鼓動
「ここはどーですかぁ?」
ルシアナは俺の体のありとあらゆるところに触れ攻撃をする。
「あ、そこはこそばゆいっ・・・」
俺はゾクッとして身を震わす。
「じゃあ、こことかは?」
彼女は執拗に攻撃箇所を変えながら俺の弱点を探っていく。
「そ、そこは・・・」
俺は恥ずかしさで顔から火が出そうだった。
「え?ここですか?でも・・・大丈夫ですよ」
「ってそこまでしなくてもいいと思いますよ」
俺もひとり悶え遊びに飽きたのでそろそろ彼女を止める。
ルシアナは針を持った手を止めて
「そうですか?一応全身試してみといたほうが良くないですか?」
彼女は先ほどから手から順に上がっていき頭などいたるところに針を刺してみて『完璧防御』の実験を繰り返していた。
無防備に密着するのでたまに彼女のいろんなところが体に触れるのでこちらとしては針どころではなかった。
今も頭の頭頂部を攻撃するために後ろにピタリと密着している。頭に、その・・・胸が・・・
針で突き回されただけなのにもう心臓が飛び出しそうなくらい脈打ち、一部男性特有の秘密兵器は既に暖気を超えて臨界突破寸前だった。
何度抱きしめて押し倒そうと考えたかわからなかった。
彼女は一旦俺の背後から正面に戻ってきて
「そうですね。もうあまり時間もないですし明日、本格的なスキルの能力確認をしましょう。シュレンにもお願いしておきますね」
ルシアナはそう言うと針をしまった。
まて、シュレンと言うと先ほど俺を切り捨て御免にするための人物の名前ではなかったか?
彼女は少し疲れたのかポテっと俺の横に倒れるようにベッドに寝転がる。俺は少しびっくりして彼女を見る。
「はぁ、一つはこれでわかりましたね」
彼女は顔を上げて俺をみて少し微笑み安堵の声を上げる。
「まぁどこまで耐えれるのか次第ですがね」
俺は不意に彼女の頭を撫でたくなり、そっと手を伸ばしサラサラの髪に触れる。
彼女は拒絶することなく気持ちよさそうに撫でられるままベッドに顔を埋める。
「クスクス、これ、いいですね。小さい頃、寝る前にこうやって母様に撫でられるのが好きでした。」
ルシアナは目を細めて懐かしそうな顔をした。
こうしてみるといつもの気を張って大人びた雰囲気の彼女とはまるで別人のような子供っぼさだった。
本来の彼女はこういう女の子なのだろう。
俺は愛おしくてたまらない気持ちになった。
このままこの子を俺のものにしてしまいたいっ!!
俺はそんな熱い情動に駆り立てられるように彼女の顔を覗き込む。
「すぅ〜・・すぅ〜・・・」
彼女は幼子のように寝息を立てていた。
俺は毒気を抜かれたように失笑してしまった。
しばらく彼女の寝顔を眺めていたがそろそろ時間かなと思いルシアナを起こすことにする。
「ルシアナ、ルシアナ、起きてくれ。そろそろ戻らないと」
俺は軽く彼女を揺り動かす。
「ん・・・ハッ、す、すいません。大事な話の最中にっ!!」
彼女は覚醒するなり俺に謝る。
「いいよ。こんな時間だ。本来なら朝まで寝顔を見ていたかったけど時間が迫ってる」
俺は彼女に時間がないことを告げる。
「もう・・・そんなに経ちましたか?すいません。撫でてもらうのが気持ちよくて・・・」
彼女は恥ずかしそうに俯く。
そんな彼女の頭をもう一度優しく撫でて
「さ、狭いけどもう一度台車へ。ファイネンさんがそろそろ来る頃だ」
俺はルシアナを促す。
彼女はニコリと笑って
「そうですね。明日の昼間にまたお時間を取っていただいてもいいですか?」
彼女はいそいそと台車の中に隠れながら聞いてくる。
「了解だ。明日また」
俺はそう言って台車に上手く収まった彼女の頭をもう一度ポンポンと撫でると彼女も嬉しそうにニコリとほほ笑んだ。
俺はそんな彼女を見ているとなけなしの勇気が沸き上がった。
彼女の頬に手をあてる。
そして顔を近づけて
「俺は君に魅了されっぱなしだ」
彼女の目を真正面から見据えてそう告げると彼女はキョトンとした顔で俺を見つめていたがみるみる真っ赤になり俯いてしまった。
そんな彼女の額に口づけをしてもう一度頭を撫でてから
「じゃあ閉めるね。戻ったらゆっくりおやすみ」
そう言ってゆっくり台車を閉めた。
それからゆっくり台車を入り口に運んでベッドにもぐりこむと静かに扉が開き、人影が台車を運び出していった。
はじめて、女の子に積極的になれた自分にびっくりした。
心臓がまだバクバク鳴っている。
それは心地よい感覚だった。
布団に残る彼女の残り香で胸いっぱいになりながら俺は眠りについた。
ここにきてやっとヒロイン可愛いなと思える自分がいました(遅
さぁハーレムもはじまりますよ~タイトル回収がはじまりますよ~~w
ハーレム待ちのみなさんは高評価、ブックマーク、次の女の子はよ。と感想をくださいw