11.魔法のお勉強
座学の勉強はたのしくできている。
この国の歴史とか学んでいるところなのだが、我がミランディール公爵家は初代国王の弟君の血筋だと知った。無知怖い。しかも筆頭公爵家なんだって。
カーフテリア王国には三大公爵家があって、そのうちの一つが我が家。
ほかに、アークレイ公爵とカーフテトラ公爵家があるそう。
カーフテトラ公爵家と、ミランディール公爵家は王族の血をつなぐために、過去に王を出しているって。
女性しか生まれなかったときに婿入りってやつだね。
アークレイ公爵家は、初代王娘さんの嫁ぎ先だってよ。
王国ができた時に尽力した家臣の一人がアークレイという騎士だって。かっこええな。
そして、地獄の淑女教育はじわじわと私を侵食中。
こないだ、「これおいしいぜ」って思わずポロってしまって、しこたま怒られた。
あと、紅茶を飲むときのカップの角度など知らん!!
そして、今日から座学に追加して魔法実技のお勉強が始まったのだ!
それまでは魔法も座学ばかりで、魔法とは何かというような教育ばかりだったので、やっと実技だよ。
「それでは、今日から実技です。いいですか?魔力は扱う人間の集中力によって…」
おじいちゃん先生、話長いっす。
いや注意事項はちゃんと聞かないと危ないと座学で教わっているので集中しなくては。
「では、初歩的な洗浄魔法を使ってみましょう。手を洗う時など部分的にも、全身を洗う時にも使うことができる魔法です」
何処でも手が洗えるのは便利だな。
公爵令嬢をしていると手が汚れるようなことはほとんどしないが、まだ幼いからか手が結構ぺとぺとするときがある。手汗すごい的な。
「では教えた呪文を唱えてみなさい。指先がじんわり温かくなったら、洗いたいところをその指でなでるようにすると、汚れが落ちますよ」
「はい、やってみます」
この呪文が言語化しにくいんだよ。
呪文を唱えると右人差し指の先がじんわり温かくなってくる。
反対の手を指でなでてみると、普通に撫でるのとは違うくすぐったさがある。
「うむ、いい感じですお嬢様。慣れてきたら指でなでるのではなく、目視で範囲を指定できるようになりましょう」
なるほど、確かにリサは私が下着姿になった時に魔法を唱えてくれるけど、頭ポンポンするだけで綺麗になるから、そういうことなんだろう。
「お嬢様は中々制御がうまいですね、この調子で練習を続けてください。ただし洗いすぎは注意を肌を傷めますよ」
あ、そうなのね。気を付けよう。
「これで洗浄すれば、お尻を拭かなくてもよい…?」
「だめです、お尻を拭いてから使ってください」
ちっウォシュレットの代わりとはいかないのか…
これからは週1回魔法実技のお勉強が増えることになった。
ただし、攻撃魔法は教えてもらえないらしい。
最終目標は防御魔法。
それまでに、この洗浄魔法や明かりをつける魔法など生活で使うものを習うんだそう。
中には手紙に封をする魔法や簡単な契約魔法もあるんだってさ。
消しゴムとかctrl+Zの魔法とか、レイヤー増やす魔法とかないですかね?ないですね。
公爵令嬢に火おこしの魔法必要?それ攻撃魔法じゃないの?って疑問はおじいちゃん先生の深い笑顔に黙殺されてしまった。
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