50.事なきを得た
軍のいかつい人たちに囲まれる幼女の図という犯罪臭がする状態を、ティルが助けてくれた。
男らしかった。中身女だけど。
特に質問が多かったのが、陸軍からのドラゴン騎兵の独立による空軍の設立。
この、ドラゴン騎兵。現在の兵法だと宝の持ち腐れであると判断したのよ。
というのも、ドラゴン単体の攻撃力が思ったよりもない。
全てのドラゴンがブレスをぶちかまし、その長い尻尾で敵を薙ぎ払い、敵ドラゴン騎兵のカウンターとして運用するのかと思ったら、そんなの一部のドラゴンだけ。
ドラゴンだからといってブレスを吐けるわけじゃないというのよ。
主な任務は、魔物が出た時などの部隊の緊急展開補助と魔物への咆哮による威嚇・威圧という、使い方のわりにコストがかかっている兵科だったのだ。
ドラゴンが火を吹き戦場を駆け回るような夢の世界なんてなかった。
燃料代と考えたとき餌代はバカにならない負担なのだそう。
ドラゴンに騎乗する騎士の装備も、大ランスと盾という装備で、遠距離攻撃は魔法が使えるものが担当。
本当にもったいない。
ところが、野生のドラゴンは馬車を襲って、その足でつかんで持ち去るというパワーがあったりする。
ほかの部隊を背中に積んで、移動補助として活用していることの延長として、輸送・爆撃・偵察部隊に転換することができれば、コストに見合うのではないか?と思ったわけ。
馬車満載の爆弾は、城を破壊できる勢いがある。
そもそも、そんな重さの物体をぶち込まれるだけでも、質量爆弾として十分な攻撃力だろう。
あとは、軍に対する物資の輸送を同じく、足でつかんで運べばいい。
つまり、ドラゴンがつかみやすい専用のカゴができれば、輸送機としても爆撃機としても活用できる。
あとは、そのドラゴンを護衛するための戦闘機として、小回りの利く子供のドラゴンだったり、重装備を搭載しないドラゴンを使えばいい。
というようなことを丁寧に説明したところ、海軍は納得した。
なぜって?いままでドラゴンは陸軍の持ち物で、自分たちは使えなかったから。
今度は自分らも使えるようになるなら、別軍なのは別に気にしないとのこと。
空軍に出動要請をして、船より速い速度と高度で偵察したり、敵船に向けて爆撃すれば、船の射程距離など目じゃない戦果が出せる。
対魔物や、海賊対策としても効果がありそうとのこと。
あるだろうなぁ。領海防衛にしか今は使えないけど、そのうちドラゴン空母とか出来ちまうかな?
そして、陸軍も渋々了承した。
空軍が別に設立されることで、戦力として必要でも餌代などのコストがバカにならなかった兵科の管理から解放されるからだ。
また、空軍という考え方自体がまだなかったのもあり、これからはテスト運用とのこと。
たまに意見を聞きに来るといわれている。
可愛い女の子に何聞くねん!
しまった、言い出しっぺは私だ!
「今日は助かったよミランダ」
「ティル…ほんと、覚えてろよ。幼女に何やらすねん」
「もう幼女って年じゃないだろ…」
「なんだ美少年」
「なんだ美少女」
ははははは!
二人して笑ってしまう。
くそう、なんだよ可愛いじゃねぇかその笑顔。
「うん、ミランダは可愛いなぁ」
「そっくりそのままお返しいたしますわ」
「もう少し男らしくなった方がいい?」
「やめて」
「だとおもった」
なんだかんだで、私とティルは気が合うんだなぁと思ったパーティーだったよ。
さ、あとは建国記念日だけだ。
それが終われば私はそろそろ9歳になる。
8歳が終了となります。
これでミリもののお話もひと段落。
次回から9歳ですわよ!
初っ端からやらかします。お楽しみに
いつも誤字報告される方々ありがとうございます。
今後もよろしくお願いします。




