87.出かけデート
最近お屋敷の外に出ることが多かったせいで、ティルからデートに誘われましたの。
一緒にお出かけですわ。
そういえば、今までもお茶をしたり、いっしょに"ぬい"で遊んだりしていたけれど、お出かけデートはしたことなかったな。
13歳と11歳で色気などないが、よくよく考えたら、恋人らしいことはしていないと思ったわけだ。
一緒にどっか行かね?という提案から、正式にデートのお誘いが来たわけ。
ティルも夏休みに入って時間的余裕ができたことも大きい。
公式デートだ、わーい。
今日はお昼前にティルが馬車で迎えに来て、人気のレストランで昼食、その後は「魔法・科学博覧会」へ。
始め見た時なんじゃそれっておもったけど、どうもいろんな魔道具や最新の蒸気機関を活用した製品なんかが一堂に会する展示会だそうで、毎年やっているイベントだとか。
今までは野外にテントを立てて行っていたが、今回は初めて室内での展示になるという。
私の知らない間に国際展示場の様なものができていた…。
お父様、こっそり何やってますの。鉄筋コンクリートとこんなの作れたらいいな案のマージン下さい。
「やぁミランダ、今日も可愛いね」
「流れるように女性をほめるようになったなティル」
「可愛いと思ったのは事実だもん」
「まぁティルもまだまだ可愛いの部類だけどな」
「声変わりはしたんだけどなぁ」
「なんの、男の娘としては一級品の美貌やぞ」
「なんだろう、うれしいような、うれしくないような」
「まぁとにかく、今日はデートのエスコート宜しくね」
「はいはい」
周りには聞こえない程度の音量でいつものじゃれあいをする。
残念ながら、ティルとの身長差は広がるばかりなのだ。
もうすぐ170cmになろうかという感じ。
ただ、ひょろっこい。
がっちりした騎士タイプにならない様にかなり気を使っているらしい。
理由が「私に嫌われたくないから」なら、かわいいやつめなんだけど、本音が、「ドレスが着られなくなるのヤダ」だったときはこけそうになった。
まぁいいけどさ。
ティルにエスコートされて馬車に乗る。
最近は王都内の舗装工事も進んでいて、かなりの道路がコンクリート舗装されている。
流石に裏路地はまだ土を固めた道だが、幹線道路はかなり整備されたと言っていい。
なんだか、その影響で区画整備も行われたらしく、幹線道路が結構拡張され始めている。
ティル主導だそうだが、メインは市民会議が率先して動いているという。
もともと密集が激しかった王都の再開発に国庫も使われることになったことが大きいようだ。
平和で何より。
ほとんど揺れない馬車で10分ほど、商業地区の一番貴族街寄りの一等地に、そのレストランはあった。
なんでも珍しく、海を挟んだ隣国のムーリニ王国の料理が食べられるんだとか。
このムーリニ王国、別に陸路でつながっていないわけではないのだが、北の陸路を使うためには、一度隣国のルドルフ帝国を通らないといけないので、海を渡ったほうが早いだけだ。
前世で言えば、イタリアってかんじか。
馬車を降りる前…
「この店の、イタリア料理がおいしいんだ」
「おい、はっきり言うなティル。それを言い始めるとカーフテリアはオーストリアハンガリーやぞ」
「ん、ごめん」
「私と二人きりだからって気を抜くと、なんでもないところでアラが出るから気を付けなよ」
「うん」
てかね、私に膝枕されて甘えながら危ない会話するんじゃないよ。
さて、ティルにエスコートされて馬車を降りる。
うん、しゃんとしたな。
日々の仕事や学業で疲れてるのかもしれないが、唯一の王子なんだからなるべくしゃんとしてくれよ。
それにしても、イタリア料理っぽいのか楽しみだな。
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