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魔女のお誘い

(シド)

「へぇ~」

「ヤマナラシねぇ~」


 不適な笑みを浮かべ、

全てを見透かしたようなジト目で此方を見詰めるシド。


(シド)

「レンちゃんって言うんだ」

「改めて」

「僕の名はシド!」


 会場は、熱気に溢れているも、

目の前のシドからは、凍てつくような冷たい殺気を感じる。


(シド)

「ねぇ?」


 !?

心配そうにシドはレンの顔を覗き込む。


(シド)

「君も具合が悪そうだけど」

「大丈夫?」


 意外な質問に戸惑いを隠せない。


(シド)

「心配です」

「もし良ければ」

「僕の部屋で少し休憩を成されませんか」


 この状況は、非常に危険大だ。

相手は仮にも、カロリナを追う犯罪組織のボスだが

逆に同時に相手の懐へ飛び込む絶好のチャンスでもある。


 緊張のあまり、涙を流れそうになったその瞬間。


(メモリア)

「レン!」

「ヤマナラシを医務室へ運んだわ!」


 メモリアが寸での所で割り込んできた。


(メモリア)

「シドさんでしたっけ?」

「レディを誘うにしても少し強引過ぎません事?」


(シド)

「おっと!」

「コレはコレは……」

「僕としたことがとんだ失礼を」

「でしたらお詫びに、医務室までエスコートさせて頂きたい」


 不味い!?

今医務室で、カロリナと鉢合わせになる状況は

非常に不味い。


 あの……シド様……

(わたくし)っ……少しくらい強引なお方に……

心惹かれて緊張してしまいますわ。


 我ながら言ってて口から心臓が飛び出そうな

臭い台詞だが、背に腹はかえられない。


 済し崩しにレンとメモリアはシドのスイートルームへと

足を運ぶ。


 あの……シド様?


 レンの心配とは裏腹に、シドはグラスに酒を注ぐ。


(シド)

「此方をどうぞ」

「この酒の名は魔女の寵愛(ちょうあい)

「僕の友達は、魔女にも救いは必要か?とも」

「訪ねていたけど」

「貴女はどう思いますか?」


 シドの質問に対してレンは答える。


 どんな人でも、必要だと思いますよ。

不謹慎な言い方かも知れないけど、

悪党に幸無しと言う人も居るけど

悪党には、悪党なりの正義があるように

魔女にだって良い人も居れば悪い人も居ると思います。


(シド)

「フフッ」

「アハハッ」


 先程までと打って変わり、

子供のようにシドは笑った。


(シド)

「そんな風に」

「答えてくれたのは」

「君が初めてだよ」


(シド)

「ねぇ?」

「もっと僕と話そうよ!」

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