58.ファッションリーダーっておいしいの?
コンクリートの件は案だけ出してお父様に丸投げしました。
企画書だけはティルに出したわよ。
後はよろしくやってほしい。
コンクリートが開発されたって情報自体はお父様から聞いた話なので、有効活用してくださいましねということで、受け取ってもらえた。
話ではトステッド兄様とサンジョルジュ侯爵が一緒に事業と開発を進めるとのこと。
頑張って鉄筋コンクリートを形にしてね。
さて、セッコウが取れるということで、ちょっと鉱物資源に興味が出まして、国の鉱石を調べて回っていますのよ。
何をしたいかっていうと、パワーストーンが欲しい。
あと、ビスマスを探したい。
あの結晶かっこよくてきれいで好きなのよ。
ガスコンロでも溶融して、引き上げると虹色に輝く四角い構造が連なる結晶ができるのね。
結構オシャレなネックレスとか、イヤリングができるのさ。
結晶構造だから1点ものだし、自分でも作れるから現代でもお手軽な石なのよね。
ただね、ビスマス結晶しか知らなくって、どうやって生成するのか、原石が何かも知らないの。
みつかるといいなぁ。
さて、この世界、女性の下着ってコルセットとドロワーズなのよ。
あのね、ガチドレスを着ると苦しい。
まだ子供なのと、デイドレスしか着る機会がないから、がっつりウエストを絞ってっていう服は着ないけれど。
ただ、トランスティーナ様発育がいいみたいで、結構出るとこ出てきているからか、お茶の席でもがっつりコルセットで腰を締め始めたそうで、苦しいってぼやいてた。
私はまだ9歳なのもあるけれど、ツルーン・ストーンでまだ背が低いのよ。
トランスティーナ様とはもう頭一つ違うんだけど?成長期怖い。
将来どうなるんだろう?女性らしくなるのか中性的になるのか…
カーシャ様も最近お胸が大きくなり始めたとか。
いいなぁーみんな女性らしくなってきて。
ある程度女性らしいスタイルのほうがドレスなんかは似合うと思うので、うらやましい限り。
ただ、オシャレって大変よね。
私たちは特に、各派閥の筆頭令嬢なのもあって、ファッションリーダーでもあるから、ヘタな格好出来ないのよね。
ルイさんと相談して常に最新のファッションにふれているし、何ならゴスミランダのおかげで、マニアックな方面のファッションリーダーにはなっているんだけど…あれ自分じゃ着ないし。
あれ着ると、ガチでお人形みたいになっちゃうんだって私。
それは望んでいないのだよ。現実味が薄れる。
ティルにさせるのは可。
「というわけで、今回はこのようなデザインはいかがでしょうか?」
「うーん、そうねぇ」
今日はルイさんを呼んで、来月着るドレスを数着依頼しているところ。
最近は大量のリボン付けたり、フリル付けたりでコテコテにするのがはやりだとか。
「なーんか、こう。ゴスミランダに近いデザインになってきたわね。色味は違うけど」
「そうですね、その影響は否めません」
くそう、変な概念持ち込んだせいで、若い令嬢たちの流行りから、自分の着たいシンプルドレスが廃れてしまったぞ。
「私自身は、刺繍はともかく、シンプルなドレスが好きなんだけどなぁ…」
「ミランダ様は、自滅って言葉ご存じありませんか?」
「言うようになったわね、ルイさん」
「ふふふ」
一応私は公爵令嬢なんだぞい!
まぁいいけどさ。もはやそういう仲じゃ。
「そういえば、ミランダ様。最近紡績工場と織物工場が国内に立ちまして、綿織物の価格が落ちてきているのはご存じです?」
「聞いてるわ、手織りの数十倍の生産量だそうね」
「はい、おかげで、均一な質の布が大量に手に入るようになりました。それが、リボンやフリルなどの装飾を増やす要因になっているんですよ」
あー、同じ金額で使える布の量が増えたのか…貴族がそれによって豪華に見せるために布を大量に使うようになったと。
であれば別の方向で金をかけてもいいのかもしれない。
平民と同じ格好をするわけには、いかないからねぇ。
「ルイさん、染色にお金をかけられないかしら?」
「染色ですか?あるといいなぁと思うのは綺麗な青色や緑色ですかね?こないだ御作りした、やんごとなきドレスも、ミランダ様の瞳の色に似せてはありますが、艶もなく、落ち着いた緑色でしたから、もっと艶のあるものが欲しいとは思っておりますが」
たしかに、金掛けなくてもいいといったとはいえ、ティルが着た私の瞳の色のドレスは、まぁ辛うじてって感じでしかなく、くすんだ緑色だったわね。
「では、染色にお金をかけて研究してみない?シンプルなデザインのドレスでも、色合いによって高級感がより出ると思うのよ」
「なるほど、確かに布そのものを開発するというのはやってきませんでしたね…」
「なければ作るのよ!」
「今度、問屋に相談してみます」
「限りなく私の瞳の輝きに近い布を開発してくださいましな」
「承りました。それ以外はこのデザインでいいですか?」
「え、やだ。ちょっとまってね」
私はスケッチブックを手に取り、描き貯めてあるドレスデザインを手渡す。
「これなら大量の布を使いながらも、見た目はシンプルでしょ?」
「…よくこんなデザインを思いつきますね」
「今回は三角形をモチーフにしたのよ」
「私では思いつかないんですよねぇこういう奇抜なの…悔しいです」
最近はまっている鉱物の結晶モチーフだからね。
今までの伝統的なドレスじゃなく、近未来的なデザインぶち込んでるからしゃーないわ。
布をたくさん使うのがトレンドなら、それを逆手に取ってしまえと言うやつだ。
そういえば、ドレスに直接宝石をつけたりする技法は見たことがないな。
クズ石とかあまり高価じゃない石を使うのはありかもしれないなぁ。
ユニクロGUで満足してしまう作者はオシャレに対して発言権は無いと思っておりまするorz
今日は7時に「ミランダ・ミランディールに振り回される人々」も更新します。




