勇者の称号の意味(2)
見渡す限り茜色の空と緑溢れる草原を吹き抜ける風がまるで
シルクのように優しく頬を撫でるような感覚だった。
自分の事は相変わらず思い出せないし、あの微笑の人が最後に
言った一言が妙に耳に残っていた、
すると草陰から物音と共に何かの物体?
固形状と言うよりはゲル体が目の前に飛んできたかと思った時には遅かった。
それは顔だけで無く両手足と腹部にも纏わり付いたのが
感覚で分かった。
「ウフフフフフ」
「こんな人気の無い場所に立っているなんて、まるで食べてくれと言わんばかりじゃないの?」
その声はあの微笑の婦人とは異なるも
ネズミを前にしたネコのような声で囁く。
「あら?」
「あなた勇者なのね」
両肩で目元のゲルを落としてその声の主を見て驚く、
全身がゲル体で覆われたスライムの女の子が
自分の腹部に跨がり押し倒されているからだ。
「噂程度で話半分聞いてたぐらいだけど本当に居たんだ」
スライムは顔を近付けながらそう呟いた。
「安心して、大人しくしていれば気持ちよ~く終わらせて」
「あ・げ・る」
そう言うとスライムは、口から唾液音を響かせながら
粘り気のある唾液を垂らした。
ヨダレが腹部に垂れるのと同時に服の繊維が溶ける音が響き、
スライムの舌がゆっくりと溶けて露出した素肌に近づく。
「安心してひて……」
「ふらいむのよあれは……」
「ふふのへんひを……」
「ほかふ……」
「だへあから……」
舐め回されながらなので呂律が回っていないが
言っている事は何となく分かる。
あまりの状況に恐ろしさと羞恥心から涙が込み上げてきた。
「ウフフ」
「怖い?怖いの?」
スライムの顔と口から垂れ出る唾液が少し宛下半身へと下がって来た。
「んんっ」
スライムが下腹部の辺りで一度舐めるのを止め
口の中で唾液を溜め頬の中で唾液音を言わせているのが聞こえる。
衣類は既に首元から下腹部付近まで舐め溶かされている。
そして今此処で唾液を流されれば、ホットパンツが溶かされてしまう!
「んばぁ」
甘い吐息と共に
スライムの口内から粘り気のある唾液がゆっくりと大量に垂れ下がってきた。
「あら?」
「ウフフそうなの」
恐怖で閉じきった瞳を恐る恐る開くと
溶けたホットパンツから自分の素肌が露出して
そこには毛の無い縦一本線が見えた。
そう、自分は女の子だったのだ。