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木漏れ日

爽やかな風と、チラチラと漏れる木漏れ日の光が眩しくて俺は意識を取り戻す。

ここは・・・上体を起こしあたりを見回す。

俺は大きな木の下に寝かされていた。

周りには誰もおらず少し離れたところで賑わう人の声がする。

とりあえず状況を確認する。

俺は魔獣を2体打ち倒して気絶してしまった。

ベトベトだった身体は服を脱がされ綺麗にされている。かけてあった毛布の中も確認する。

真新しいパンツ一丁姿だった。

誰かが綺麗にしてくれたのだろう。

誰がしてくれたかはしれないが・・・恥ずかしい。

とりあえず起き上がろうとするが足に力が入らない。うわっ、こんなの初めてだ。

動かそうとしてみたがピクリとも動かなかった。

こんなこと初めてで不安になる。やっぱり魔獣の口の中でガムみたい扱われたのが響いてるのか?

もしくは『スキル』の影響か・・・?

何気に『スキル』というのが怖くなる。ほぼ超常現象だ。それを何のリスクもなく使えるものなのか?一瞬で吹っ飛んだ魔獣の頭。あんなことが簡単にできていいのか?

もしかして立てないのは使ったリスクではないのか?そんなことを考えてると

「あら、やっと起きたんだ。」

少し離れたところから声をかけられる。声の方向を見るとそこには太陽に愛された天使のように輝く金髪を靡かせてセナがゆっくりと近づいてくる。キラキラと光が粒子のように彼女の周りを漂っているかのようだった。

一瞬、その神々しさに息を飲む。

呆然とする俺を胡散臭いものでも見るように


「なによ、その顔。なんか文句でもあんの?」


眉をひそめながらセナがむすりとした顔で言う。


「あ、いや一瞬、天使が舞い降りたのかと思って・・・」


うっかり思ったことを口走り、しまったと口を押えたが


「なによ、天使って?よくわかんないわよ?」


セナは小首を傾げる。

ああ、そうですよねー。そういや女神の存在しか聞いてないや。


「いや気にしないで」


俺はバツが悪くなり流すことにした。

なにか納得はいかないといった感じだったがセナは俺の横に座り


「ふうん。まぁいいわ。身体の方はどう?おかしいところはない?」


俺は一瞬、異常を伝えることを少し躊躇する。

治らなかったらどうしようと思ったが不安には勝てなかった。

「いや・・・えっと、痛いところはないんだけど。ちょっと足が・・・動かないかな?」


俺は引きつった笑顔で答えた。

セナは神妙な顔つきになり


「ちょっと見せてみなさいっ!!」


そういって俺の毛布をはぎ取る。いやん、俺パンツいちまい~。

そう口にだせず固まってしまう。

セナは俺の足を触り


「触ってる感覚はあるの」


真剣に俺の足を撫でながら聞く。


「あ、うん、それはあります」


「全然、動かない?ちょっと動かそうとしてみて」


彼女は関節を曲げたり伸ばしたりしてみたりよく揉んでみたりしている。

いやん、そんな綺麗な手でいろいろされてると変な気分になるじゃないですか。

などとへんなことを考えてると血流が集まってはいけないところに集まろうとしているのがわかる。はっ。いかん、こんな時はアメリカ50州知事の名前を思い出すんだっ!!・・・一人もしらなかった・・・。


「どう?だめ?動かない?」


そんなくだらないことを考えてるとは露知らずセナは親身になって俺の足の心配をしていた。

俺はハッとなって足を引く。

するとスッと普通に動いた。


「あ、動いた」


2人の声がハモり目が合う。

俺は少し恥ずかしくなりすぐ目を逸らす。


「すんません。気のせいだったのかもしれません」


不安に駆られて様子を見ずに相談するのが早すぎたことが恥ずかしくなった。

女の子に足をさすってもらいたいがために嘘ついたと思われなかっただろうか?そんな不安がよぎる。


「とりあえず、問題ないならよかったわ。命の恩人になにかあったらやるせないもの」


そう言って優しく目を細める。

その表情に一瞬見惚れてしまった。馬鹿な不安は一瞬で吹っ飛んだ。

そして急に赤面してしまう。くっそ可愛いじゃねーかーーーー!!

そこでふっと我に返り大事なことを思い出す。


「シュレン、シュレンは無事なんですか!?」


俺は助けにきた女の子の安否を確認してないことで焦った。

セナの表情に少し陰りがでたが


「うん。命に別状はないわ。身体の方は動かせない状況だけど大事はないそうよ。あの子は無茶しすぎなのよ」


そう言って少し怒ってるようだった。

俺は肩の力が抜けドスンと横になる。


「そうですか。よかった・・・・」


やった。間に合った。俺に人助けができたんだ。そういう思いを今噛み締めた瞬間だった。小さくガッツポーズをする。

それを見てセナは少し笑うと俺に毛布を掛けてくれ


「もうちょっと休んでなさい。後でなんか食べ物を持ってくるわ。聖都から救援がくるまでもう少しかかりそうだから。・・・ほんとにありがとうね」


彼女はそう言って俺の髪を撫でてから立ち上がり

ゆっくりとこの場を去っていった。


俺は木々のの間から零れる太陽の眩しさをみながら。

人生で初めて、人のために為した大業を噛み締めて幸せな気分になった。

結局強くなってしまうと戦闘とか必要なくね?

と思っちゃうのは私だけですかね?w

暫くはラブロマンスに力をいれたいところ。というかコレ恋愛ものなのかもしれないといま思ってしまった。


ハーレムで恋愛要素強すぎな作品が好きな人はブックマーク、高評価。女の子とイチャイチャしたいという感想をお願いしますw

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