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魔女とマスカレード
仮にも追われている身で悠長に
マスカレードに参加している余裕なんてあるのかとも思うが
メモリアとリーベとカロリナの喜びようを見るに
言い出せない。
「ご機嫌よう」
レンの前に黒髪ショートヘアーのボーイッシュの
顔立ちの良い第一印象が青年のような女性が話し掛けて来た。
メモリアから、事前にこの世界の人達が
全員女性だと聞かされて無ければ見間違える程だ。
「僕の名前はシドと言います」
「良ければ貴女の名前も教えて頂けますか?」
その名前にレンは凍り付いた。
カロリナから聞いていた魔女のボスと同じ名前だったからだ。
(シド)
「如何しました?」
心配そうにシドは此方を見詰めて来るも、
それが余計にレンの恐怖心を掻き立てる。
「レ~ン」
「如何したの?」
先に行ってた奴らが此方へ向かって来る。
メモリア!ヤマナラシの具合が悪いみたいだから
先に宿へ連れて行って介抱しておいてくれる!
レンは咄嗟に予め窮地に備えて決めていた
カロリナの偽名を使って、メモリアに指示を送った。




