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お礼

あれから3か月が過ぎた。


ここは聖都から約半日の場所、川辺の少し静かな林の中、魔獣の目撃の報告を受けて俺とシュレン、セナの3人のみで討伐にきていた。


俺は魔獣から少し距離を開けて様子を見る。

魔獣は『燃熊獣 ドラドォーラ』

全身を粘土状の発火性の泥で覆われた熊のような魔獣。体長は立ち上がると5mくらいあるだろうか。全体的に泥にまみれているため中身はもう少し小さいのかもしれない。攻撃としては前足を振り回す際に泥をまき散らし相手に泥を付ける。ドロは乾燥すると体温程度の熱さで発火して燃える。さらに燃えた後も泥の燃焼速度は遅いが高熱を発するという性質を持つため消えにくい泥を食らうと人などひとたまりもない。

また泥のせいで攻撃が通りにくい。

うっかり泥に引火させてしまうと火を纏った熊と化しさらに攻撃がしにくくなる。やっかいな魔獣だった。

そんな厄介な魔獣だというのにシュレンは躊躇なく踏み込み攻撃をする。剣撃により発火するのではないかと思っていたが彼女の剣は華麗でよどみなく風のように魔獣の身体を斬りつけダメージを与える。

『疾風迅雷』の効果で地を蹴るたびに加速してかなりの高速で魔獣の周りを円を描くように移動し攻撃、回避を繰り返す。

すでに魔獣には彼女を捉えていることができないでいる。

魔獣はイラついたのであろう。


「ブオォォォォォォォォ!!」


と大きく吼え全身を揺する。身体に付いた泥が周りにまき散らさられる。だがすでに泥の範囲にはシュレンはおらず離れたところで身体を滑らせながら着地していた。

動きが止まった相手にセナの魔法が襲い掛かる。

氷の槍が魔獣に一斉に襲い掛かり表皮を覆う泥を凍らせて動きを止める、もしくは泥自体が凍って表皮から剥がれ落ちる。

ここでシュレンがもう一度突っ込む。

そして俺も同時に突撃して攻撃しにいく。

シュレンは一撃を与え、すぐに移動してもう一撃、

よし。ここだ。俺も一撃を入れようとすると魔獣が身体を揺すり体の凍り付いた泥を全部落としてしまい思った以上の速度でこちらに方向転換してくる。おれはびっくりして足を止めてしまう。

そこに前足の一撃が飛んできて俺は左に吹っ飛ばされる。痛くはないけど。

飛ばされた先には次の攻撃に移っていたシュレンがいた。しまった!!

