34.またも、突然の来訪者
今日は朝食を食べた後、歴史の授業をして、午後はダンスレッスンの予定だったはずが、また突然体を磨かれて、見知らぬドレスを着させられておりますわよ。
「お母様、もう逃げ回りませんので初めからおっしゃってください」
「今度からはちゃんと伝えてあげます。それと、今日は王妃様も来ますよ」
私はがっくりと肩を落とす。
うーん、信用されてないな…
お父様の策略な気がしなくもないが、ろくな嫁ぎ先がないことがよくわかったので、それならドッティール殿下の婚約者になった方が数千倍ましであると認識し、トランスティーナ様の純愛のためにも、私が犠牲になろうと思っていたので、殿下がお見えになることについてはあきらめていたんだが、お母様はまだ私が逃げ回ると思っていたのね…
「どういう心変わりかわかりませんが、今まで通り、失礼のないようにね」
「…はい」
今までも十分失礼していた気がするが…まぁいいか。
「ところで、今日は王妃様まで何をされに来るのですか?」
「メインは私とのお茶会よ」
「あ、そうなのですね。お母様と王妃陛下は、どのような関係なのですか?」
「幼馴染なのよ。シオールは、子供がなかなかできなくてね。いろいろ相談に乗っていたのよ」
「そうなのですね。お母様は子だくさんでいらっしゃるから、いろいろ参考になったのでしょう?夜の…」
「ミランダ、あなたどこでそんなこと覚えてきたの?」
おっと、思わず下ネタに触れるところだった。あぶないあぶない
私はにっこりと笑って答えずに置いた。
きっとリサからも、私がどこからか同衾ネタを仕入れてきているようだと報告されているのかもしれない。
別にうちの図書館にある大人向けの恋愛小説とか読めば、多少はそれっぽいことは書いてあるけれど、割と朝チュンがおおいので、あんまり生々しいのを知っていると怪しまれるからな。
気を付けなければ。
そして、お昼過ぎ。王妃様と王子様が我が家へ来訪した。
前見たときは厳格な、厳しそうな感じの王妃様だったけど、今日の表情は和やかだ。
本来の顔はこちらで、大勢の前に出る時だけ威厳を抱えたお顔になるだろう。
貴族ってしゅごい。
「母上、私はミランダ嬢と二人でお話をしたいのですが、よろしいですか?」
「急にそのようなわがままを言うものではありませんよ」
王妃様が一喝。
まぁそらそうだ。王族が来る準備なんてほかの部屋ではできていないし、迷惑がかかるもんな。
その辺、カーフテリア王国の王族はしっかりされているわね。
俺様バカ王子じゃなくてよかったよ。
しかし、王子の申し出はありがたい限り。
真実の私を見てもらって、少しでも本気かどうか探りを入れなければ。
「私はかまいません。リサ、私の部屋でお茶ができるようセッティングを頼めるかしら?」
「はい、すぐに」
「ごめんなさいね、ミラン。私の息子が無理を言って」
「いいえ、普段はわがままを言わないとお聴きしておりますが、めずらしいですわね」
「申し訳ございませんミランディール公爵夫人。どうしてもミランダ嬢との仲を深めたいのです」
「ふふふ、恋は盲目なのかもしれませんね、ミラン」
「昔のシオールを見ているようだわ」
「もう、その話はやめてくださいまし」
お母様たちが楽しそうに会話している。
ほーん、王家も恋愛結婚だったのかな?
よきことかな。政略結婚も大事だけど、愛のない間に生まれた子供は不幸でしかないからね。
義務として子供を産めなんて嫌でござるよ。
そんな国は亡べばいいのだ。うん
5分ほどして、部屋の準備が整ったらしい。
うちのメイドは仕事が早い!
さっそく殿下を連れて私の部屋へ移動しよう。
さて、何をお話ししようかな?




