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舞踏会

扉を出るとファイネンがお辞儀をした姿勢で待っていた。


「お召し物の替えを用意いたしました。こちらへ」


そう言って促す。

俺はその前に彼女の前で首を垂れて


「すいません。せっかく用意していただいた服を台無しにしてしまいました」


そう謝る。しかもすぐに替えを用意する用意周到さ、頭を下げる以外の術を俺はしらなかった。

下げてる俺の頭にファイネンは手を置き


「不謹慎ですが胸がスッとしました。ルシアナ様のために怒ってくれてありがとうございました」


そして少し後ろに下がりお辞儀をして


「お急ぎください」


俺は頭を上げてうなずき歩き始める。

先行するようにファイネンも歩き出し部屋へ案内してもらいそこで着替える。

手際よく服の換装を手伝ってくれて身なりを整えてくれる。十数分で支度は整った。


「ではいってらっしゃいませ」


そうへやを追い出される。ゆっくりサボりたい気もあったんだが・・・

部屋の前には扉の前にいた給仕の男が待っていてまだ扉のところまで案内してくれた。


「これ、静かに戻れないんですかね?」


そう聞くと男は申し訳なさそうに


「すいません。お目だちになってなければそれもできたのですがすでに皆様戻られるのを心待ちにされてまして・・・」


そう言われるとなにも言えない。

諦めて扉の前に立つ。中で


「女神の使いカザミ・モリアツ殿が戻られました」


そう声が上がると扉が開く。

俺はまぶしい世界へ足を踏み出す。


扉の向こうでは拍手の嵐が起こる。

おれが階段を下りる間、拍手は止まらない。

そう思っていると階段の降り口に一人の男性が歩出る。すると拍手が徐々に静かになっていく。

最終段を下りると周りはこそこそ止みざわつく。そして俺の目の前には50代の男性が立つ。


「先ほどは我が愚息が失礼した。お詫びしよう。私はフォルトナン・リュセウス、バドガーラの父だ」


そういって男性は頭を下げる。一瞬老紳士といった感じだが頭を上げたその眼に宿った光は鈍くどす黒い。

俺は少し気圧される。顔を近づけてきて小声で


「いずれ・・・この件はしっかりと謝罪しよう。、では・・・」


そういうとお辞儀をして去っていった。

明らかに根にもたれてるよなぁ。そしてさっきまで興味津々といった感じだった人たちは皆面倒ごとに首を突っ込みたくないといった雰囲気を出していた。

・・・やっちまったかなぁ。

そう思っていると


「おや、破れたままの方がセクシーでよかったのではないかね?」


そう後ろから声をかけられる。振り返ると胸元がセクシーに開いた大胆な赤紫のドレスを着た銀髪の女性が立っていた。最近ぼさぼさな髪を邪魔だからと言ってバッサリ切ってしまったせいで一層大人びた雰囲気になった。


「マーファはいつも色っぽいが今日はまた一段と色っぽいね、見違えたよ。さっきはルシアナについていてくれてありがとう」


そう言うとニヤリといつも通り笑ったがお化粧をしているせいでいつもの倍は妖艶に見える。


「なぁにきにしないでくれたまえ。ああいう時、君は見境なく面白いことをやってくれるからね。カバーする方がわたし的には面白いと思ったんだ」


耳が痛いことを言う。


「ひとつ、気になったことがあるんだが。あの時照明を操作してたのマーファだろ・・・」


「なかなかいい演出だっただろ?我ながら楽しかったよ」


満足げな顔をして笑っている。


「まぁたしかに映えたとは思ってるよ。ただやりすぎ感はあったと思うけどね」


そう言うとマーファはわざとらしく驚き


「君に言われるとは思わなかったよ。やりすぎて法王の弟君にまで目をつけられてしまった愚か者なのにな」


そう言ってヤレヤレと言ったジェスチャーをする。


「あ、やっぱりまずかったかな?周りが一気に近寄ってこなくなったもんな」


俺は周囲を見渡す。こちらを気にしつつも目を合わせなくなった。


「そりゃ性質の悪さでは息子を凌ぐからな。法王は多少の問題はあるが人格者だ。しかしあの弟が問


題でね。法王の陰に隠れるように悪事を働く。周りを扇動する。なかなかの曲者だ」

音楽が変わり中央に男女が歩だしダンスが始まる。

マーファは気だるそう壁に向かって歩き壁にもたれかかる。


「まぁ今日は台無しだな。今宵の目的は君をお披露目して少しでもルーシーの味方を募りたかったん

だがな。しかし薄っぺらい味方など足手まといだ。逆にこの逆境でも力を貸そうという気概の方がわたしは大事だと思うがね」


そういって意地悪く笑う。まぁ言ってることももっともだ。


「そういえばルシアナは?」


俺は辺りを見渡す。マーファも死線だけであたりを見渡すとダンス会場に視線を送り


「ほら、あそこだ。しばらくはいろんな人にダンスを申し込まれて苦労するだろうな。君も隙をみて

踊ってあげるといい。喜ぶぞ」


意地の悪い顔でマーファがそう言って料理に向かって歩き始めた。


「おれは踊ったことねーんだが?」


去っていくマーファにそう投げかけると

マーファは振り返ることなく


「ふん、もう何曲かしたら静かな音楽に変わる。その時なら君でもなんとかなるさ」


そう言って手を上げてバイバイと手を振った。

なんだよ。それまで一緒にいてくれればいいのに。

周りに人がいなくなり少し心細くなったところに


「すいませーん、ご一緒に踊っていただけませんかぁ?」


そう可愛い声の女の子が後ろから声をかけてきた。


「あ、いや、俺、ダンスはしたことないんで・・・・」


そう言って声のした方向を振り返ると青い髪飾りを付けた金髪の少女がクスクスと笑いながら立っていた。


「セナさん、そういう嫌がらせやめてもらえませんかね?」


俺は顔を引きつらせながら可憐な美少女に文句を言う。


「あら?女の子からダンスを誘うのは礼儀としてはよくないのですよ?殿方からお誘いいただけないから恥ずかしいけど声をかけたのに・・・」


わざとらしくしなを作って悲しそうな顔をするセナ。そういう仕草をされると男心がくすぐられるほどの可愛さだった。ちくしょう。


「・・・ほんとに踊ったことないんだよ」


俺はぶっきらぼうに顔を逸らす。


「そんなの見りゃわかるわよ。せっかくだから付き合いなさいよ。戦闘訓練と大差ないわよ、ほら!!いくわよ」


そういって俺の手を取ろうとしたので俺はそれを避ける。びっくりした顔をしたセナの前にちゃんとした礼をして彼女の顔を見て


「わたくし、踊ったことがないので手ほどきをお願いしてもよろしいでしょうか?お嬢さん」


そう言って恰好をつけてみる。これはファイネンさんが教えてくれた方法だ。

踊れないことを先に申告しておけば相手もそれに合わせてくれるらしい。

セナは優しく微笑み


「喜んで」


そう言って淑女の礼をして俺の手を取った。

あ、どこかのお嬢様みたい。

俺たちはお互いの顔を見て苦笑してダンスホールへと二人で足を進めた。

中途半端に突っ込んだこのパーティー偏。やりたいことはやっちゃった感が強く、どう収拾するかを困ってます。しかも前回やっちゃったことが目的をつぶしてしまったのでこのあとどうしよう・・・。

しっくりこなくて困ってます・・・。

構成に失敗したかなぁ…。


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