28.婚約者候補だとぉ!?
最近はお勉強と淑女教育の時間以外はお部屋でぬいを作りまくっているミランダです。
男の子だけじゃなくて女の子キャラも作ってますよ。
いろいろな物語に出てくる主人公やヒロインを作っております。
流石に最初の勢いでは作ってませんよ。
あれは無理をしすぎました。
円卓の賢者シリーズは10代女性に人気のシリーズだそうで、マーガレット様は黒の賢者のニグレドと白の賢者のアルベド様の関係が好きだとか。
ちなみに、円卓の賢者は5人。
赤の賢者ルベド
青の賢者セグレド
黄の賢者キトリニタス
黒の賢者ニグレド
白の賢者アルベド だそう。
設定だと髪の毛の色がそれぞれの色に対応しているようで、とても派手。
前世のゲームでは、こんな感じの男性ばかりが出てくるお話って女性向けには多いわよね。
ちなみに、お話の中で女性キャラとの恋愛関係はなかった。間違ってもそんなシーンはない。
ただね、作者、分かってやってるわよねこれ。
さりげなく匂わせるのが実にうまい。
間違いなく「逆」で戦争が起こるお話だと思う。
私自身は、円卓の賢者における推しは結局できなかったが、お話として面白かったよ。
冬の社交シーズンに向けて緩やかにぬいを量産していたある日、お母様に呼ばれてお部屋へ向かう。
お母様のお部屋に呼ばれるのは珍しい。
だいたい家のことは、お父様の執務室で聞くし、日々の会話は食事の時間やお茶の時間でお話ししているので、お母様から直接呼ばれることはほぼないのだが…お茶の席では言えない話かな?
「来ましたね、ミランダ。そこへ座りなさい」
「はい、お母様」
え、なんだ?説教か?説教でも呼び出されたことなんてないぞ?
だいたい滾々とお茶の時間に怒られるので、明らかに状況が違う。
ヘタに神経を逆なでしてもまずいので、言われ通りお母様の部屋の応接セットのソファーに座る。
「我が家には名誉だけれど、ミランダには辛い知らせが届いたわよ」
なんだよ私に辛い知らせって…まさか!?
「ドッティール殿下の婚約者候補に、あなたの名前が挙がったわ」
ゴンッ
私は思わず目の前のソファーテーブルに突っ伏する。
「ちょっと、ミランダ大丈夫!?」
「あんまり大丈夫じゃありません…衝撃すぎて」
「なぜ選ばれたのか、全く分からないわよ私も」
お母様自身も信じられないのか…そらそうだよな…
夜中まで起きて星を見ていたり、庭のトカゲを捕まえたこともあるし、最近はぬいを大量に生産したりしている自由奔放な娘(自賛)で、たびたび貴族令嬢らしからぬ行動をして、お母様からも怒られている私の何が気に入ったんだか…
「お母様、候補ということは、私以外もいらっしゃるんですよね?」
「えぇ、アークレイ公爵家のトランスティーナ様よ」
「一騎打ちですか…ぜひトランスティーナ様に譲りたいですね…」
「馬鹿なことを言わないで頂戴。本命はあなただそうよミランダ」
「あぁぁぁぁぁぁ」
私は再度テーブルに突っ伏してしまう。
何故私なんだ王子ぃぃ、本気で覚悟を決めなくてはいけないときなのか…いや、まてよ。
まだトランスティーナ様だってダメだってわけじゃないだろう。
彼女を補正して何とか私の婚約時期を遅らせられないだろうか?
トランスティーナ様に会うことをお父様に相談だ!
ついに候補に上がってしまいました




