33.「私」の婚約者候補
さて、トランスティーナ様が清き恋愛結婚ができるように、戦略の見直しをしようと思いましたのよ。
幼馴染がそのままゴールインする確率なんて20%を下回るなんて話が現代社会にはあったので、折角の初恋であれば実らせてあげたいじゃないですか。
話に聞くところによれば、家格的には申し分ないわけだし、王子と婚約者に成れなければ、かなりチャンスがある。
ということは、婚約者は私に回ってくることになるんだけれど、その前に確認しようと思ったことがあるのだ。
もし、私が殿下の婚約者にならない場合、だれと結婚する可能性があるのか?ってことだ。
派閥の爵位が高い人たちは性別が合わないので、そうなると最悪国外、良くても他派閥とのつながりを持つためにドナドナされる可能性が高いわけ。
では、相手はどんな人かぐらい知っておいていいと思ったのだ。
最悪消去法で、王子の婚約者が一番まともなんではないかというやつだ。
あの見た目なら、将来顎は割れないだろうし、鍛えてらっしゃるとは聞くが、見た目が華奢なので、10歩譲ってイケルと思っている。
玄関ホールで待ち構えて帰ってくるお父様を捕まえる。
「お父様、もし仮に私が殿下の婚約者になれなかった場合は、どこへ嫁ぐことになるのでしょうか?」
「どうしたのだ突然。あれほど嫁には行きたくないと駄々をこねていたのに」
「自分の未来の指針を立てるためですわ!」
「何か良からぬことを考えているようだが…まぁよかろう。後で執務室へ来なさい」
ふむ、あっさり教えてくれそうだな。
夕食後に執務室へ向かうとしよう。
「ミランダに来ていた縁談はこれだ」
「…ろくなのいなくないですか?」
「私もそう思う」
すでに20越えの侯爵家、辺境伯、隣国であるディニング帝国の第二王子…35歳じゃねーかあほか!!
「え、なんですかこれは。みんなロリコンなんですか?」
「ロり?なんだって?」
「お気になさらず」
うーん、これはもしかして退路を断たれているのではないか?
政治的な問題とは言え、ろくでもない相手に嫁ぐぐらいなら、あの王子の方がまともだろうよ。
申し出があった縁談の似顔絵を見る限り、絶対嫁ぎたくない。
それなら王子を女装させることに苦心した方が面白いのではないだろうか…そうすれば、トランスティーナ様の恋路もうまくいくわけで…
「お父様、解せないところもありますが、私婚約者候補として頑張ります」
「そうか、考え直してくれたか」
考え直したんじゃなくて消去法で選ばされた気がするが、まぁしょうがない。
あきらめも肝心だ。
逆に今から仲良くして、少しでも気まずくならないようなムーブをした方が絶対いいだろう!
むしろ私の幸せなど二の次だ!
私はトランスティーナ様のギャップに萌えてしまったんだから仕方がない。
しかし、実際に男に言い寄るってどうやるんだ?
私がやられてうれしかったことをしてみる?
いや、でもそんなの王子いつもされてるだろうし、あんだけ自分では塩対応していたと思うのに気が引けたんだから、そのままでいいのかな?
絶対お父様の策略だと思います




