13 火気厳禁
気持ちの良い陽気で目が覚める。
…目が覚めた時に死んでなかったの初めてだな…まぁ手足が動かせないんですけどね。
気絶している間に蔦のような物で編まれたロープで拘束されていた。辺りを見渡すと革鎧のような物をつけローブを深く被った何者かが大樹を背に座っていた。
「Aeinwyaekseg。」
相手も僕が目覚めたことに気が付いたようで声を掛けてくる…が…やはり分からないな…
「このロープを解いてくれないか?」
身振りを合わせて頼んでみる。どうやらなんとなくは通じたようで首を振られた。ダメらしい。
そして指を指された。その後周りを指す。
お前は誰だ。そして何処から来た?とかかな?
座れる体制に移動し、頭を下げてみる。そうして頭で来た道を示した。
相手は考えているようだ。そしてナイフを持ってこっちに来た。
思わず少し下がる。相手は首を振り、軽く手を上げる。縄でも切ってくれるのだろうか。
予想は当たっていたらしく足の縄は切ってもらった。しかし手の縄は切って貰えない。
ジェスチャーで示すが首を振られた。そこまでは信用していないということか。
そして僕の元来た道を指差す。案内しろということか。ただ元の場所には戻れないがどうしようか。
元来た道を進んでいく。
御神木を避け、大岩を迂回し、大倒木を潜る。
そして元の場所に着いた。
そして彼にここだというジェスチャーを送る。
その後寝たふりをして起き上がる辺りを見渡し、首を傾げる。
それでなんとなくは通じたようだ。
「kldintotolnew'it」
何かを考えているようだ。暇なのでメニューから今までの道で拾った木の実や枝葉、虫の死骸などの情報を見ていく。
レッドティアーズ
深紅の木の実。表面はつるつるで中も真っ赤である。まだ食べてないけど食用らしく悪くは無い味らしい。
グリッドアーケンの枝葉
グリッドアーケンはかなり長寿な木である。
最大寿命は十万年程度で認知されている最大の樹齢は五万年を超えるとされている。
これは道中の御神木のような木のことらしい。道理であんなに立派なわけだ。数万年も生き続けるとはな。
ブールーの死骸
毒などがある訳でもない完全に食物連鎖下位層の昆虫。魔力の濃い場所に良く生息していて生息域では常に飛び続けている姿を確認できる。
寝る時もらしい。すごいな。
ここらでお呼びがかかった。
何処かへ移動するようだ。
方向で言うと右側。僕を頭からガブリとやったやつがいる方向だ。その事を伝えようと頑張ってみる。ぴょんぴょん飛んだり背後に立ったりしてみた結果なんとなく伝わったようだったが
「Eoxlalcotkleyy。」
大丈夫だ。安心しろ、的なニュアンスを感じるな。
そして背中にあった袋の中身を見せられる。それは巨大な、ライフルのようなものだった。
英語の成績はカスです