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能力者の住む世界  作者: 神楽木レン
第1章 能力者
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第1話 高校2年生

外の気温は暑くもなく寒くもないという丁度良い気温。

つまりは春だ。

秋、という線も考えられるが僕的に秋は肌寒い。

そして春という季節を迎えた僕はもう1つ迎え入れるモノがある。

 

今日から僕は高校2年生となるのだ。

 

高校2年生というのは1番僕が好きな年だ。

受験もなければ緊張感もない。

まぁ、中学2年生もそこそこ好きな年ではあったのだが。

 

中学生ではまだ子供すぎるというか……

とにかく高2という年が来るのを僕は地味に楽しみにしていた。

 

そんなことを考えているうちにもう校門だ。

学年が1つ上がって気になるのはクラス替え。

 

昇降口に貼られた紙の中から“霧崎聖牙”という自分の名を探した。

 

1分もしないうちに見つけた。

どうやら今回は2-Aらしい。

 

自分の名前だけを確認するとすぐに教室に向かった。

 

 

 

教室につくと既に何人かの生徒が席についていたり、友人と会話をしていたりした。

ざっと見て半分ぐらいの人数だろうか。

 

今度は黒板から自分の名前を探し出し、記された席に腰をおろした。

 

 

ここまで来るのに僕は1人だったが別に友人がいないわけではない。

学校で浮いている存在というわけでもない。

 

 

「よぉ!聖牙」

「希龍!」

 

自分の名前を呼ばれて振り返るとそこには水原希龍という少年がいた。

僕とはそこそこ仲が良い。

けど部活が同じというわけでもないから一緒にいるのは学校くらいと少ないほうだ。いや、それ以上かも。

 

「同じクラスだな。よろしく!」

「こちらこそよろしく」

 

 

希龍はサッカー部に所属している。

女子達からの人気もあっておまけにサッカー部のエースだというから驚きだ。

ちなみに僕はどこの部にも所属していない。

 

 

「そういや知ってたか?神沢真夜も同じクラスなんだぜ?」

「そうなのか?」

「ああ。でも多分あいつは来ねーだろ。しょっちゅう授業サボってるしな」

 

 

神沢真夜というのはこの学校の不良だ。

まだ2年生というのに3年をも倒したとかいう噂も流れるほど。

 

まずこの学校で知らない者はいないだろう。

 

 

「おーい、お前らー。席に着けー」

 

教師が入ってきた。

年は30代ぐらいで眼鏡をかけた男性だった。

いつの間にか生徒も全員いる。

1人を除いては。

 

「神沢以外全員いるなー?」

 

ああ、やっぱり先生も知ってるんだ。

僕は神沢真夜と関わったことなんて1度もないけど彼は危ない人だっていうのは知りたくなくても自然と耳に入る。

多分この教師もそんなものだろう。

 

 

「じゃあ次に転校生を紹介するぞー」

 

転校生が来るなんて話は今初めて聞いた。

周りもなんだかそんな雰囲気だ。

 

女子達の間では“イケメンかな!?”といういつも以上に高い声がして、男子の間では“美少女だといいなぁ”という声が聞こえた。

僕はイケメンであろうと美少女であろうと転校生と関わる気なんて全くない。

 

 

「入りなさい」

 

教師に呼ばれ、扉が開いた。

 

扉が開いたのと同時に騒がしくなった。

女子の甲高い声。

 

つまりイケメンだったのだ。

 

別に美少女とイケメンの2択だったわけじゃない。

平凡な子が来てもよかったんじゃないかとも思った。

 


「初めまして。月宮怜です」

 

月宮怜と名乗った少年は目つきが少し悪く、不良というイメージを抱いてもおかしくはなかった。

いや、初対面の人にそれは失礼か。

 

 

「じゃ、月宮の席は………

 いや!席替えするか」

 

 

席替え。

そんなものどうでもいいじゃないか。

あえて考えるとするならば1番前にはなりたくないということだけだ。

 

 

「ここにくじがあるからなー。名前の順で引いていけー」

 

 

 


で、僕は窓際から2番目で後ろから2番目というそこそこ良い席になった。


しかし、だ。

僕の隣が神沢真夜になっている。

これはどういうことだ。

しかも神沢真夜の後ろは月宮怜という転校生。


だが、話しかけなければ何の問題もない。


神沢真夜も学校にはあまり来ないしな。



「じゃあ今日は始業式やったら解散なー」



なんて適当な教師なんだ。

しかし僕は早く学校が終わってほしいという希望があったのでそれ以上文句を付けないことにした。



始業式に間に合うよう自分の席を立ち体育館に向かおうとしたとき、ある人物が僕を見てるなんて思いもよらなかった。

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