15.初めてのちゃんとした社交?
今日は、先日お手紙をもらったマーガレット様が遊びに来られます。
彼女は7歳、私の1個上の侯爵令嬢。
私の方が爵位は上だけど、貴族としては向こうが先輩だ、失礼がないようにしないとな。
ちなみに、我が国は公爵家を筆頭に3つの派閥があるのだけれど、うちは国王派だそうっすよ。
アークレイ公爵が中道右派、軍事部門の方が多いらしい。カーフテトラ公爵が中道左派って感じらしい。
ほかにも小さい右派や左派もいるそうだけど、おおよそこの国は中道保守よりだそう。
まぁ聞いた話、ここ50年戦争もないそうだし、順調に周辺国とも同盟を結んでいるから平和でしょうよ。
ぶっちゃけ人間同士で争うぐらいなら、魔物の討伐を重視しないと国の平和が安定しないそうで、たまに国家間合同で討伐作戦とかするんだって。グランデお兄様が言ってた。
合同討伐とかすれば、お互いの軍事力の誇示にもなるから、戦争抑止力にはなるかもね。
「突然の申し出を受けていただいて、ありがとうございますミランダ様」
「いえいえ、マーガレット様。今日は、お人形を見せてほしいとのことですけど、どうしてですの?」
「服飾師のルイさんが教えてくださいましたの、変わったデザインのドレスを人形用に作ったと」
なるほど、ルイさん経由で広まったのか、なんかゴスロリデザインべた褒めしてたもんな。
夜会では使えないけれど、奇抜で面白いって。
「では、わたしの部屋で待ってますので、こちらへどうぞ」
「まっている?」
「お人形さんは物じゃないんです。娘です!」
「は、はぁ」
む、理解されないやつだ、これ以上は話しても無駄だ。
「とにかく行きましょう」
さて、私の部屋はぬいぐるみで埋め尽くされているわけだが、それとは別にドール用のショーケースを用意してある。
「この子がラミちゃん、ルイ様に衣装を作ってもらった子で、こっちがマリアです」
「あら、名前があるのね」
「そうですよ、ドールに名前を付けるのは常識です」
「は、はぁ」
くそ、響かねぇな。
「見たかったのはラミちゃんですわね、こちらです」
私は手に取ってマーガレット様に渡してあげる。
扇子と日傘を装備させたままだわ。
「すごいですわね、この傘と扇子も精巧ですわ」
「細工師のバースさんの仕事ですのよ」
「これは、私自身が着てみたいわ」
「え」
マーガレット様本気ですかい?
「る、ルイ様に頼んでみてはどうでしょう?」
「そうしてみるわ、このブーツも素敵ね、どんなアレンジをしてもらいましょう」
このあと、マーガレット様とお茶をしてお別れした。
なんだ人形に興味があったんじゃなくて、衣装に興味があったのか…
あれ?でも派閥にゴスロリが誕生しそうだけどいいのかな?
まぁ別に私が着るわけじゃないしいいか…
私の見た目なら甘ロリの方が似合うだろうしな、今度作ってもらおうかな?
まだまだ、社交できてはいないと思うのです。




