16 帰還
暫く進んでいくと鬱蒼とした森が開けてきた。
木の間からは太陽の光が溢れてキラキラと光っている。
時間を図るのにも丁度いいと使っていた気配察知の二回目が切れてからもうしばらく経つ。
まだなのかというように少しアピールしてみるも、返事は芳しくない。
「ayleottoofftliomneg」
…まだまだっぽいな…
暇なので三度めの気配察知を使ってみる。魔力枯渇はまずいかもとも思わなくはないがこのまま何も無しに歩き続けるのもきついしな…。
…結果的には問題なかった。少し体が重いかな?とも思ったが、大したことはなく一気に情報量が増えた世界に夢中になっていた。
だからなのだろう。何か、嫌な感じがして僕は頭を抱え、伏せた。
彼が僕の異常に気づきこちらへ戻ってきた。その時だった。
彼の頭部に向かって鷲のような鳥が突撃していった。そして赤い花火を開かせる。
一瞬だった。
彼は地に伏した。
僕の頭は真っ白になり。
視界は真っ黒に染まった。
人間の集落編だと思いきや案内役ごと逝きましたね。
そもそもここの森は魔力が濃くあまり人間の集落を作るには向いてないので近くに集落はありません。
少なくともこの森を脱出するまで人は出すつもり無かったんですが…なんかいましたねw
多分森の賢者的なポジションでしょう。
もう居ませんけど。