65.初めての共同作業?
ティルとミランダが初めての共同作業?を計画します。
今日は朝からティルがやってきます。
学校が休みの日しか来れないので、大変ですわよね。
出迎えてハグして客間へGO
ん?ティルよ人払いが必要なのかえ?
「ミランダに相談したいことがある」
神妙な面持ちでティルが話しかけてきた。
なんぞや、学校で好きな人でもできて、婚約破棄でもされるのか?
「実は、学校の女子生徒が必ず月に1回、2~3日休むんだ。それを何とかしたい」
私はカクっと来てしまう。
それって、あれだよね。
「えっと、生理休みってことですかね?」
「あぁそうだと思う。休まない生徒もいるが、多分まだなんだろう。問題は、これに対応できる医者もいないんだ」
「やっぱり…そんな気がしたんだよなぁ」
私は天を仰ぐ。
産婆はいるが、産婦人科医師はいないんじゃないかと思ったのだ。
なんなら女性の医者など、もっといないだろう。
服飾師など一部の業種では女性が活躍しているが、多くは男性の職人ばかりというのもわかっているので、そんな気はしていたのだ。
「ティル、もしかしてアレが問題で、女性の社会進出が遅れていない?」
「前世の感覚で言えば、当時の日本よりひどい」
「この世界感なら、当然なのかもしれないけれど、私自身も何とかしたいわね」
この世界、男尊女卑といっていいのか、つつましやかな女性が好まれるし、結婚が女の幸せみたいに言われるところもある。
結婚すれば子を成して家庭を守ることが普通なので、女性騎士も結婚すると引退してしまうのだ。
もともと数が少ないのに、寿退社ばかりされては、女性王族の護衛の数など揃うはずもない。
貴族女性の就職先は、結婚か結婚相手を見つけるためにメイドになるなんてのがざら。
社会進出など考えてもいないだろう。
「うーん…ひどい人だと2~3日じゃ収まらないでしょ?っていうと勉強にも影響が出ない?」
「出ると思うよ。そもそも学年順位を見ても女性で首席を取った人なんて、歴代でも数えるほどしかいない」
「まだ、わたし生理用品がこの世界にあるかも、わかってないんだよね」
「というわけで、ミランダに協力してほしい」
「私まだ来てないよ」
「来る前に対処したほうがいいでしょ?」
「たしかに」
こうして、二人で生理用品についての研究開発、産婦人科の拡充なんてことをやろうとなった。
現存する痛み止めの薬とか、ナプキンなんかがあるのかの調査を始めようというやつだ。
少なくとも、使い捨てのおりものシートなんて見たことねぇので、こっそり洗濯場などで確認してやる。
こりゃー将来の自分事になるんだから、調べないわけにはいかねぇのだ。
「ところで、ティル。王子のあなたが、こういうことに首突っ込んでいいの?」
「んー、タブーかといわれると…自信がないな。でも私の知識でこの世界の女性、ましてやミランダが楽になるなら、それがいいんじゃない?」
「なんだよ男らしいじゃねぇか…惚れちゃうぞ」
「惚れていいよ」
ちくしょう、かっこいいな、その笑顔。
男性になったことで、今まで”女性だし”と軽んじられた前世から解放されたのか、最近のティルは仕事も学校も楽しそうなんだよな。
それでも元女性である感性で、学校の生徒を観察してこんなことを考えるなんて、さすがとしか言えない。
私も、もっと視野を広げないとな…




