楽しく感じないはずがない。

 

「ただ人がいないってのが問題ではあるよな。情報も聞きたいし、何より異世界人にあってみたい」


 世界を改変する能力を持つ女子高生でも叶わなかった遭遇である。

 是非とも話を聞いてみたいんだが。

 

「まあそれよりも『できる事』や『出来ないこと』の整理をしたほうがいいな」


 よく読むネット小説などでは、こういう場合主人公には特殊な能力が付加されていることが多い。

 例えばステータスやレベル、魔法の概念だ。

 メニュー画面を使えるVRゲームもあれば、それは出来ない場合の転生物。

 レベルや魔法だってあるとは限らない。

 とはいってもおそらくここに来た原因は間違いなくワゴン100円ゲームのはずなので、其れに準拠した作りであるだろうという予測は付くんだが、如何せんやりかたはサッパリである。

 声に出したりするのが一番確率が高そうだが、

 

「………ステータス表示。いや、まてメニュー閲覧ってユニークスキルが確かあったはずだよな?」

 

 意識して『メニューを見よう』と考える。

 すると、

 


―――――――――

 

リュウ 

人間

LV・1

HP・23/23 MP・7/7

膂力・・9 魔力・・7 耐久・・4

精神・・8 敏捷・・9 器用・・5

幸運・・6


攻撃力・21

防御力・16

魔防御・11


・装備


 ダガー 

 布の服

 スニーカー


・スキル


パッシブ

『直感』『経験値Ⅱ』

アクティブ

『調合』『錬成』

ユニーク

『良縁』『鑑定眼』『観察眼』

『言語理解』『メニュー閲覧』


――――――――――



「お? 当たりか?」

 

 目の前にメニューらしきものが浮かび上がる。

 ガラスに文字が書かれているような、といえばわかりやすいだろうか。

 ただ実際に触れられるわけではない。

 実にファンタジーと言える現象であろう。

 攻撃力とかも数値化されてるんだな。

 竜の冒険シリーズ形式なのか?

 って、

 

「あれ? 俺ダガーなんて装備してないぞ?」

 

 腰の周りやポケットを見てもダガーらしきものは存在しない。

 しかしステ欄にはダガー装備と書いてある。

 ステの膂力とかから見てもダガー分の攻撃力が上乗せされてるのは間違いないはずなんだが。

 これもさっきみたいに思い描いたらいいんだろうか。

 

「………来い来いこおわぁ!?」


 手のひらにダガーを思い浮かべるとなにもないところからフッとダガーが現れた。

 突然のことで手から落としてしまう。

 

「っつ……!」


 そしてその拍子に手を薄く切ってしまったようだ。

 

「いきなり現れるのは流石に危険だろ」


 そう思いながら、なんとなしにメニューを開いてみる。

 

―――――――――

 

リュウ 

人間

LV・1

HP・22/23 MP・7/7

膂力・・9 魔力・・7 耐久・・4

精神・・8 敏捷・・9 器用・・5

幸運・・6


攻撃力・11

防御力・16

魔防御・11


・装備

 

 布の服

 スニーカー


・スキル


パッシブ

『直感』『経験値Ⅱ』

アクティブ

『調合』『錬成』

ユニーク

『良縁』『鑑定眼』『観察眼』

『言語理解』『メニュー閲覧』


――――――――――

 

 

 

「ダガーが表示されなくなってる?」


 ちなみにHPも1ポイント減っている。

 単純に考えれば23回指を切れば俺は死ぬか戦闘不能になるようだ。

 だが、実際に死ぬかもしれないわけで試すわけにもいかない。

 今はそれよりダガーの事に集中すべきだろう。

 

 そう思い、ダガーを拾ってステを見ると、

 

「んん? おかしいな」

 

 装備の欄にはダガーが存在しない。

 持っているだけでは駄目なんだろう。

 そこでふと竜の冒険のあるセリフを思い出す。

 

『武器や防具はちゃんと装備しないと意味がないですよ』


「………そういうことなのか?」


 試しにダガーをしっかり握り装備していることを意識すると、

 

 

攻撃力・21

防御力・16

魔防御・11


・装備


 ダガー

 布の服

 スニーカー

 

 

 ちゃんと表示されるようになった。

 

「基準がサッパリわからんぞ」


 例えば服にしたってただ着ればいい訳じゃないのだろうか?

 そしてダガーみたいに消えたりでたりするのか?

 色々と試してみる必要がありそうだ。

 しかしまあなんにせよ、なんの装備もなしに放り出された訳ではない事を喜ぶべきだろう。

 

 

 

 

 アレコレと試行錯誤している内にわかってきたことがある。

 

・頭のなかで『ステータスを見よう』とすると見ることができる。


・装備品は自分の意志で異空間っぽい所に置いておける


・防具も一応武器のように異空間における(トランクスとスニーカーという情けない姿になった)


・薬草のようにダガーや布の服のPOPデータを見ることが出来た(ちなみにダガーは攻撃力10、布の服は防御力5、スニーカーは3。いずれも魔法防御は持ってないようだ)

 

 こんなところだろう。

 これ以上のことはもう少し情報がないと確定はできない。

 いずれにせよどこかの町で人と会い、情報を得ないことには始まらないだろう。

 

「とはいっても」


 かれこれ2時間は歩いているだろうか。

 やはり周りを見渡せど街の姿は見えてこない。

 

「人がいないとかいうオチは勘弁して欲しいんだけど……ん?」


 前方になにか不審なものが映る。

 すわ人か!? と、よく目を凝らしてみると、

 

『グリーンキャタピラ』

 LV1

 27/27

 0/0


 自分の膝ほどもある巨大な芋虫の魔物であった。







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