抱擁
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少し寝ていたようだ。風が少し肌寒く感じて目が覚める。
先ほどより影が濃くなり薄暗いイメージをうけたが
まだ空は青い。太陽が沈みにかかっているのだろう。
「起きたかね。身体は大丈夫かい?」
聞きなれた声が静かに俺の耳を打つ。
声のした方向をみると銀色の髪を風に泳がせながら本を片手にこちらを見て座っている眼鏡の少女、マーファがいた。
「・・・どうしてここへ?」
俺がそう問うと彼女は意外そうな顔をしたあと少し怒って
「そりゃ来るだろ!!君は急に目の前から消えるし。増援信号は救難信号に変わるし。セナはいつまでも連絡してこないし!!」
あ、怒りでヒートしてきた。だがマーファはハッとしてコホンと咳ばらいをひとつしてから落ち着き体操座りに座り直し
「・・・まぁ、でも3人が無事でよかったよ。部隊全員が無事とはいかなかったがね・・・」
彼女の顔が少し神妙になる。
「・・・。そうか、そうだよな。何人・・・亡くなったんですか?」
守れなかった命も当然あったのだ。
俺は知っておくべきだと思ったので聞いてみた。
「3名死亡。4名が重症だそうだ。軽症者はもっといるが彼らはすでに神官たちが到着したから大事はないだろう」
マーファはそう答えた。
知らない人たちとはいえ少し罪悪感を覚えた。もし、俺がもっと真剣に『スキル』を学ぼうとしてこの部隊について行ってたら、もしかしたら誰も死なさずにすんだのかもしれない。そういうことを考えてしまった。
俺の顔を見てそれを察したのか
「君が背負うものではないよ。君は最善を選んだと私は思っている。とにかく、シュレンとセナを助けてくれてありがとう。私事で悪いが本当にそう思っている。あの状態で2人を救う手立てはなにもなかった・・・。君には感謝している」
マーファは少し泣いているようだった。
顔を隠すように膝を抱える。
俺は起き上がり彼女の頭を撫でた。
マーファは膝でゴシゴシと目元の涙を誤魔化すと、ヒョイと顔を上げ
「そうだ。キミのその格好もセクシーだとは思うがそろそろ服を着ないと風邪をひくぞ?」
そう言って上半身裸の俺を見てニンマリと笑う。
セクシーとか言われると恥ずかしくなり俺は毛布を引き揚げようとするとマーファがその手を押さえて毛布から手を離させるとくるりと俺の上に馬乗りになる。
「んふっふっふっ。そういえばこの間からずっと視姦され続けていたねぇ?仕返しをしてやらねばなるまい」
マーファは意地の悪い笑みを浮かべながら俺の体にわざとらしく指を這わせる。
ちょっ、待ってー、恥ずかしいーというか、この状態では・・・俺の聞かん坊がー機関棒がー!!
俺は軽くパニくる。
マーファは恐ろしいほどに妖艶な笑みで微笑み、潤んだ瞳を向けてくる。目と目を離さずにゆっくりと顔を近づける。吐息がかかりそうなほどに。
いーやーーエロいーー。襲っちゃっていいやつー?さそわれてるやつーー?
俺の思考はすでにエロ一色。脳の血液は血管を脈打たせ、沸騰して思考を奪っていく。
すでに視界がぐるぐるし始めるとふわりとマーファは俺を抱きしめた。吐息交じりの安心感を得たような声で
「キミも無事でよかった。本当に感謝しているんだ。こんな形でしか表せないのが残念でならないくらいだよ」
マーファの優しい声、優しい抱擁は俺の涙腺を刺激した。卑猥な感情で満たされていた脳内が一気に晴れやかになる。そっと俺も抱きしめ返し
「ありがとう」
そう呟いた。とても温かい気持ちになった。
しばらく2人で抱きしめ合っていたがマーファが耳元で
「さて、そろそろこの恥ずかしい状況から離れるとしようか。なにやらお尻のあたりに堅い物体が当たってることだし」
俺は耳まで真っ赤になった。こんな状況でも俺の兄弟は男としての本分をわすれてはいなかった・・・。
マーファは少し笑いながらすくりと立ち上がり最初に座っていた場所においてあったバッグの中から服を取り出して投げてよこす。
「わたし的にはそのセクシースタイルも捨てがたいのだが、セナが用意してくれた服だ。ありがたく着たまえ。シュレンのお見舞いに行きたいだろう?」
そういってウィンクする。
そうだな。彼女の安否を自分の目で見てこなければ。俺は渡された服に袖を通す。
なんか投稿失敗して編集中を投稿してしまってた・・・。
もし途中のに目を通した人がいたらすいません・・・。
この調子でヒロイン全員にお礼言われるだけで数話かかりそうな勢いになってきました・・・。
相変わらず進展しないなー。でもこういうところでポイントアップしないと好感度ってあがんないよね・・・・。他のハーレム作品ってその辺どうやってんだ?勉強しよう。
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