教えて!メモリア先生〈プロローグ〉
「冒険の旅に出ると言うことで良いわね?」
メモリアが念押しして訪ねる。
「冒険の旅に出れば、魔物娘に殺されたり」
「苗床にされる事だってある」
「秘境の地でスローライフを送れば」
「魔物娘には襲われない代わりに」
「取り戻せる記憶も限られてくるわ」
それでも、自分が何者なのかを知りたい。
理由はたった、それだけだけど。
「分かったわ!」
「なら私も同行するわ」
「こう見えてお姉さん、赤ちゃんの面倒見は良い方なの」
フンスと自分で鼻息を言葉で挙げて
メモリアは高笑いを挙げた。
赤ちゃんと言う言葉が鼻に付くが
何も知らないこの場に裸で放り出されるよりはマシだ。
「それと自分探しの旅とは言え」
「何処に貴女の記憶が在るかとか私もよく分からないから」
「先ずは情報を集める為にも人の多い場所」
「例えば都心部のような人の多い場所を目指しましょう」
…………
「あぁそうそう」
メモリアが徐に自身のページを何ページかを捲った。
「はい!此所いら一帯のエリアマップ」
地図の殆どの箇所がモザイクだらけで
まともに読めた物じゃない。
「かなり古い地図だから移動して地図を更新しないと使えない見たいね」
メモリアも地形の変化等で
内蔵されていた地図が旧過ぎた事を今知ったようだ。
「ちょっと!人を痛い子みたいな目で見るのは止めてよね!」
頼りになるのか成らないのかイマイチ分からない。
ソウダネ、メモリアチャンハ、エライ、カシコイ。
露骨な棒読みにメモリアが憤慨した。
人を赤ちゃん扱いしたお返しだ。
「あ~そんな態度ならもう良い!」
「せっかく今後のに備えて戦い方を教えてあげようと思ってたのに」
すいませんでした!!
舌の根の乾かぬうちに私はメモリアに土下座した。
お願いしますメモリア様、どうかこの憐れな裸ん坊の赤ちゃんをお許し下さい!
「ちょっと!如何したのいきなり!?」
突然の土下座にメモリアは慌てふためく。
もうスライムに負けるのは嫌なんです!
「う…うんうん、スライム怖かったよね」
「ヨシヨシ、お姉ちゃんが護ってあげるからね」