23.社交シーズンの準備
あ、ミランダっす。
お茶会の後怒られたけど、殿下から「今度は個人的にお茶に誘いたい」というお手紙が届いたらしくて、お母様のお怒りが静まって命拾いをしました。
何が気に入ったのだ殿下。
星の話か?虫の話か?なんだ?
まぁ別に今すぐ来いってわけじゃあないので、どうでもよいか。
さて、今まで季節感について、ひとっつもお話をしていませんでしたので、お話しいたしますよ。
私の誕生日は春!4月なのだ。
で、社交シーズンは冬だいたい12月終わり~3月初めぐらいの2ヶ月。
お兄様が帰ってくるのも収穫が終わって領地経営がひと段落するから。
社交シーズンに合わせて帰ってくるというより、そういう理由で社交シーズンが冬なのだ。
我国の王子殿下の誕生日が8月夏真っ盛り。あの太陽のようなまぶしい笑顔は多分太陽の化身。
こっちの夏は暑さもさほどひどくなく、からっとしてるので、直射日光が痛いのに注意すれば過ごしやすい。
で、こないだのお茶会は9月に行われていて、今は10月。
月日の流れは速いものよの…
この時期になると、貴族家も冬支度を始める時期なのです。
まぁ貴族の冬支度って別に使用人がやるので、私がやることはお茶会用のドレスを仕立てて、公爵令嬢として社交シーズンにお茶会を開く事。
そろそろ本格的にミランダ主催のお茶会を開きなさいと、お母様から最後通告をいただいた。
ゲボッそんな友達いねーっす。呼ばれもしねぇよ。
で、お茶会で1回着たドレスを使いまわすのは失礼にあたるので、毎回新しいドレスが必要なのだ。
貴族めんどくさい。
とりあえず、開催日を決めて、派閥の子供宛にお手紙を発送。
あ、カーシャ様も呼ぶよ。派閥違うけど中立貴族だからいいってさ。
後は、どんなお茶会にするかを考えないと。
まだ7歳だから、そんなに大人っぽいお茶会してもアレなので、お茶して、おいしいお菓子を食べて、みんなで遊べればいいや。
「うーん、何をして遊ぼう」
お部屋でぬいぐるみに埋もれながら試行中。
お兄様からもらったマンボウを押しつぶしつつ考える。手触りがいいのだコレ。
今回お誘いしたのは女の子ばかり。
流石におままごとってわけにもいかない年齢のご令嬢もいるので、何か考えなくてはならない。
今回はうちの派閥の子爵家のご令嬢まで招待状を出したので、人数も20人を超えている。
金がなくても楽しめる企画が良いと思う。
うーむ…
「お嬢様、またぬいぐるみが増えたように見えるのですが」
「いまさらねリサ」
「購入した痕跡がないのに、なんで増えるんですか」
「ぬいぐるみ同士で交尾すると、子供ができて増えるのよ」
「アホなこと言わないでください」
「可愛い幼女の冗談でしょうが」
「お嬢様はたまに生々しいんですよ!本当に7歳ですか。自分のこと幼女って」
うむ、中身30代のオッサンだったから、しょうがないね。
「冗談はさておき、私がつくってるのよ」
「いつの間にそんなことを」
「淑女教育の時間」
「は?」
リサの目が点になっている。
それはそうだろう、淑女教育の時間でぬいぐるみを作ることなんてない。
「刺繍、裁縫の時間があるでしょう?」
「ありますね」
「ハンカチばかりじゃ飽きたので、ちまちまぬいぐるみを作っていったわけ」
私前世でも自分でぬいぐるみを作っていましたのよ!ホホホホホ!
型紙起こして、布を裁断してもらって、刺繍で目や口を再現して、縫い合わせる。
私が作ったぬいぐるみには、どっかに必ず刺繍の練習跡がある。
一応淑女教育の一環でつくっているので、花やうちの家紋なんかが縫われている。
「見慣れないぬいぐるみには、必ず何らかの刺繍がありますね…」
「でしょう?」
淑女教育では布に刺繍をほどこしといて、他の時間で一気にパーツを縫いあげるのだ!
「では、お茶会でぬいぐるみを皆様にご覧になってもらえばいいのでは?」
「そんなの楽しい?人が持ってるぬいぐるみなんて見て」
「お嬢様の保有量は異常ですから、きっと驚かれるかと。いっそプレゼントしてみてはいかがです?」
「ふむ、私の手製をプレゼントか…面白いかも。リサありがとう」
そうと決まれば、自分が作ったぬいぐるみを一度整理してみよう。
碌なものを作っていなかったと思うので、気を付けないとドン引きされかねない。
どんなぬいぐるみがいたかな?
貴族様ですからね
社交はせねばなりませぬ
てか、意外と皆さん虫好きなんですかね?
もう多分虫ネタは出しませんよ?




