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女神官 ファイネン・レクリトフ

「・・・ここにいらっしゃったのですか」


後ろから女性に声を掛けられる。

振り返るとそこには女神官のファイネンが立っていた。


「あ、ファイネンさん。迎えにきてくれたのですか?」


俺は立ち上がり振り返る。

彼女は怪訝な顔をして俺と一緒にいた男に視線を送る。


「・・・ああ、彼はキヨシュウくん。昨日俺にスキル発現の儀をしてくれた神官です。ここで会って

挨拶したら意気投合しちゃって」


俺は彼をファイネンに紹介する。

「キヨ、彼女は・・・・」


俺は彼女を紹介しようとするとキヨシュウは


「あ、知ってます。ルシアナ様付きの神官殿ですね。はじめまして」


キヨシュウはお辞儀をして胸の前で人差し指と親指を合わせ三角を作る。するとファイネンも同じ動作をする。どうやらこの教団の合掌とか十字を切るとかの動作なのだろう。


「じゃあカザミ殿、またお話ししましょう。今日はとても楽しかった。おかげで気が晴れました。ではまた」


彼はとても幸せそうにお辞儀をして去っていった。

ファイネンは眉をひそめて


「・・・・彼は昨日の失態によりこれから先を考えるとあんなに浮かれてる場合ではないと思うのですが?」


彼女は軽快な足取りで去っていたキヨシュウを見送ってから俺を見てそう質問する。

俺は得意そうに


「ああ、そのことはあまり気にしないようにという話をしてたのですよ。そしたら意気投合しちゃって今後いろいろ力を貸してくれるそうなんです」


そんな俺を胡散臭いものを見るような目で見るファイネン。なんかひどい。


「とりあえず俺、おなかへったんですが・・・・」


俺は話を切り替えるついでに何も食べてない現状を報告する。


「ああ、そうですね。では部屋へご案内します。食事は部屋へ運ぶよう手配します」


彼女はなんの感情もなくそう告げるとスッと前を歩き始める。早い、早い。

暫く歩き、ふっと止まると


「今晩、ルシアナ様の公務が終わり次第、あなたのお部屋でお会いしたいとのことです。かなり危険を冒しての訪問になります。あなたのお力添えをお願いしてもいいですか?」


彼女はこちらを振り向かず小声でそう聞いてくる。

ルシアナは危険を冒しても俺のために何かをしてくれようとしている。そのことが俺を震えさせた。


「もちろんです。俺にできることはすべてやります」


俺もファイネンにかろうじて聞こえる程度の声で力強く答える。

彼女はそれを聞くとまた歩き出した。今度は歩きやすい歩調だった。



夜が更けて、薄暗い部屋にテーブルランプの灯が揺らめく。

俺はソワソワとその時を待つ。

作戦はこうだった。俺は夜中におなかがすくので夜食を持ってきてもらいたいと頼んである。

その夜食を運ぶときにルシアナが隠れた台車で運ばれてくるという手はずになっている。


コンコン、ノックがされる。


「は、はいぃぃい?」


びっくりして声が裏返る。

ドアが開きファイネンが台車を推して入ってくる。


「頼まれていたお夜食をお持ちしました」


彼女は一礼をしてそう告げる。


「あ、ありがとうございます。お手数をおかけしてすみません」


俺はベッドから飛び降りて彼女の元へと駆け寄る。

彼女はお辞儀をして


「明日の朝食のため台車を2時間後に回収に参ります。終わりましたら入り口付近においておいてお貰えますでしょうか?」


俺は頷き


「わかりました。そのようにしときます」


それを聞くと彼女は顔を上げて俺をみた。

その眼は鋭く釘をさすかのようであった。

そんな目で見なくともわかってますよ。なにもしませんって。

俺は泣きそうな顔で彼女を見返す。こわいよー。


「では失礼いたします」


彼女は深々とお辞儀をして

台車の付近まで顔を近づけ


「・・・お気を付けを」


そう小さく囁き

顔を上げて扉へ移動しもう一度お辞儀をして出ていった。

俺は台車をゆっくりとベッドまでもっていく。

それからテーブルのランプを消した。

そして台車の上部を持ち上げる。

台車の中に体育座りで薄紫に輝く拳大の水晶を抱えたルシアナが

入っていた。


「ぷはぁ。す、すごくせまかったです。」


ルシアナは息苦しかったのか顔を真っ赤にしていた。

可愛い声、可愛い仕草に思わす失笑してしまった。

童貞くんにチャンスの夜到来!!!w

てきとーに湧いて出た脇役のために1話伸びましたが

ムフフな展開を期待してる人は

高評価、ブックマーク、そして感想に「ルシアナたん(*´Д`)ハァハァ」と書いて送ってくださいw

まて次号!!

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