僕は君だけを愛せるのか
俺の名前は秋宮蓮斗。この春から高校生だ。いきなりだが、俺には推しがいる。その「推し」というのはとあるVtuberのことだ。名前は「神無月伶奈」通称姫。髪の毛は黒髪で、おしとやか。いわゆる清楚系というやつだ。俺はその姫がすごく好きで、家には数えきれないほどの姫グッズで部屋が埋まっている。
「蓮斗ー!!」誰かが大きな声で俺の名前を呼びながらこっちに向かってくる。
「おはよう蓮斗!!」「やっぱお前か。朝から人の個人情報ばらまくなよ。あとうるせー。」
朝から人の個人情報をばらしながら登校しているこいつの名前は「神谷愛月」一応こいつは俺の幼馴染である。こいつは金髪、ピアスバチバチ、スカート鬼短い。さらに声もでかいときた。俺の推しの真逆のギャルという感じだ。まぁ嫌いどこかにはなれないんだけど。
「ねぇ蓮斗、まだあのぶいちゅうば-?とかいうの好きなの?現実の女の子に好きな子とかいないの?笑」
「俺は一生姫を愛すんだよ。リアルの女子は嫌いじゃないけど好きでもない。あとお前にはかんけーねーだろ。」
「そっか、じゃあ私と一度付き合ってみない?嫌だったらすぐ別れればいいし。蓮斗って顔もそこそこいいし、男子には仲いい人多いみたいだけど、女子と喋ってるの見たことないし。ね?いいでしょ?」
「...お前、自分でなに言ってるかわかっていってるか?それにお前別に俺のこと好きでもなんでもないだろ?そんなんで付き合うなんて...」
「私は結構蓮斗のこと好きだよ?」
「は?一度もそんな素振り見せたことなんて...」
「もちろん、友達としてね♡」
「なんだよ、ビビらせんなよ...」
なんでだよ...なんで俺は愛月相手にこんなドキドキしてんだよ...絶対おかしい。第一俺はこいつのこと異性としてみたことはない。きっと一瞬の気の迷いだ。そうだ。
「で、どーするの?付き合うの?付き合わないの?」
「まぁ、お前がどーしてもって言うなら付き合ってやるよ」
「じゃあ、今日から私達幼馴染じゃなくてカップルだね♡」
「お..おう」
こいつと付き合って、姫への思いを確かめてやるぜ!!
こうして、俺と愛月の恋人としての関係と姫への思いを確かめる試練(?)がスタートしたのだった。