84.ドラゴンに乗ってみる
呼び出された空軍の続きです。
さて、見ていてもだめだなと思ったので、ドラゴンに乗せてもらえることになった。
大変珍しい女性ドラゴンライダーさんの膝の間に座らせてもらって、いざ飛行。
「少々揺れますので、しっかりつかまっていてくださいね」
いわれて、鞍についている取っ手をしっかりと握る。
ドラゴンがバサバサと羽ばたきながら助走していく。
なるほど、だから滑走路があるのか。
てか、助走めちゃくちゃ揺れる。
ズドドドドと足音が響くし、目線が全く合わない。頭がぐらぐらする。
しばらくして、ふわりと浮遊感が…と、飛んだのか?
「大丈夫ですかミランディール様」
「だめです。はきそう」
はっきり言って無理である。
よくこんなで飛べるな。
飛行機をくれ…てかまてよ、助走しないと飛べないなら、体から紐付けてグライダー引っ張った方が安全じゃないのか?
「最悪、吐いても誰にも言いませんが、少し景色をご覧になられてはどうでしょう?多少はましになりますよ」
いわれて、遠くを見てみる。
うん、多少ましになった。というかこれほどの高度から見ると、王都全体が見えるな。
確かにいい景色だ。
だが、揺れすぎではないだろうか?
ドラゴンライダーは大変だなぁ…
地上に戻ってくるときも、ゆっくり着地というよりは、「ドスン」って感じで、まぁ乗り心地は最悪。
いい経験ではあったけれど、これは確かに輸送とかには使えねーわ。
やれて空爆。
それもドラゴンライダーの後ろにカゴをのっけて、投下できるレベルのものしか無理だったそうだ。
うーん…根本的に考え直さないといけないな…あ、そうだ。
「モルヘン指令、紙を一枚いただけます?」
「はい、なにか解決策が?」
「そうですね、もうドラゴンに”持たせる”ことにこだわらない方がいいと思いまして」
私は紙飛行機を折りながら、モルヘン伯にこたえる。
よしできた。確かこの形が一番滑空距離が出た形状だったはずだ。
「あまり見ない紙飛行機ですね」
「紐ありませんかね?」
いぶかしげな顔を浮かべながら、モルヘン伯から紐をもらう。
これを紙飛行機の頭側に固定して…よし。
「紙飛行機って普通は投げて飛ばしますよね?でもしっかり設計すれば、ひもを引っ張っても飛ぶはずなんですよ」
私は紐の先端を持って勢いよく引っ張ると、紙飛行機がふわりと浮かぶ。
このままある一定の速度で移動させれば、紙飛行機は飛び続けるだろう。
「つまり、この原理で、タイヤをつけた翼のある物体をドラゴンに引っ張らせれば、その物体自体が飛ぶ力で、ドラゴンに続き浮かべるのではと思うのです」
「!!」
私が提案したのはようは、グライダーである。
こないだ熱気球が空を飛んだような世界で、グライダーを爆誕させてやる。
といっても私が詳細設計できるわけない。航空力学など知らん。
翼の面積と速度の関係が揚力に影響することぐらいだ。
なので、空軍の技研にでも丸投げじゃー!!
頑張れ空軍技術研究室!
というわけで、仮称「滑空輸送機」となづけられたグライダーのようなものの想像図と、紙飛行機をモルヘン伯に渡してあげて、私は王都に帰還。
ドラゴンには二度と乗らん。
飛ぶなら別の方法で飛ぶわ。
私はおじいちゃん先生からも風魔法の特性が高いといわれているので、であればそれを活用して空を飛んでみたいものだ。
学校に通い魔法を学び始めたら、ぜひ研究してみよう。
これで軍の話は終わりです。
ミランダちゃんはすべての興味のないことを途中でぶん投げます。
今日もミランダ節がさく裂です。




