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再戦

氷雪は説明を始めるや否や眠りに就いた達を睨みながら叫んだ。

「まずは『銀の絃』の使用方法を理解してもらうために、今一度、貴方たち三人と戦闘を行うわ。確固たる意志を以てかかってきなさい!」

「面白れぇ!何が何だか知らねぇが、俺の眠りを邪魔した落とし前は付けてもらうぜ。」

寝起きに発砲された達が不当な怒りを露わにし、自慢の斧を振り回し始めた。

「それを言うなら、私の分かりやすくて有り難い説明を無碍に扱った落とし前は付けてもらうぜ。」

氷雪が達の真似をしながら再度、発砲する。

『銀の絃』を通して弾道を理解した達はそれを軽々と躱した。

「あれっ!?何だこれ、分かるぞ!」

体感的に『銀の絃』を理解した達はたった一人で走り出すと、氷雪に向けて斧を振るった。

同じく『銀の絃』で予見した氷雪は斧の猛撃を軽く()なした。

「あれぇっ!?何だこれぇ、分かるぞぉ!」

小馬鹿にしたように達の真似をする。

さらに怒る達に苦笑いしながら氷雪は警告を行った。

「あのねぇ、さっきも言ったけど、貴方たちの行動は『銀の絃』によって全部分かっちゃうの。しっかりと戦術を練って行動に移しなさい。」

四人全員が『銀の絃』を装備し、さらには彼らの意志の発現によって起動を終えている以上、四人の行動は全て、四人全員に共有される状態になっていた。

「まぁそれ以前に、達君のその短絡的な攻撃は『銀の絃』がなくても容易く見破れるわ。」

氷雪は(わざ)と達を怒らせるかのような挑発を行った。

それは達が自分自身の戦い方の癖と向き合うための戦術だった。

また、あすかには『銀の絃』という戦術兵器の戦闘内での活用を通して、戦略や戦術に関する多様な経験の獲得を、津雲には達とあすかという性格や思考回路の異なる人物と協力し合う中で白裂の皇太子としての器の形成を狙っていた。

氷雪の戦術通りに激怒した達は彼女に鋭い目付きを向けながら威嚇した。

「先公だからって舐めやがって。すぐに叩き潰してやるよ!」

「達さん、一旦落ち着きましょう。冷静にならなければ氷雪先生の戦術に呑まれるだけです。」

()かさず、激昂の余りいつまでも斧を振り回す達と氷雪の間にあすかが入り、彼を宥めた。

「達君、君の力強さに僕たちは既に助けられているさ。だから一緒に『銀の絃』を使って協力し、氷雪先生にそれを証明しよう!」

あすかの行動に引き続き津雲も達に訴えた。

『銀の絃』起動以前から手も足も出ない氷雪相手に、今度は戦闘状況を共有された上で対峙しているのだ。

三人の力を合わせなければ軽く(あし)らわれるのは明瞭だった。

「なんとか戦術を練れれば良いのだけれど……。」

あすかは剣と盾を構えた状態で苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。

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