35.王子に巻き込まれましたわ
「前来たときは、ずいぶんいやそうだったけれど、今日はずいぶん前向きだね」
王子にばれてましたわよ、前回の態度が。
まぁ素直に言ってしまおう。
「まだ7歳の私に、恋愛感情はむずかしすぎます。前回の時は男性とお話しするのも家族ぐらいだったため、馴れていなかっただけですわ」
「そうは見えなかったが…君は好きなことを話すときは、妙に早口だしね」
おっと、気が付かないうちにオタクムーブをかましていたのか…気をつけねば。
「気を付けます」
「まぁいいよ、君の話は面白いからね」
殿下をテーブルへご案内して座ってもらうと部屋の中を観察し始める。
あんまりじろじろ見ないでよ、恥ずかしいではないか。
「思ったよりも女の子らしい部屋だね」
「私を何だと思っているんですか」
「いや、着眼点が男性っぽかったので意外だなと」
む、ある意味ばれているじゃないか。見る目があるな殿下。
「ところで、殿下。さきほどからずいぶんぬいぐるみやドールをご覧ですが、ご興味がおありですか?」
「ん?あ、あぁ。もともと騎士団に人形を作らないかと声をかけたのは私だからね」
「そうなのですね!お兄様が試作品を持ってきたときは、びっくりしたものですが、私の改良案を盛り込んでいただけて、とっても遊べるようになりましたわ」
「あの改良はミランダ嬢の提案だったのか。おかげで売れ行きは好調だよ。私も部屋に一つ飾っている」
「そうなのですね。で、ぬいぐるみにもご興味が?」
「…あそこにおいてあるのは円卓の賢者たちではないのかい?」
「そうですよ、私が作ったものです。殿下もあの小説をお読みになるのですか?」
「ちょっと、好きなシリーズでね」
ほう、殿下があのシリーズ好きなのか、絶妙にBLちっくなのに。
男同士の友情に飢えてるのかな?それとも腐男子?
「私が作ったものです。触ってみますか?」
「いいのかい?ぜひよく見てみたいよ」
私は賢者5人をテーブルに並べてあげる。
「おぉ、これは!よくできてるね」
「おほめいただき、ありがとうございます」
一個一個手に取って確認している。
うん?ルベドとセグレドがお好きなのかな?
あ、かさねた。王子顔がにやけてるけど大丈夫か?
「で、殿下?」
「はっ!」
「殿下、お分かりでございますわね?」
「…ははは、何のことかな?」
私と同じ遊び方をしておいて、言い逃れはできないぞ殿下。
こやつ、腐ってやがるな。
「…ところで、ミランダ嬢。これを売ってもらうことはできないかい?」
「来月のお茶会で皆様にお披露目するつもりで作りましたので、売るつもりはなかったのですが?」
「絶対売れる!私が買う!頼む!量産してくれ!!」
「わ、私一人では無理ですわよ!?ぬいぐるみ工房は我が家にはありませんし」
「私が支援する!ぜひ量産しよう!」
えぇーこれ量産するの?
まぁぬいを広めようとは思っていたけれど、王家に支援してもらっていいのかなこれ?
ま、いっか。王子がおせおせだし。協力してもらおう。
治った風邪がぶり返しました。
そしてストック切れです。
ちょっとお待たせするかもしれません。
ご容赦願います。




