25.ぬい文化
早速ぬいを作ることにした。
まずは冒険者エリーカね。
挿絵をさらにデフォルメして3頭身ぐらいにして、お座りさせる。
お座りぬいというやつだ。
着せ替えはさせない面倒くさいし。
さらさらとデザインを書き上げたら、次は型紙作成。
顔正面に縫い目が出ない様に型紙を作らないといけない。
基本となる立体成型するための型紙を作ったら、今度はそこから衣装用の型紙に移していく。
顔は量産するのでよい。
目の形とか色は刺繍で表現するのだ!
フェルトをアイロンでジュッっと付けられると楽なんだがなぁ…まぁあれは耐久性もないので刺繍が最強であるが。
「本当に、お嬢様はこういうことは無駄に器用なんですね」
「リサ、その口縫い付けてやろうかしら?」
「恐ろしいこと言わないでください。褒めてるんじゃないですか」
「絶対褒めてないわよね今の」
サクッと顔の正面に当たるパーツに刺繍を施して顔を作っていく。
エリーカちゃんは緑目で金髪なので、眉毛も金糸の糸を使う。
髪の毛は布を切った物を縫い付ける予定
色を変えながら瞳を再現していけば、ハイライトも出来るのぜよ。
で、出来上がった顔前面に側面パーツを縫い付けて、ゆるーい三角柱状にして首の部分だけ口を開けておく。
裏返して綿をぎゅうぎゅうに詰め込む。
「ずいぶん綿を詰めるんですね。それだとあんまり柔らかくならないのでは?」
「ぬいは、ヘタるとホラーになるのよ。パンパンにわたを詰め込むのがポイント」
そのパンパンに詰め込むための縫い方が大切なのだが。
くそう、まだこの世界ミシンがないのだ…はよ開発してくれ。
まぁ逆に言えばミシンができると、服の価格が暴落するんだけどな…ドレスとか値段がグンと下がるはずだぞ。
この世界だと手縫いだからな。
ミシンの機構など知らん!そんな知識チートないわ!!
「あとはボディーね、衣装を再現しながら円錐形になるように作っていく」
「この棒は何ですか?」
「足と手」
冒険者の衣装って、そんなに煌びやかじゃないから楽だわ。
この後の賢者たちが恐ろしいと思う。
「しかしお嬢様、本当に縫うのが早いですね」
「リサも見てないで、これ型紙に合わせて布を切っといて」
「えぇ…」
お前も貴族の出だろ刺繍も手伝わせるから覚悟しろ。
型紙作成から2日。
ついにエリーカが完成。
賢者たちは裁断が終わったところ。
細かい部品が多すぎてリサに手伝ってもらっても時間がかかったよ全く。
私は完成したエリーカをテーブルに座らせる。
うむ、綺麗に座るな。
「おーちゃんとお座りしてますね。倒れないものですね」
「お尻側に重りも入っているからね。頭がデカいからつつくとすぐ倒れるわよ」
そう、ぬいの弱点はバランスなのだ。
アクスタは台座があるから絶対横倒しにならないが、ぬいはどうしても頭がデカいのでバランスが悪い。
赤ちゃんが座っても直ぐにころんて横になるのがよくわかる。
頭重たいもんな。
「なんだか、赤ん坊みたいですね」
「庇護欲がわくでしょ?」
さて、次は賢者どもだ。
5日後
「やっとできた」
「やりましたねお嬢様」
すでにリサと私はボロボロだ。
こんなに特急で頑張る必要はなかったんじゃないだろうか…
「リサは好きなカップリングはあるの?」
「え?カップ?なんですって?」
「賢者たちの好きな組み合わせよ」
「あーえーと、その…青髪のセグレドと赤髪のルベドが」
ふむふむ、こいつとコイツか、私は二つの人形を手に取り、ルベドを床に寝せてセグレドを上に乗せる。
「な、なにしてるんですかお嬢様」
「あ、逆?」
「何が逆なんですか!?」
「押し倒す方と押し倒される方」
「え、まって下さ、は?え????」
「受けと攻めって通じるのかしら」
「ちょっとそんな生々しいことやめてください、二人の信頼関係が尊いのであって」
「その信頼関係が恋愛感情に…」
リサが首をぶんぶん横に振っている。
あ、そう。そういう見方はしてないのね。
「ちぇーリサはお堅いわね」
「お嬢様は緩すぎますよ?!」
「まぁこういう遊びもできるって実例よ」
「恐ろしい遊びをしますね…」
「この組み合わせを逆にすると派閥で戦争になるわ」
リサがもう理解不能という顔をしている。
ふむ、理解できないのか…まぁそのうち分からせてやろう。




