53.誕生日会準備
社交シーズンが終わり1ヶ月、そろそろ私の誕生会がある。
ちなみに、この国に誕生日っていう概念はない。
生まれた月で1歳年齢が上がるのですよ。
そのせいで、ティルの前後2か月は誕生会まみれなのだ。わかりやすい。
カーシャ様はがっつり社交シーズンにぶつかるので、お茶会がそのまま誕生会だったりする。
クリスマスと誕生日一緒にされるやつですね。
今回はティルの婚約者になってから初めての誕生会となるわけで、公爵家ではなく王城のホールを貸してくださって行うことになった。
ティルめ、何を企んでやがる。
家でやった方が飯がうまいと言うに。
我が家の料理は美味しいと貴族間も話題になりつつあるので、わざわざ王城でやらなくても…
とは言え、今回はティルだけでなく、王妃陛下も参加されるそうで、警備の問題があるのだろう。
堅苦しいの嫌いなんだけどな。
ちなみに、王城でやることが決まった瞬間からトランスティーナ様から、別途仲間内で誕生会をしようと言われている。
婚約者も紹介してくれるそう。
女ばかりの所に囲まれると、居た堪れないと思うのだが、大丈夫だろうか?
あ、ティル巻き込みゃいいか。
今回の誕生会の問題は、どんな趣向を凝らすかなのよ。
前回の「ぬい」は未だ人気で、過去の名作小説のぬいの販売が続いている。
やはり男性キャラのぬいが人気とのこと。
ふはは、皆の者、腐りたまえ。
何らかの出し物や発表を行うのが良いとされているので、何もないのも困るんだよな。
そういえば、ドールハウス用品が売れてきたとティルから聞いている。
今は、ぬいサイズばかりなのだけど、結構でかいのよね。
家がでかくないと置けないとおもうのよ。
もう少しスケール感を小さくしてみても、いいかもしれない。
コンセプトも小説の空想ばかりじゃなくって、いろいろな世界観を創ってみるのもいいかもしれない。
某木の家とか動物家族的な。
それに、箱庭ゲームって売れていた記憶があるので、少し小さめのサイズのドールハウスを子供向けと大人向けに用意してみてはどうだろうか?
問題は間に合うかだな…工房に問い合わせよう。
後日、ティルを含めドールハウス工房の方と一緒に会議を開くことができた。
「というわけで、妖精をコンセプトにした、今より一回り以上小さい1部屋構成のドールハウスと、大人向けとして実際の騎士団詰め所や我が屋の客間など、現実的な空間を切り取ったシリーズを非可動のお人形とともに販売するという計画を立てましたの」
「私も非常に興味がある。ぜひミランダの誕生会までに間に合わせることはできないだろうか?」
私とティルという権力上位のお子様からの無理難題では断れないのではと心配したが、工房の方は割と現実的な方だった。
「どちらも1つずつ、残りは絵としてご提出するのであれば、ミランダ様のコンセプトアートからできそうなものを用意させていただきます」
「大丈夫?無理はない?」
「大丈夫でございます、ミランダ様。最近、ドールハウスの売れ行きが横ばいでして、起爆剤としてよいと思われます。特に大人向けの現実の場面を再現できるようなドールハウスは、子供でも欲しがることでしょう」
「人形の方は、個人が特定できないつくりにしてくださいましね?」
「わかっております」
案外あっさりと話がまとまってしまって、肩透かしを食らった。
なんでも、工房の方でも次の企画を考えていたそうで、渡りに船だったようだ。
なにせ、公爵家から金が出るからな。
いまじゃ、私が定期的にパーツを手配しているだけで、大体フルで自分で作ってしまうから疎遠になっていたのだ。
今回の話は、コンセプト料だけもらって、あとは工房の好きにさせるつもり。
もっとドールハウスが流行るといいなぁー私にマージンが入るから。
いつも見ていただいてありがとうございます。
もしレビューなど書いていただけると大変ありがたいです。
今後もミランダちゃんの「やらかし」をご期待ください。




