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就任式

白裂城城内、《銀狼の間》。

一堂は厳粛な雰囲気に包まれていた。

殆どの者がみな、同じように白き装甲を身に着けて整列していた。

その中で全く新しい装甲を輝かせる者たちがいた。

戦場の傷や穢れに塗れた装甲に囲まれて、未だ傷一つ付けられていない装甲を彼らにとっては重そうに装備している。

新しく『白裂王家親衛騎士』の道を歩み始める者たちだ。

『白裂王家親衛騎士』は通常、短く『親衛騎士』などと呼ばれる。

その立場は階層によって分けられ、新しく『親衛騎士』を目指す者たちが『見習い』、更には、『白裂王家親衛騎士』の最高階層到達者が人々から『白騎士』と呼ばれていた。

その『白騎士』に該当する者が白裂王座の右隣で低く厳かな声を上げた。

「これより『白裂王家親衛騎士見習い』就任式を執り行う。」

その声を皮切りに式典が執行される。

『見習い』となる少年らの背には、白き装甲という未来への重圧がのしかかっていた。

その中にある少女がいた。

他の『見習い』より小柄ではあるが、しかし、その目には気迫が満ちている。

白裂王家のために騎士の道を征くに充分な気力に溢れていた。

しかし、式典の中、白裂王の剣が彼女の肩に掲げられる時だけは、少女は頭を垂れながら、同じ空間にいる自らの親を一瞥(いちべつ)した。

その目だけは一抹の陰を(まと)い、何かを心配するような不安げな眼差しであった。

対する母親はそれを律するかのように峻厳(しゅんげん)な眼光で返した。

じっと見つめ合う中で、少女は(おもむろ)に唇を噛んだ。

そうして、心の中に宿した僅かながらの想念を抱えたまま、少女は『親衛騎士』の道を歩み出した。

『科兎山戦役』が勃発するのはそこからまだ先のことである。

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