俺とシュレンはぶつかる。さすがのシュレンも躱せなかった。俺たちはもつれて地面にぶつかる。

かろうじてシュレンは俺の身体蹴ることでなんとか態勢は整えていたが蹴られた俺は無様に地面に転がる。ひどい・・・。

だがその隙を魔獣も見逃してはくれなかった。

セナも次の詠唱に入っていたのでカバーに遅れる。

魔獣は大きく口を開け口から大量の泥を吐いた。

俺もシュレンもさすがにこれは避けれず2人とも泥まみれになる。表面を覆っていたものより水っぽく粘膜性が高い。なにより思った以上に臭い・・・。


「なにやってんのっ!!」


詠唱を終えたセナが剣に雷撃を纏って一気に魔獣との間合いを詰めて、魔獣の後方から駆け上がり頭に剣を突き刺す。

剣は柄元まで刺さり、雷撃が魔獣の頭に貫通感電する。

開いた口から煙が上がり血を吹き出す。目玉が血と共に飛び出す。そのまま動きが止まり前めりに倒れる。

シュレンは泥まみれのまま素早く後方へ離れ

俺は残念ながら逃げ損ねて足だけ下敷きになる。

痛くはないけど抜くのに苦労した。


「まったく、どんくさいわね。あれくらいは躱しなさいよ」


魔獣が倒れる時にひょいと飛び降りてたセナが呆れた顔で腰に手をあてて小ばかにしたように笑う。


「うー。シュレン、すまない。」


俺は同じく泥まみれのシュレンに謝る。

シュレンもさすがにこの泥には眉をしかめている。


「まぁ・・・初めて戦った魔獣です。こういうことはありますよ。今後は気を付けてください」


泥を払いながら優しく注意を受けた。

ホントに申し訳ない・・・。


「まったく、たいした相手じゃないからあんたの『必中必殺』に頼らず倒してみたいっていう希望を聞いたらこれなんだから。あんたたち、泥落とさないと燃えるわよ。

あっちに川があるから落としてきときなさい。ここはあたしが後処理してるから」


セナにそう脅され俺はそそくさと川の方へ向かう。

乾くと燃えるらしいのでとりあえず服を着たまま川にざぶんと入る。

深いところで膝くらいまでの深さだったので寝転がるように全身で川に沈み、泥を水に浸してボロボロと流し落とす。そしてまず軽装の防具を外しそして服を脱ぐ。靴なども脱いで一旦川辺に投げる。ここら一帯は人がいないと言っていたので気兼ねなく全裸でまずは服の泥を落とし始める。


「ここでしたか。どうです?すぐ落ちそうですか?」


そう声を掛けられてドキリとする。

俺は慌てて川の中にしゃがむ。

振り返るとまだ泥まみれのシュレンが川の中に入ってきて全身を水に浸す。

そしてざばっと立ち上がると髪を解き、軽装の防具を外す。そのまま装備は川の中に落とし服も恥ずかしげもなくさっさと脱ぎ始める。

呆気に取られて俺は彼女を食い入るように見る。

しなやかな肢体。筋肉質で無駄のない身体つき。

乳房は心づけ程度ではあるもののこうして何もない状態でみると張りのあるよい形であった。

腹筋は締まりシックスパックが程よく主張している。

そしてくびれからの腰回りは薄くはあるが女性らしいラインを描いている。綺麗な深く青い海を思わす髪が水を滴らせてきらめいている。

俺はその神々しさにゴクリと唾を飲み込む。

俺の視線に気づいたシュレンは飽きれた顔をで


「そんなに食い入るように見られるとさすがに恥ずかしいのですが・・・」


シュレンが少し頬を赤らめる。

その仕草が可愛くて俺もつい頬を赤らめて


「あ、す、すいません。あまりにも綺麗だったもので・・・」

つい敬語になりお世辞のようなことを言ってしまった。

率直な意見がさらにシュレンの顔を赤らめた。


「あ、ありがとうございます。そう言ってもらえるとちょっと照れますね。でもこうしてしっかり見ると疵だらけの身体です。もう嫁の貰い手はないのでしょうね・・・」


彼女の言う通りよく見ると体中痣や傷痕でいっぱいだった。

だがそれでも彼女は美しかった。


「そんなの関係ないよ?それすらシュレンの美しさのひとつだ」


おれはそう真面目な顔で彼女に告げた。

シュレンは一瞬困ったような顔をして俺に近づいてきて水から上半身だけを出しているおれの前に立ち腰を折ると顔を近づけて突然唇を重ねてきた。

さすがにびっくりして硬直する。

川のせせらぎのみが聞こえる状態がしばらく続きシュレンはゆっくり唇を離し少し恥ずかしそうに眼をそらして


「・・・褒めてくれたお礼。あと、前に助けてもらった時にお礼をしてなかったから・・・」


そう囁いてはにかんで笑った。

彼女は呆然としている俺を置いて装備と服をその辺に干すとそのまま馬の元に行き毛布を纏ってセナの元へ歩いていった。

俺は・・・股間のブラザーが鎮まるまで川から動けそうもなかった。

展開を急ぐつもりでしたが時間軸関係でもうちっと話を挟まねばならぬようです。

こういうとこ行き当たりばったりでやってるのでなかなか難しいですね。

戦闘が主人公のスキルが強すぎてまったく面白くならないのが困りものなんですけど

俺ツエーーーの人たちってこの辺どうしてるんでしょうね?

その辺に注目していろんな人の作品を読んでみたいのですが

自分の作品煮詰めるのに時間がなさすぎるという・・・


泥臭い戦闘が好きな人はブックマーク、高評価、まだまだ泥臭さがたりねーな、という感想をお待ちしております。

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