1.転生したわ…
気が付いた俺の目の前に写るのは、ベッドの四つ角から柱がたち、天蓋とよばれるものがついている、巨大なベッドだった。
全身がだるくて、起き上がることもままならない。
誰かに手を握られているらしく横を向くと、一組の男女が俺を見ていた。
「ミランダ!気が付いたか!!」
「ミランダちゃん…よかった!よかったわ!」
やたら美形のイケオジと、これまたお人形みたいな美少女が喜んでいる。
何とか動くようになってきた体を動かして、手を持ち上げてみると、子供のような手が見える。
うわー、マジで転生してるっぽい。
しかも、ミランダと呼ばれているということは、夢の中であった美幼女に転生したんだろうか?
彼女はループしていたといっていたということは、それこそ断罪でもされて処刑されると、この年齢に巻き戻っていたのだろうか?
と、とりあえずこの二人が両親なのか確認してみよう。
「えーと、お父様?お母様?」
公爵令嬢だと聞いていたので、なるべく丁寧に聞いてみたが、どう聞いても疑問形だ。
外国語なんて全くできなかった俺だが、何とか伝わっただろうか?
「ミランダ、なぜ疑問形なんだ。お父さんであっているぞ?」
「大丈夫ミランダちゃん、私がお母さんで合っているわよ」
あ、やっぱりそうなのか。
ごめん、ご両親の知っているミランダちゃんはお空に行ってしまったと思うよ。
うーん、どうすべきか。
隠したところでボロが出るんだし、素直に記憶がないといってしまおう。
「申し訳ありません。お父様、お母様。私記憶がないようです…」
2人ははっとした顔をして、父は唇をかみしめ、母はベッドに突っ伏して泣いてしまった。
そらそうだろう、幼女とはいえ今まで生きてきた記憶をなくしているなど、親族として耐えられないと思う。
「すぐに別の医者に見せよう!あのヤブ医者め!何が王都一だ!」
父はすぐに部屋を出て行った。
大丈夫かな、寝込んでいたんであろう私を見てくれていた人。
母は私を抱きしめて泣いている。
うーん、なんと声をかけるべきか…
その後、お医者さんが突入して、一時的な記憶障害だろうということになった。
なんでも私は7日間も高熱を出していたそうで、生死をさまよっていたんだとか。
きっとこのタイミングでミランダちゃんはループしてたんだろうな。
何処の未来でループしてたんだかわからないし、なんで死んでしまったのかもわからないけれど。
こういうのって、俗にいう異世界転生物の悪役令嬢転生とかなんだろうか?
乙女ゲームはやらなかったが、そういう流行の小説は結構読んでいた。
いざ自分が転生すると、結構冷静でいられるもんだな。
まぁ何も知らないからかもしれないが…
それから数日、メイドさんたちに介抱されながら、何とか体力が戻りベッドから出られるようになるまで10日もかかってしまった。
ぜひご評価いただければと。
連載頑張れるのでお願いします。




