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女神の使い

ルシアナがすくりと立ち上がり俺の前まで歩いてきて俺の前にちょこんと座る。

「『スキル』というのはですね。女神アファーナの加護により授かる特殊な力のことです。」

そう言って一旦区切り、話を続ける。


「得る者もいれば得られない者もいる。これは女神が為すべきことがある者に与える力とされています。得れないからといって劣っているというわけではないのですが・・・」


彼女は目を伏せ悲しい表情をする。

それだけでスキルの有無よる差別が生まれるのだろうと容易に察しがついた。


「スキル能力も千差万別で戦いに向くものあれば人を助けることに向くものもあります。能力の使い方を知る、というのも『スキル』を得た者の宿命と言えなくもないのです」


彼女は少し寂しそうな顔をした。


「ちなみにルシアナのスキルは?」


俺は興味本位で聞いてみた。

彼女は悲しいのか嬉しいのかよく分からない曖昧な表情で


「私のスキルは『女神託宣』です。このスキルを持つものが聖女の証なのです」


なるほど。スキルで職業が決まることもあるということか。

俺はもうひとつ質問することにする。


「んで?俺の『スキル』ってのはどうやって使うです?」


そう聞くと彼女は先ほどの神官の人を見る。

その視線に気づいた神官の人が首を横に振り


「私の知る限りでは聞いたことのないスキルばかりでございます。能力も発動条件もこれから調べるしかないでしょう」


なるほど。分からない『スキル』も存在してるのか。使い方さえ分からないとなると説明書なしでゲームシステムを探り当てるようなもんだな。

俺はニヤリと笑う。

こう見えて俺は説明書は読まずにゲームをやる派だからな。ちょっと楽しくなってきたぜ。

ニヤニヤしていた俺を見てルシアナも神官も怪訝な顔をしている。

いかんいかん。今はそんなことを考えてる場合ではない。

えーとまずは


俺はルシアナの隣に移動して芝居がかった感じで法王の前で膝をつき


「これでお分かりいただけましたか?えーと、自分はどうやら『女神の使い』なる者のようです。」


法王はすでに王座に座り直しており、胡散臭そうに俺を見下ろしている。すこし間をおいて閃いたように


「・・・伝承通りならそのようだな。してそなたは『女神の使い』としてこの世界になにをもたらしにきたのだ?」


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・・


「・・・・えーと、『女神の使い』はなんか使命とかあるのではないのですか?」

こっそりと小声で横にいたルシアナに聞いてみる。


「え?いえ、その・・・・『女神の使い』が何をするのかについては使いの方が知っているのかと・・・・」


彼女も小声で俺に返してくれる。

・・・・・

うーん、困った。偉そうに言ってしまった手前引き下がれない。こういう場合はなんだろう。

なんか困ったことを解決するのがセオリーだが・・・。悪代官を倒すとか魔王を倒すとか・・・

ハッと気が付きすぐルシアナに聞く。


「魔王!!!この世界に魔王がいたりしないんですかっ??!!」


ルシアナは突然の質問にびっくりして


「ひゃ、ひゃいっ!ま、魔王ですか!?こ、ここでその話はあまり・・・しない方がよいかと・・・」


驚きで一瞬大きくなった声は周りを気にして徐々に小さくなっている。

よし、この答え方なら魔王はいるようだ。ならば俺のすべきことは当然


「猊下、私の与えられた使命は当然。魔王討伐です。」


かっこよく言ってみた。ドヤッった。俺、かっこいい。


一瞬、皆が静まり返えり俺に注目する。

その後、一気に場がいままで以上にざわついた。

ルシアナが焦って肩を掴み、耳元で囁く。


「ほ、本気で言ってるんですか?魔王がどういう存在か理解されてるんです??」


彼女の切迫した表情が自分の致命的なミスを物語っていた。

あ、もしかして・・・・やらかした・・・・??

もしかして俺、なにかやっちゃいました?テヘペロ

で次回へ続くっ!!


見つからなかったピースが次々とはまっていき、なんとか全体像が完成しつつあります。

どんどん当初の予定よりかけ離れた作品になりそうですがっ!!w

楽しんでいただける作品をめざしたいと思います。

「もっとシンプルな話にしろ」とかご意見ご感想を心待ちにしております。

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