40.殿下の秘密を知る
「さて、何から話そうか?」
今は四阿に二人でいますわよ。
リサには声が届かない程度離れた場所で見ていただいております。
呼べばすぐに来てくれるそう。
「とりあえず、これ以上隠しても仕方がないので、ぶっちゃけますが、私は転生者で間違いないです」
もうやけくそなので、お嬢様言葉すら辞めてやる。
「だとおもったわ。私も転生者だから」
ん?なんか殿下の口調もおかしくないか?
「殿下、前世の名前覚えてます?私、覚えてないんですよ」
「それに関しては私も同じね。あと、性別が逆なんだよね」
「へ?殿下もですか?」
なんだと?殿下心がガチ乙女なのか。
殿下も、やっぱり?って顔してらっしゃる。
「そうだと思ったのよ。ミランダ嬢、趣味は乙女なのに、ムーブが男なんだもん」
「殿下、”もん”とか言っちゃダメです」
「ミランダも素を出していいわよ」
「マジ?そらー中身おっさんなので、そのほうが楽だけど」
「じゃあ私は中身おばさんだわ・・・いやお姉さんで行けるかな?」
『あっはっはっはっはっは』
どうも互いに30代前半で死んだもよう。
私は彼女を残して死んだようだし、殿下は死んだ彼氏の後を追うように死んでしまったそう。
ん?
「どうもミランダと話していると、前世で付き合っていた人をおもいだしちゃってさぁ…雰囲気しか思い出せないけれどね。もう顔も覚えてない」
「名前も顔も思い出せないのに、感覚ではなんで憶えてんだろな」
「よく、イケブクロの居酒屋で酒盛りした。オタ話しながら」
「あーよくやったわ」
「よく行く場所が、半地下のワインの店でさ」
「そうそう、よく馬鹿話した。百合もBLも。私なんて彼女と付き合い始めてから腐ったし」
「私は初めから腐ってた」
しばし訪れる沈黙
「まさかと思うけど、ミランダは、私と付き合ってた?」
「まさかと思うけど、殿 下 は、私と付き合ってた?」
再び沈黙が訪れる。
今や絶世美少女になった元おっさん。
方や超絶美男子になった元おばさん。
記憶している大規模イベントとかデートコースなんかの答え合わせをしてみると、確実に同じ時間軸で付き合っていたような気がしてきた。
なんだい、二人して結婚前に死んでしまったのか。
たしかに砕けた感じで二人で話をしていると昔の感覚が蘇ってくる。
しかし、殿下はどのタイミングで転生したんだ?
「私は5歳の時に高熱を出して、今の私に入れ替わったようなんだけど、殿下は?」
「7歳の時に、馬から落ちて頭を打った時だね。気が付いたのは」
どうも、似たようなタイミングで二人して転生してしまったのか。
前世では歳の差は私のほうが2個上だったが、後生ではそれすら逆の立場か。
「…殿下、性別も入れ替わってしまいましたが、また付き合ってみます?」
「ミランダが良いなら、ぜひお願いしたい。秘密を共有できる相手ができてよかったよ」
2人でがっちり握手する。
なんだぁ運命の赤い糸で結ばれてたのか、私たちは。
未だに前世の自分の名前は一個も出てこないし、もう自分の元の顔の記憶もないけれど。
このまま、詳しいことは後日ということにしようと思ったら、そうはならなかった。
部屋にあったドールハウスに気が付いていた殿下が、見せろと騒ぎ始めたわけ。
そういえば、前世の彼女もそういうの好きだったわ。
自分では作れないけれど、眺めて並び替えたりするの大好きだったもんな。
ちなみに、ぬい文化をどっぷり教えてくれたのは、彼女だったわけで、その知識を逆輸入しちまったわけだ。
そらーぬいを見た瞬間の食いつきがすごいわけだ。
いろいろとドールハウスについて説明したら、ぜひ量産しようという運びとなった。
あーまたお父様がえらいことになる未来が見える。
お父様頑張ってね。
転生者が一人とは限らないですよね!(?)




