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終末ゾンビ世界から100年後の未来へ避難することにしました —防災オタクと半ゾンビの無人島開拓記  作者: ねねこ


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7/15

閑話休題 ―渋谷事変

 午後2時すぎ。

 いつも通りの出勤時間。

 アタシは渋谷駅で降りて、勤めている店に向かおうとしていた。

 その日に限ってニュースのチェックをしていなかった事が仇になった。

 

 もうその時には異変は始まっていたのに。

 

 ——今さら言っても後の祭りだけど。


 駅の改札を出て、いつも通りの通勤路を歩こうとしていた時、目の前をふらつくサラリーマンが歩いていることに気づいた。

 こんな昼間から酔っ払い?

 と思った時、その男の首が、不自然な音を立てて——ありえない方向へと回った。

 真後ろを向いたのだ。

 

 その異様な光景に周りから悲鳴が挙がった。

 

 男はゆっくりと口を開いた。

 ありえないほど、大きく。

 そして——すぐそばにいた女性の首に、噛みついた。

 

 その瞬間、世界が壊れた。

 渋谷は瞬く間に地獄と化した。あちこちで噛みついて、噛みつかれて。

 噛みつかれた人は数秒体を震わせたあと、噛みつく側になっていく。

 それはまるで波のようにあっという間に広がって、立ち尽くしていたアタシの目の前に青黒い顔色の目が濁った女が迫ってくる。

 ヤバい、と思った時には遅く、女は尋常じゃない力でアタシの腕をつかみ、ぐい、と顔を寄せて来た。


 噛まれる、と咄嗟に顔を引いたとき、女の唇がアタシの唇にぶつかり、痛みで口を開けるとぬるりとした臭いのあるものを流し込まれた。咄嗟に突き飛ばし、アタシは勤め先の店のある路地裏へ駆け込んだ。


「何だったの、あれ……」


 息を整えている時に気づく。

 手の色がおかしい。

 なんでこんな内出血して時間が経ったあとみたいな色に……。

 って、これさっきの女みたいな肌の色じゃない!?


 目の前にあるピカピカに磨かれたドアにはいつものアタシじゃない顔色のアタシがいた。

 それが、半ゾンビとしてのアタシの始まりだった。

 

明日からはストックがある限り毎日20時更新です。

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