22.王家のお茶会(2)
長いので分けました。
あと、虫注意です
一通りご令嬢たちとあいさつを終えた殿下は、私とアークレイ公爵令嬢の間の椅子に座った。
あ、やっぱり?私の隣が王子なの?
「ところで、ミランディール嬢は今まで王宮に来たことはなかったようだね?」
「はい、最近ようやく教育係に合格をもらえたばかりでございまして、それまでは家の小さなお茶会に出席しかしておりませんでした」
いきなりこっちに声かけるんかい!
あからさまにアークレイ嬢と話したくないのが見え見えやぞ!
めっちゃにらまれとるやないか私。
「ところで、巷では占いが流行っていると聞くがミランディール嬢はどうだい?」
「えぇそうですわね。私もタロット占いや星占いを嗜んでおりますよ」
「星占い?」
あれ?星占いってあんまりメジャーじゃないのかな?
「占星術と呼ばれる占いですわね、といっても私はまだ占いができる領域になく、手始めに天体観測をしております」
「何故、天体観測を?」
「はい、星の動きを予測することで、未来を予測するのが占星術ですので、天体観測は重要なのです」
まぁホロスコープがまだ作れないので、興味があった星空観察しているだけだけどね。
「というと、ミランディール嬢は、地動説を知っているかな?」
「えぇ私は賛同者です」
「ほう」
なんじゃい、「ほう」って。天動説が主流とはいえ、学説支持者は半々だと聞いたぞ?
「今は木星を観察しておりますが、木星の周りには大きな4つの衛星と呼ばれる星がまわっておりますの。木星と衛星の関係は、太陽と地球の関係と同じはずですわ。太陽の周りを地球が、地球の周りを月が回っているので、月食や日食が起こるのです」
「そうなのかい?」
「はい、ですからその周期がわかれば、いつ日食が起こるかも分かります。多分5年後にはこの地で皆既日食と呼ばれる太陽が全部隠れる現象を観察することができると、本で読みましたわ」
「なるほど、そういう意味でも未来がわかるのだね」
「えぇ、月の動きを観察することで、海の潮位の変化もわかります。海を持つ我が領では重要な学問でもあると思っております」
「なるほど、しかしミランディール嬢は科学に精通しているようだね」
そうか?精通しているつもりはないのだが…
「ドッティール殿下、私も最近は占いをしておりましてよ?」
「ん、そうなのかい?アークレイ嬢」
おぉ、思いっきり割り込んできたなアークレイ嬢。なかなかの肉食系。
私自身は別に王子狙いじゃないから好きにしてええぞ。
「ミランディール様も占いをされるのですか?」
「占い自体はタロット占いを少し。本が高くてびっくりしました」
「あの本、高かったんですの?」
む、カーシャ様はご自分で購入したことがないのか。
やっぱり我が家が特殊なんじゃないか。
「金貨三枚もするんですよ!暴利です」
「ぼ、暴利…私はお母様に買っていただいたので値段までは知りませんでした。」
「カーシャ様も占いをなさるのね?」
「はい、タロットカード占いが面白くて」
ちょっとカーシャ様と話し込んでしまった。
カーシャ様もゴスミランダのアクセサリーを購入していただいているようで、いろいろ聞いてきたのだ。
ふむ、他にも占い好きな子がないか聞いてみようと、周りを見回してみる。
席に座っているのは私たちだけ、殿下とアークレイ嬢を含んだ総勢13名の令嬢たちはお庭のほうへ席を立たれていた。
「ありゃ」
「ミランディール様、も、もうしわけありません」
「いえ、いいですのよ。私あまりお花に興味がなくて」
「そうなのですか?」
「えぇ、どうしても花の名前が覚えられなくって…」
「めずらしいですわね花言葉などは淑女の嗜みでは?」
「そうなのですけどねぇ…虫ならわかるんですけど…あ、ハエトリグモ」
ピンと机の上で飛び跳ねる小さなハエトリグモが目の前にいた。
「ひぃぃ!!」
カーシャ様虫苦手か、抱き着いてきて耳元で叫ばないで耳が痛い。
「どうしたんだい!?」
うわー、殿下が駆けつけてきちゃたじゃないか。
「あー、申し訳ありません、ハエトリグモがいたもので」
「あぁそういうことか。ここは外だからね…多少は仕方がないよ」
「そうですわね。でもハエトリグモってかわいいんですのよ?」
「…クモが可愛い?」
なんだ殿下とカーシャ様が不思議なものを見るような目で見てくるぞ。
「ほら、このくりくりとした瞳、もふもふの身体、ちっこいのに素早い身のこなし、素敵」
「普通の令嬢は、それが嫌いだと思うのだけど…」
ふむ、そうだろうな。
「ぬいぐるみになると可愛いですわよ」
「ミランディール様、クモのぬいぐるみなんてあるんですか?」
「えぇ、私が5歳のころ高熱を出した時の見舞いの品にありましたね。あれはかわいらしくデフォルメされたジョロウグモでしたが」
おい、残念なものを見るような目で見るんじゃない。
「ところで、君たちも一緒に来ないかい?庭を案内するよ」
「えぇ、喜んで」
「はい、お願いいたします」
ここでヤダっていっても目立つだけだしな。
カーシャ様も一緒に行くようだし、みんなに合わせよう。
その後、王家のお庭をみんなで散策して、お茶会は終了。
帰ってきてから王子そっちのけで、友達を作っておしゃべりしていたことをお母様から怒られた。
何にも言わなかったから好きにしてたのに。解せぬ。
ハエトリグモは虫の中ではかなり可愛い方だと思うのですよ。
オオスカシバよりはマシと思う。あれもモフモフで可愛いけれど。
あ、虫嫌いな人は絶対検索しないでくださいね?
責任持ちませんからね!




