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魔女との夜会

(シド)

「レンさん……」

「僕はね、とっても悪い人なんだ」

「今まで多くの人や魔物娘(モンスターガール)を殺してきた」


(シド)

「最もそんな事は誰もが経験する事だ」

「多くの冒険者達が街の外で盗賊や理性を失った魔物娘(モンスターガール)達に」

「襲われれば自衛の為に」

「相手を殺すけど」

「大半の人達は、己の心を守る為に」

「自身の行いは正義の執刀だ!と己を誤魔化す」


 シドは何処か寂しそうな、遠くを見据えるような目で

窓の外を見詰めて続ける。


(メモリア)

「レンに小難しい哲学を説くのは止めて!」

「それよりも私達を部屋へ呼んだ理由を早く教えてよ!」


 いけない!?

危うくシドのペースに乗せられる所だった。


(シド)

「フフツ」

「メモリアさんが居る内は」

「下手にナンパも出来ないな」


 メモリアに一喝されて、シドは(おもむろ)に衣類を脱ぎ始めた。


(シド)

「レンさん……」

「もしも僕が男だ!っと言ったら」

「信じるかい?」


 そう言って、一糸纏(いっしまと)わぬシドの下半身からは

一物は無かった。


(シド)

「レンさんはマルスフィアと言う世界はご存じかな?」


 聞いた事が無く、レンはメモリアの方へと目を置く。


(メモリア)

「マルスフィア……」

「聞いた事があるわ」

「この世界ウェヌスフィアとは異なり」

「男しか居ないと言う世界の話を……まさか!?」


(シド)

「そう!」

「そのまさかだよ……メモリアさん」


 何かに気が付いたメモリアに

シドが返事を返す。


(シド)

「向こうの世界では確かにあった筈の僕の釣り竿も」

此処(ウェヌスフィア)ではまるで、始めから無かったかのように」

「もう、何処にも無い」


 衝撃的な告発に、メモリアは言葉を失う。


(シド)

「無い物強請(ねだ)りをするつもりも無いけど」

「それでも女体の、この身体()もまた」

「肉慾を求めていてね」

「単刀直入に言うとカロリナを今後見逃す代わりに」

「僕と一晩エッチをしてよ!」


(メモリア)

「駄目よ!」


 シドの求愛に透かさずメモリアが断りを入れた。


(メモリア)

「魔女と関わりなんて持てば」

「どんな要求をされるか分かった物じゃ無いわ!」


 シドは、舌舐めずりをしながら答える。


(シド)

「安心して……」

「悪魔と(ちぎ)り魔女を交わした魔女にしても」

「魔女にとっての契約破棄(うそ)は御法度!」

「三日三晩の……ハァ……ァン!」

「骨すら(とろ)け……」

「脳が沸騰する程の……濃厚な……」

目合ひ(まぐわい)を経て……生娘は……アァン」

「魔女へと生まれ変わるの……」


 ……一息付いてシドは落ち着きを取り戻す。


(シド)

「力を求めた僕は手段を選ばなかったよ」

「其れこそ男のプライドなんてかなぐり捨て」

「下等な()から大悪魔に至る有りと有らゆる悪魔共と」

「悠久の時の中で延々と契りを交わし」

「それ以来ずっと果ての無い肉慾の渇き飢え続け」

「多くの女共とも契りを交わすも満たされなかった」


 生憎と魔女になる気は無くてね。


(シド)

「お互い契約の契りを交わそうと言う訳じゃ無いんだし」

「お互い今夜はただ純粋に愛し合いましょう」

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