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講義

資材装備部に着くとセナは部屋にいた男性に事情を説明してくれた。

状況を理解した男は素早い対応であれやこれやと必要なものを決めていく。既存の隊服でサイズを確認したり必要な備品を集めたりしてくれた。

その間セナは資材部の女の子と話していたが、急にものすごい音のサイレン?のような音が鳴り響く。

この場にいる全員の顔つきが変わる。

「ごめん。緊急招集。あとは一人で帰って!!」

セナは素早くそれだけを言うとさっと風のように部屋を出ていった。

他の人たちも何やら右往左往して資材の確認などに走り始める。

俺の備品を準備していた男が


「君、すまない。緊急事のため続きは後日でいいかい?廊下に出て右へまっすぐ行けばそのまま外に出れるはずだ。本部はバタバタするからね。今日は帰った方がいい。」


彼はそれだけ言うと他の人と共に奥へと移動していった。

俺は周りの騒動を見て自分になんかできないか?と思ったがこういう組織的な行動に異物はかえって邪魔になるなと思い直し言われた通りここを離れることにする。

廊下に出るとみな忙しそうに走っていたり荷物を運んだりしている。

人の邪魔にならぬよう廊下の隅を歩いて外を目指していると


「・・・ど?なんなの?緊急召集の内容は」


「中型魔獣の目撃情報だ。聖都から1日の距離らしい。早急に隊を編成して出撃だそうだ」


「そうなの?出撃するのはやはりシュレン様率いる精鋭かしら?」


「だろうな。まぁシュレン隊なら問題なく討伐するだろうからな」


俺はたまたま聞こえてきたこぼれ話を立ち聞きしてそこを離れた。

緊急出撃なだけで緊急事態ではないようだ。消防隊の出動みたいなものなのだろう。

とりあえず魔獣の規模がすごいのかヤバいのかもわからないのでこのままマーファのところに行くことにした。彼女に聞け、と言ってたしな。俺は本部を後にした。


本部を出てしまえば意外と敷地内は平穏だった。

すれ違う神官たちはのんびり庭で談笑してたりいつもの風景だった。

俺はマーファのいる魔法塔へ向かった。


コンコン、ノックをして扉を開けてみる。こないだ同様、普通に扉は開いた。


「おじゃましまーす。」


女の子の部屋に勝手に入るのもアレかとも思ったが多分いたとしても出ては来ないだろうなぁとこないだの気だるそげなエロい女の子を思い出す。

よって意を決して中に入っていく。

ごちゃごちゃした通路を抜け部屋に入る前に一応声をかける。


「マーファさん、カザミです。いますかー?」


返事はない。

この間話した部屋に入るとソファにぼさぼさの髪のまま相変わらずの薄着でうたた寝をしている女の子がいた。ボディラインは相変わらずセクシーそのもの。背中から腰、そしてお尻のラインがしっかりと丸みを帯びたいい線を描いている。

そして寝顔もセク・・・・あれ?なんか可愛らしい。幼さとあどけなさの残る愛らしい寝顔だった。そんな寝顔を眺めていては変な誤解を招きかねない。

とりあえず声をかける。


「マーファさん。すいません、マーファさん」


そう大きい声で起こしにかかる。

すると、パチッと目を開け俺を見たのにすぐもう一度目を瞑る。

その後、すぐに目を開けて少し思案した後、


「君は寝てる女の子にいたずらする趣味があるのか。すまない。気づかなかった」


そう不名誉なことを決めつけられた。

なにもしてないのに・・・。


「そんなことはしてません。勝手に入ってすいません。返事がなかったもので」


そう謝罪すると


「ああ。その件は気にしなくていい。また来てくれと頼んだのはこっちだしな。変態だと気づかずにそう言ってしまったのはわたしなのだから」


そういうとニヤリと笑いながらゆっくりと上体を起こす。

そして机の上の青く点滅しているひし形の水晶のようなものを見て訝しげな顔をして


「今日なにか変わったことがあったのかな?」


と俺の顔を見る。俺は小首をかしげて質問の意味について考える。


「残念ながらマーファさんの予定までは知りつくしてないんでわかんないですね。俺の知ってる変わり種の話となると今日、討伐隊に呼ばれて本部へ行ってきました。そこで緊急招集?でセナが急いでました。聞いた話によると中型魔獣が見つかったので出撃するのだとか・・・」


俺がそういうと合点がいったようにマーファは頷いて


「ほぅ。それだな。緊急召集か。中型か。どの種だったのだろう?あとで問い合わせてみよう」


そう言いながらまただらりとソファに寝そべる。

緊急という割に急ぎでないんだ。気になったので聞いてみる。


「緊急召集というわりにはみなさんあまり焦ってないですよね。魔獣ってのはやばいんでしょう?」


そう聞くとマーファは気だるげにこちらを見て


「そうだな。危険は危険なのだがここを襲われてるわけではない。討伐隊を編成して出動するのに急ぐくらいなもんだ。聖都を襲われる場合や大型の魔獣の場合は緊急事態となるのでその警報器が派手に割れるのだ。その場合は私も急がねばならんがな。」


そこまで話しテーブルに置いてあったカップをとり残っていたお茶を飲み干す。少し物足りなさそうにカップを見てから俺の顔を見る。

はいはい。淹れてきますよっと

俺はカップを受け取り炊事場に向かう。


「じゃあ特に問題はないんですね。そうだ。討伐隊の隊長さんに魔獣について知りたければマーファさんに聞けと言われたんですよ」


俺はポットに水を入れカップを濯ぎ自分の分も準備して彼女の元へ戻る。

戻ってみると仰向けになりまどろんでいた。男性なら間違いなく目が行くであろうたわわな胸元が呼吸に合わせてゆっくり上下する。うーん、セクシー。


「魔獣についてぇ?うーん、そうだねぇ・・・」


半分眠気眼で俺の差し出したポットの底を掴みぼそりと詠唱するとポットは一瞬で湯気を上げる。

相変わらずすげー。

俺はテーブルに置いてあった茶葉を入れて少し蒸らしてカップへそそぐ。


「魔獣についてどの程度の知識なんだい?」


俺が入れたカップを差し出すと上体を起こして受け取りながら質問をしてくる。


「そうですね。魔王の手先で人を襲う獣。くらいしか聞いてないです」


そう言いながら椅子に座ろうとすると

マーファがソファの横にクッションを落とし、俺を見てポンポンとクッションを叩く。

ああ、こっちにこいと。

俺は椅子に座るのをやめて

ソファにもたれかかるようにクッションに座る。


「ふむ。そんなところかね。私は魔獣というのは「現象」だと思っているが、まぁ詳しいことはあまりわかっていない。生態系など調べようにも追いかけることができない。過去の魔獣専門の魔法使いたちの研究でも魔獣がどこから現れ、どう生活し、どう繁殖するのか突き止めれた者がいないだ。

突然発見され、人を襲い害をなす。それが魔獣だ」


さすがというか研究者といった感じでマーファの少し高い聞き心地のいい声で講義が始まる。

一人称視点で物語を書くと状況を動かすのが難しい。

字数で縛らない方がいいのかなー?

でもなー長くなると読むのダルくなるしなー。

極力情報量を減らすようにしてるんですが減らしすぎると面白くない。難しい・・・。

分割したので戦闘はまだまだ先となります・

まて次号!!

待てねーよ!!という人はブックマーク、高評価。面白くするための感想をオネガイシマスw




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